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悲鳴をあげはじめた地球

日本の各地で40度近い記録的な猛暑が続く一方、日本海側では驚異的な豪雨による被害が広がっている。異常気象に慣れっこになってきている我々もその凄さに、驚きを隠しきれないといったところだ。

この並はずれた異常気象は日本に留まらず世界各地で頻発している。改めてその状況を追ってみよう。

猛暑

昨年の猛暑が嘘のように冷夏が続く北ヨーロッパとは裏腹に、マケドニア、ルーマニアなどの東欧では7月上旬、異常高温を記録している。マケドニアでは最高気温が43度まで達し、熱射病による死者が数十人に達している。

また、地中海に面したポルトガルやスペインでも40度を超す猛暑と雨がまったく降らない日々が続いている。そのため、カラカラにに乾燥しきった山間部では山火事が頻発し、既に1万ヘクタールを越す山林が消失しているというから凄い。ポルトガルのマスコミは、延焼し続けるその様を「地獄の光景」と伝えている。

山林火災といえば本家のアメリカでは、今年もまた、カリフォルニアとフロリダで大規模な森林火災が発生している。アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、中国・・・・・・・今や森林火災は世界中に蔓延し、貴重な動植物を次々と死滅させているが、このツケが間もなく人類に回ってくることは間違いない。

カリフォルニアの
   山火事

カリフォルニア州ゴーマンの近郊で、山火事による被害を受けた森林。

同州南部では既に約1週間近くも山火事が続いている(16日、カリフォルニア州ゴーマン)(AFP=時事)

 

 

フロリダの山火事

12日、フロリダ州のエバーグレーズ国立公園で、大規模な山火事により舞い上がった煙の様子。

山火事は8日に発生し、これまでに森林約2800万平方メートルを焼き尽くした。

マイアミ周辺の高速道路の一部が閉鎖されるなど被害が拡大している(EPA=時事)

 

 

猛暑といえば、中国もまたひどいようである。内モンゴルでは、内陸部の華中、華南などで6月後半から広い範囲で最高気温38度〜40度を記録。また、上海では、7月、あまりの暑さに電力消費が記録的な水準に達し、電力危機への懸念が強まっている。

またポルトガルやスペインと地中化を挟んで対岸に位置する北アフリカでは、猛暑と共に、バッタの大群が異常発生し、牧草地や果樹園、野菜畑などに甚大な被害が広がっている。

その被害エリアは数千億ヘクタール、九州より広い地域にわたり、一日で数万人分の食料を食べ尽くされているというから、その被害は甚大だ。被災国はさもなくとも食料事情の悪い国々だけに、飢餓の発生の引き金とならないか心配である。

アフリカといえば、スーダンからの難民が押し寄せているチャドの状況はさらに悲惨なようだ。世界のマスコミはイラクやパレスチナにかかりっきりだが、スーダンで起きた内戦は、数百万人の難民を隣国チャドに送り込んでいる。

日本国連HCR協会から届くニュースレターを読むと、記録的な猛暑と栄養失調のダブルパンチで難民の40パーセントがバタバタと死んでいっているという。痛ましい限りである。支援活動を続けるNGOの職員も、暑さと武装集団の襲撃で困難を極めているようだ。

洪水と干ばつ

カラカラの天気が続く国があるかと思うと、豪雨によって、大洪水に呑み込まれた国々もある。

スエーデン、ポーランド、アメリカ、メキシコ、中国南部、ベトナム、インド、バングラディシュなど被害は世界中に及んでいる。

アメリカテキサス州では雨が一滴も降らず、大渇水で雨乞いをしていた矢先に、突然、記録的な集中豪雨が襲い、たった数時間で街を一呑みにしてしまった。その凄まじさは新潟とは桁違いだという。

そのアメリカの南岸、カリブ海に浮かぶドミニカ共和国とハイチの国境付近でも5月23日に降った集中豪雨は記録的で、両国併せて3000人を越す死者と行くへ不明者が出て、ハイチでは3万人以上が家を失っている。

南アジアでも大きな被害が発生している。

7月、15年ぶりの大洪水に見舞われたバングラディシュでは、首都のダッカの市街地はその半分が水に浸かり、国土全体でも3分の2に被害が及んでいる。数百万人が避難生活を送っているが、40度を超す暑さと伝染病の流行から死者が続出しており、その数は1000人近くにのぼっているようだ。

インドでも大洪が発生しており、約50万戸近くの家屋が流され、家を失った人は800万人にのぼっている。また、476万ヘクタ−ルの農地で作物が損失、約2360万人がさまざまな形で直接被害を受けているという。

  南アジアの洪水
  で 1000人死亡

 7月27日、南アジアの洪水で、これまでに1000人が死亡した。写真は、インド東部の被災地。26日撮影  (ロイター)

 

 

 

7月25日、バングラデシュで15年ぶりの大洪水に見舞われている。写真は25日、腰まで水につかりながら、食糧や飲料水の配給を待つ人々 (ロイター)

こうした集中豪雨とは裏腹に、アフリカの東海岸インド洋に面したソマリアでは、2000年から始まった干ばつによる被害が拡がり、国連が各国に支援拠出の要請を出す事態に至っている

                       
ソマリアの干ばつ

冷夏と寒波

ロシアでは例年より雨が多く、別荘で短い夏を楽しむのが習慣のモスクワっ子は、今年は夏がないと嘆いている。モスクワ気象台などによると、今年は夏の半ばで、既に平年の90パーセントに当たる雨が降り、日照時間が極端に少なくなっているという。

