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案じられる「拝金主義」の行く末

最近のテレビや新聞を見ていると、拝金主義の極みが、とうとうここまで来たのかと恐ろしくなってくる。

耐震性問題、ライブドアーの粉飾決算、東横インの違法建築 ・・・・・・・ 自分さえよければ他人などどうなってもかまわない、金や名声を得るためなら何をやってもかまわない。 次々とマスコミを賑わす彼らに共通しているのは、極度な利他心 (他人に対する思いやり、慈しみ)の欠落であり、利己主義である。そこには良心のかけらも、企業理念の一片もみられない。

そうした考えの元凶が「拝金主義」「物質至上主義」であることは火を見るより明らかだ。「金」と「物」と「名声」、これに勝る宝はこの世にないとする考え方である。

あれだけの名声を得た西武の堤氏も今は塀の中、一代で巨大企業を築いたダイエーの中内氏もすべてを失い既にあの世の人だ。・・・・・・・・・ そうした先輩たちの哀れな姿を目にしながら、人はなぜいつまでも「金」や、「名声」にこれほどまでに執着するのだろうか? 

拝金主義で気になるのは、急上昇を続ける最近の株価である。

日経平均はライブドアー・ショックを乗り越えて16000円台に乗り、3年前の最安値7000円台の2倍返しの水準を超えてきた。 マスコミが景気の先行き楽観論を伝える間は、まだしばらくはこの上昇局面は続くことだろう。

あなたも上昇相場の波に乗れば、思わぬ利益を上げることが出来るかもしれない。しかし、「もうけ組」も引き際を間違えると、えらいことになる。その後に待ちかまえている下げ局面で、得た利益の数倍の損は覚悟しなければならないからだ。

かねてから警告しているように、株価急落のトリガー(引き金)となるのはアメリカドルの暴落である。限界を超えた貿易と財政の「双子の赤字」がその火種であることは言うまでもない。

近年、マスコミが好んで使う言葉に「市場(しじょう)」という用語がある。新聞を見ていると、「市場」が求めているとか、「市場」が嫌っているなどという表現がやたらと目につく。

陰で世界の政治や経済を動かし、世界中の富を我が物にしようとたくらんでいる拝金主義の親玉たちが、自分たちの目論見を大衆からカモフラージュするために使わせているのが、「市場」なのである。その実体をどれだけの人が知っているだろうか。

「市場が好感している」というのは、陰謀家たちが喜んでいることで、「市場が嫌っている」ということは、彼らにとって不都合なことが起きているということなのだ。

このように、ウオール街や兜町は、もはや一般の投資家が考えているような単純な投資の論理が通用する世界ではない。そこは、頭脳明晰なユダヤ系の輩が編み出した、「先物」とか「オプション」と呼ばれる「妖怪」が徘徊する魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界 なのだ。

もはや「投資」などという言葉は死後となり、そこは「投機」、つまり「丁半博打」の世界で、一般投資家などとても近寄れる世界ではなくなっているのだ。

かって、数千億の資金を運用する部署の責任ある立場にいた私が言うのだから、間違いない。素直に聞いておいた方が、泣きを見なくてすむ。日本企業の業績回復が株価上昇の要因などというマスコミの主張など信じていたら、とんでもないことになる。私から言わせれば、マスコミの報道こそ 堀江モンも恐れ入る「風言流布」の最たるものだ。

日本をはじめアジア株上昇の要因は、だぶついたオイルマネーが行く先を求めて、たまたま流れ込んだ先が、現在の東京市場や香港市場だけのことである。こんな流れ者のような資金は、いつ引き上げられるか分ったものではない。こうした実体を肝に銘じておかないと、必ず熱湯を飲まされることになる。

急増する主婦投資家

私が最も恐れるのは、急増しているインターネット取引で初めて株の売買を始めた個人投資家、中でも最も心配なのが、株式の何たるかも知らず、マネーゲームにのめり込んでいる家庭の主婦たちである。

怖い物知らずの主婦たちが家計を楽にしようと、なけなしの資金を元手に株式に手を出し始めている。上昇相場から株を始めた彼女たちには、急落や暴落の経験などない。そんな彼女たちが本格的な下げ相場が始まったとき、動転して駆け込む先はサラ金だ。

