私の予測通り、株価の下落は8月の時点では、一旦おさまり、その後上昇に転じた。そして10月11日にはニューヨークのダウも新高値をつける一方、香港市場は異常なまでの上場相場を演じる展開となった。しかし、11月に入り、上期の決算発表が始まり出した辺りから様子が一気におかしくなってきた。
そのきっかけとなったのが、シティーバンクの1兆円に上る損出発表であった。いくらシティー・グループの規模が大きいとはいえ、サブプライム関連のファンドだけでこれだけの損出を計上するというのは異常である。その後も、米大手金融機関で巨額の追加損出が相次いで表面化し、サブプライム問題の深刻さが次第に明らかになってきた。
欧米勢に比べ、傷が浅いとされる国内金融機関であるが、すでに野村證券が1450億円の損出を発表、数日前には、みずほファイナンシャル・グループが
1000億円近い規模の損出発生によって、新光証券との合併を延期せざるを得ない事態に立ち至った。
金融機関の中でも比較的リスクの高いファンドを持たないのが特徴の損害保険会社であるが、トヨタ系の損保・あいおい損保が253億円の評価損を発表、一方、東京の小さな信用金庫も50億近い評価損を計上し、サブプライムローン被害の裾野の広がりを浮き彫りにし始めた。
問題は、年金基金が抱えている評価損である。今のところ表には出ていないが、私は各基金がかなりの評価損を抱えているのではないかと考えている。さもなくても、年金の将来には暗い影が差しているだけに、ここで大量の評価損が表面化するようなことになると、事態は一段と深刻になってくる。
いずれにしろ、これからも続々と、世界中の金融機関が多額の評価損を計上することが予想されるが、忘れてはならないのは、サブプライムを含む証券化商品は、現時点では、まだ評価損を70%程度しか見ていないという点である。
サブプライムのファンドには、現在も買いがまったく入らないことを考えると、価格の下落は底が見えない状況で、1年〜1年半先の損出額は現在の計上損に比べてはるかに巨大となることが予想される。その実体を知れば、株価への悪影響が計り知れないことがわかるはずだ。
日経平均は12日、今年の新安値を下回り、15000円割れ寸前まで下落した。アジア市場も同様の混乱が続き、香港市場は連日1000ポイントを超す下げが続いている。問題は、今夜(アメリカ時間12日)のダウの推移である。
もしも、300ポイントを超す下げが発生するようであるなら、いよいよ本格的な世界同時株安が始まったと考えて間違いなさそうである。それは即、世界経済崩壊の幕開けにつながる。仮に、下げがそれほど大きくなかったり、多少の上げがあったとしても、大幅な回復は望めず、少なくとも、再び高値をとるようなことはあり得ない。いよいよ本格的な下げがいつ始まるか、固唾をのんで見守る時が来たようだ。
日本市場においては、12月末期限のヘッジファンドの解約の期限が15日であることを考えると、今週は相当激しい動きが予想される。株や投信に資産の多くを投入しておられる方は、くれぐれもご用心あれ!!