昨年猛暑だったドイツでは、一転して冷夏が続いている。1300のビール醸造所がひしめく「ビール大国」だが、ビール消費量の長期低落傾向に歯止めかからずビール業界は大変のようだ。冷夏の続いた昨年の日本を思い出す。

真冬のペルーでは、南部のアンデス山脈の高山地帯が6月末から大雪を伴う寒波に襲われ、50人を超す子供が肺炎で死亡、国連などが支援に乗り出している。寒波の影響は家畜にも及んでおり、羊が約9万2000頭が死んでおり、農地が少なく放牧で暮らしを立てているこの地方の貧しい農民に大きな打撃を与えている。

台風とハリケーンの異常発生

日本列島を縦断した9月29日の台風で、今年日本列島に上陸した台風の数は8個となり、平均の2・6個を大きく上回って最多上陸記録を更新した。

まるで、日本列島を襲う台風に歩調を合わせるように、カリブ海からアメリカ・フロリダ方面もハリケーンの来週が続いている。

8月の半ば以降、フロリダを直撃したハリケーンの数は、「チャーリー」「フランシス」「アイバン」「ジーン」の4つで、これほど短期間に4つもの超大型ハリケーンが上陸したのは、過去100年間になかった異常事態である。

4つのハリケーンによる経済的損失は、アメリカの自然災害史上最大になる公算で、損害保険会社の保険金支払い総額は240億ドル(約2兆7000億円)に達し、被害者救済のための連邦政府支出も120億ドルを超えそうである。

また、通過地点にあったキューバでは、観測史上最大の風速86メートルを観測、死者・行方不明の数が3000人を越した。

専門家は北大西洋の海水温が上昇した状態が続いており、今後数年間も大型ハリケーンの発生しやすい状況が続きそうだと予想している。

地球から370キロ離れた国際宇宙ステーションから捉えたメキシコ湾上空で猛威をふるう大型ハリケーン「アイバン」(AFP=時事

 

 

ハイチで3000人が
死亡

冠水した道路を行くハイチの被災者たち(ロイター)

近視眼的な気象学者の解説

こうした地球規模での異常気象に対する学者の意見を聞いていると、大西洋の高気圧の張り出し方がどうだとか、海水温度の上昇がこうだとか、個々の現象についての結果説明ばかりで、そうした異常な状況がなにゆえ起きているのか、これから先どうなるのかといった点が明らかにされず、聞いている側からすると、隔靴掻痒(かっかそうよう)、歯がゆい感じがしてならない。

しかし、考えてみれば、気象学者に答を求めても無理というものかもしれない。なぜなら、今日の異常気象は、気象学の範疇(はんちゅう)を遙かに超えた現象だからだ。

異常気象の発生の元凶について、私は大別して2つの要因があると考えている。1つは人類が長年にわたって繰り返してきた自然破壊と汚染行為の因果応報、今一つは、宇宙的規模の環境変化である。

まず最初の要因について考えてみることにしよう。

人類はこの百年間に、自然環境をどれほど破壊し汚染し続けてきたことだろうか。広大な熱帯雨林や山林を次から次へと伐採する一方、川や海、大気中に農薬や工業用水、噴煙や粉塵をまき散らしてきた。他方、繰り返される地下や空中の核実験は、母なる大地「ガイア地球」とそれを包含する大気圏を傷つけてきている。

それらの行為は、「森林破壊」、「砂漠化」、「土壌・食料・河川・海洋・大気などの汚染」、「オゾン層の破壊」へとつながり、やがて、その咎(とが)は我々の目に見える形で現れ始めた。

最初の兆候として現れたのが、昆虫類や小動物の激減であった。夏の夜を飛び交う幻想的なホタルの群れが人々の目から消え、うるさいほどの鳴き声を上げていた田圃(たんぼ)のカエルの声や、昼寝を目覚めさせる蝉時雨(せみしぐれ)が聞こえなくなってか久しい。

童謡にまで歌われた夕焼けこやけの「赤トンボ」や、白と黒のまだらな「シオカラトンボ」もいつの間にか姿を消してしまった。

その後を追うように、姿を見せなくなったのが、鳥類や小動物であった。野鳥を追っていると、その「種」と「数」の減り方に驚かされる。野ウサギやリスといった小動物の減少も相当の速さで進んでいる。

今にして思えば、自然はこうした身の回りの変化で、人類に警告を発してきていたのだ。しかし、我々はそれらの現象を真摯(しんし)に受け止めることなく、無視し続け、物質的欲望と利便性を最優先する姿勢を変えることなく今日に至っている。

その結果、復元力の限界を超してしまったガイア「地球」は、とうとう瀕死の状況にまで追い込まれてきてしまった。そして今、地球は悲鳴をあげながら、のたうち回りはじめたのだ!! 

世界中で始まっている異常気象の真の要因は、母なる大地の苦しみの声に他ならないのだ。

それでもまだ気づかぬ人類に、地球はいかなる叫び声をもって最終メッセージ発することになるのだろうか。大地が発する最後の雄叫(おたけ)びは、栄華を誇った今日の文明の終焉を告げることになりはしまいか。私にはそう思えてならないのだ。

 

 

   次回は宇宙的規模の環境激変がもたらす異常気象とその行く末について述べます。

 

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