パソコンに向かってインターネット売買を繰り返す、か弱い「デー・レーダー」たちの姿をテレビで見るたびに、そんな情景が目に浮かんで仕方ない。私のHPの読者には少ないだろうが、もしもあなたの友人で株にのめり込んでいる人がいたら、是非一言声をかけてやって頂きたい。今ならまだ「大やけど」をおわずにすむからだ。

貿易と財政の累積赤字が巨大化し続ける一方で、個人の貯蓄率がマイナスに転じた巨大債務国アメリカのドルが、いつになっても暴落せず、ダウも1万ドル台を保持し 続けているわけをあなたはご存じだろうか。

マスコミは、こぞって米連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパンの手腕によるところが大だと報じている。しかし、彼がいくら凄腕だとしても、理屈に合わないドル高やダウの高値を、これだけ長期にわたって保持し続けることなど到底無理な話である。

グリーンスパンとて「神の手」を持っているわけではない。蚊帳(かや)の外の人間には知ることの出来ない裏技が使われてきているに過ぎないのだ。そこには「神の手」ならぬ、決して王道とは呼べない「奥の手」が見え隠れしている。市場を騙(だま)す「目つぶし」のテクニックだ。 ただアメリカという拝金主義の殿堂では、それが「神の手」と称されているだけなのだ。

ウォール街の金融機関に働く人々の平均ボーナスが、前年比10パーセント増の12万5500ドル(約1400万円)と過去最高となったことが報道された。これは2000年のネット株バルブの最盛期をしのぐ水準である。彼らがグリーンスパンを「神の手を持つ男」ともてはやす理由がわかる。

しかし、その神人・グリーンスパンも、いよいよ1月末をもって退場する。そのあとを担うのはバーナンキ氏だ。彼がいかなる裏技を駆使するのか見物である。もしも、次期議長がさらなる奥の手を持ちあわせていないなら、1ドルが100円を切り、「秋の日のつるべ落とし」 のごとく坂道を転げ落ちていくのは、そう遠い先のことではないはずだ。
 

 追加記事(2006/2/7)

グリーンスパンの為してきた奥の手が決して王道でないことを先に書いた。読まれた読者の方から、「そんな裏の手を公の立場の人が使うはずがないではないか」という、ご指摘を頂いた。

FRB(米連邦準備理事会)そのものの実体を知らない人の目から見れば、そう思われるのは当然である。日本銀行がとる政策は遅かれ早かれ国民の周知のこととなる。だからFRBの推し進める政策に 、裏の手などあるあるはずがないと考えてしまうからだ。

しかし、FRBは我が国の日本銀行や多くの国の中央銀行とはまったく性格が異なる機関であることをご存じだろうか? それはFRBが設立されたそもそもの経緯を知ればすぐ分ることだ。詳述は避けるが、FRBは一般の人が考えているような、公的な国家機関などでは決してないのだ。

読者のご疑問にお答えするような記事が、2月31日付の「米ウオールストリート・ジャーナル」に掲載されたので、ご覧頂きたい。

  グリーンスパン氏の業績の矛盾はほとんどすべてがそれをたたえていながら、誰もそれが
  如何に為されたかを知らないことだ。同氏は後任のバーナンキ氏に「記録」は残したが、
  「方法論」は残さなかった。

グリーンスパンのとってきた政策が隠された裏の手であることがお分かり頂けただろうか。さらに「英フィナンシャル・タイムズ」は2月1日付けの記事で、次のように述べている。

  グリーンスパンが残した政策は、数年後に、国内や対外的な不均衡が調整される過程で、
  大きな不安定をもたらす可能性がある。バーナンキ氏はドルの急落や国際的な長期金利
  の急上昇に直面して、金融政策を策定する自分に気づくことになるかもしれない。

「国内や対外的な不均衡」とはまさに、私が警告する「財政と貿易の双子の赤字」に他ならない。グリーンスパンによって、ドルと株価のためになされてきた裏の手がいかなるものであったか、すべてが白日の下にさらされるのは、遠い先のことではない。しかしそのときでは遅いから、こうして警告を 発しているのだ。

因みにグリーンスパンの1回あたりの講演料は、なんと15万ドルだという。1時間や2時間しゃべって1600万円もの報酬を受けとる人物に、天は「神の手」などお与えになるだろうか?!

そんな彼の講演会に参加出来るのは、堀江モンたち輩が崇拝する、グリーンスパンの在任中に懐を肥やした「拝金主義」の「金の亡者」たちだけだ。ウォール街とはそんな世界なのだ。お分かり頂けただろうか。

 

 

 

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