人類の未来世 ・ PART
T
タイム・トラベラー「ジョン・タイター」が語る”人類の近未来”
多くの読者は「タイムトラベル」(時空旅行)という言葉を、これまでに何度となく聞いたことがあるに違いない。しかし誰もが、SFの世界ではお馴染みのこの時間と空間を飛び越えた旅行を実際に体験できるのは、遠い未来のことと考えている。
邦画「戦国自衛隊」はある特殊任務を帯びた陸上自衛隊の一個師団が200年前の戦国時代にタイムトラベルする話を描いたものであるが、それはあくまでフィクションの世界であった。だからタイムトラベルによって未来に行ってきたとか、未来からやってきた人がいるなどという話を持ち出せば、誰もが「そんな馬鹿なことが」と一笑に付すに違いない。
しかし、今から5年ほど前、正確には2000年11月2日、アメリカのインターネットのある掲示板サイトに「私は2036年の未来からやってきたタイムトラベラー(時空旅行者)だ」と名乗る人物が現れ、ネット上で大騒動を巻き起こすこととなったのだ。
もしもこのような人物が我が国のインターネットに登場したらどうだろうか? たいして話題になることもなく、そのうちに人々の関心から消えていってしまったに違いない。しかしそこがインターネット発祥の地アメリカである。
また、多様な価値観と世界観を持つ多民族国家のアメリカであるが故に、タイムトラベラーを自称する男の掲示板サイトには、たちまちのうちに多くの疑問や質問が殺到し、時空旅行者とのあいだに熱い論争や議論が展開されるところとなった。
当初、「タイムトラベル−0」と自称していたこの人物は、その後「ジョン・タイター」と名乗るようになり、自分が乗ってきたタイムマシーンの操縦マニュアルの写真やその装置の図解などを部分的ながら公開し始めた。
その後インターネット上での対話が進むにつれ、彼が未来からやって来た理由や、地球や人類が遭遇することになる近未来の姿、また時間線(タイムライン)や世界線(ワイルドライン)などの時空に関する専門的な理論などを次第に明らかにしていった。
そして4ヶ月後、不思議な人物タイターは「予定の使命を完了したので2036年の世界に帰還する」と宣言し、二度と再びインターネット上に登場することなく、消息を絶ったのである。
本当にジョン・タイターと名乗った人物は近未来から来たタイムトラベラーだったのか?彼が未来からこの現代世界に現れた使命は一体何であったのか? インターネットに名乗り出た理由は? これらの疑問は未だ残されたままであるが、「タイターライト」と呼ばれるタイター信者たちの間で、こうした疑問を巡る議論が現在も続けられており、ドキュメント映画も作られている。
奇想天外なタイムトラベラーの出現が一過性的な話題に終わらなかったのには一つの理由があった。それは、タイターがこの世界を後にしてから2年ほどたった2003年1月に、
彼の両親だと名乗る若い夫婦がフロリダのラリー・ヘーパーという弁護士事務所に現れ彼の存在を証言したことであった。
その時、夫婦は5歳になる幼子を連れていたが、その子こそ幼年期のタイター本人だというのだ。つまり、問題のタイターはこの子の未来の姿であるという
わけである。
匿名の夫婦が語る驚くべき話を要約すると次のようになる。
タイターは2036年の未来から、ある目的で先ず1975年の世界に舞い戻って祖父(匿名夫婦の父親の親)に会い、それから時間を下って1998年の夏に彼らの家に現れると、若い夫婦と生まれて間もない赤ん坊(時間をさかのぼった時のタイ
ター自身)と奇妙な4人暮らしを2年間ほど過ごすこととなった。同じ人間が同時に存在するのだから驚きである。
因みに、インターネットで交わされた質疑応答の中で、私が生まれたのは1988年の春と述べているから、98年の夏に両親の家に現れたときに会ったもう一人の自分は、生まれてまだ2ヶ月の赤子であったということになる。
最初に現れた時にタイターが乗って来た1967年型のシボレーには黒い直方体の箱が載せられており、それがタイムマシーン本体だと聞かされた。しかし夫婦が見たのはそれ一度きりで
、その後はタイターがどこかに隠してしまい二度と見せることはなかった。
そんな打ち明け話をした後、夫婦はインターネットで交わされたタイターと質問者たちとの質疑応答の全記録と、タイターの話を裏付ける証拠物件をヘーバー弁護士に預託し、自分たちはこれ以上この件に関わりたくないからと言って立ち去ってしまった。
ヘーバー弁護士はそれらの託された資料類を
『 時間旅行者タイターの物語 』(JOHN TITOR A TIME TRAVELERS TALE)と題する本にまとめ出版し、真偽のほどは読者に判断してもらうことにした。
なおこのへーバー氏はフロリダのエンターテイメントでは名の知れた民事弁護士で、多くの俳優や芸能人に信頼されている人物だという。
以上の内容は、南山宏氏が月刊誌「ムー」の301号(2005年12月号)に掲載した記事を、南山氏の了解を得て要約させて頂いたものであるが、私がこの話
に興味を持ってHPで取り上げたのは、この話が私の心に響くものがあったのと、タイターが語った地球の近未来史が
、私が注目している人たちの未来予言に類似している点が多かったからである。
次々と的中し始めたタイターの未来預言
タイターが語る近未来史の中でもとりわけショッキングなのは、彼の生まれ故郷アメリカを含め全世界の人類の未来に待ちかまえている暗澹たる地獄絵であった。その衝撃的な未来像は後述するとして、彼がインターネット上で公開した予言のうち、既に現実のものとなったものを列記すると次のようになる。
@ イラクが核兵器を隠しているという理由で、第二次湾岸戦争が起きる。しかし、
核兵器は発見されない。
A アメリカ国内にも狂牛病(BSE)が発生する。
B 中国人が宇宙に進出する。
C 新しいローマ法王が誕生する。
現在の我々はこれらの出来事がみな現実のものであることを知っている。しかし、タイターがインターネットに登場し予言したのは、2000年11月から2001年3月までの4ヶ月間のことで、これらの出来事が発生する2年から4年も前のことであることを思い出して欲しい。
@は2003年3月に始まったイラク戦争のことであり、この戦争はご承知のように
彼が述べるとおりの理由で開戦されたが、その後にアメリカが主張していた大量
破壊兵器が発見されなかったことは昨年暮れのブッシュ大統領の釈明発言を待
つまでもなく、ブリクス委員長が率いる国連検視検証委員会の発表で既に明らか
にされている。
Aもまた2003年12月にワシントン州内で狂牛病第1号が発見され、その後、我が
国ではアメリカ牛肉の輸入禁止措置がとられたことは承知の通りである。
B2003年10月に中国初の有人宇宙船「神船5号」が打ち上げられ、さらに昨年
10月13日に2人乗りの「神船6号」の打ち上げが行われ、成功裏に終わっている。
C2005年4月、パウロ2世が死去し第265代法王ベネディクト16世が選出された。
こうしてみてみると、どれもみな正確な予言であったことが分る。もしもタイターが偽トラベラーだったとしたら、彼は超一流の予言者ということになってくる。
特にイラク戦争については、タイターがインターネットに登場していた段階では、世界貿易センターに対する同時テロは発生しておらず、一般の人間にはアメリカがイラクそのものを攻撃することなど想像すら出来ない状況であった点は重要である。
さっそく『JOHN TITOR A TIME TRAVELERS
TALE』をアマゾンで取り寄せて拾い読みしてみた。いくつか得心のいかない点が散見されたものの、こうした予言成就の事実を考えると、一概に無視できなくなってしまう。
電話でこの話の真偽について南山氏のお考えを伺ったところ、「タイター本人と同時に彼の存在を傍証する匿名の両親が消えてしまった状況では、事の真偽を確かめる手立てがなく、判断のしようがないのが現状です」というお答えであった。
「ただ、イカサマと決めつけてしまうのは簡単ですが、タイターの存在とその発言内容には、明らかに無視できない何かがあるように思われます」と語られた南山氏のお考えには、私もまったく同感であった。
未来の地球では全世界的規模の核戦争が勃発し、30億人が死ぬ!
インターネットで交わされた質疑応答の中で、タイターはタイムトラベル発生装置の詳細な図面を公開し、機器の使用方法についても具体的に説明している。
詳細は省略するが、重力場や量子力学、天文学などについて高度な専門的知識がないと説明できない描写があるところを見ると、この分野の研究熱心なマニアか、さもなければ本物のトラベラーのいずれかになりそうである。
ところで、彼は2036年にタイムマシーンに乗り現代に現れる直前の、自分の生きていた世界を次のように語っている。