謎の「タイムトタベラー」 A

 

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「タイムトラベラー@」を読まれた読者は、何とも奇想天外な話に眉に唾したことであろうと思われる。言っておくが私とて、タイターの話をけっして鵜呑みにしているわけではない。

核戦争後の世界で、タイターが語るように、エレクトロニクスやエネルギー関連の産業がうまい具合に生き残り、人工衛星システムやインターネットが程なく復旧することなどあり得るのか、はなはだ疑問である。

ましてや死の灰の降りかかる中で「タイムマシーン」の開発などとうていできるとは思えない。また、写真に写っているタイムマシーンは乗用車に積めるほど小型化しているが、開発初期のマシーンがこんなに小型化できるのか?等々 ・・・・・・ 疑問点はいくつ かある。

 

『 時間旅行者タイターの物語 』(JOHN TITOR A TIME TRAVELERS  TALE)に掲載されたIBM5100型コンピューター

核戦争後の崩壊したインターネットの再構築に、なぜこんな旧型の初期コンピューターが必要なの かについては、「破壊された種々の遺産プログラムのバグ除去と解読に必要であった」と述べている。

 

     

しかし、そのような疑問点はアメリカの掲示板サイトの参加者が持たなかったはずがない。それでもなお、4ヶ月間にわたって喧々囂々(けんけんごうごう)のやりとりが行なわれ、その後も考察と議論が現在に至るまで続いているのには、彼の主張になにか惹かれるものがあったからに違いない。

私は英語が得意でないので、詳細はお伝えできないが、タイムトラベルの具体的な描写や、タイムトラベル時における様々な問題点などについて、タイターがかなり具体的に語っていることは事実である。だからこそ賛否両論が交差しているのに違いない。

タイムマシーン完成の流れとして、その基礎的研究が1年後の2001年にCERN(「ヨーロッパ原子核共同研究機関」の略称で、スイスのジュネーブにある世界最大の素粒子物理学研究所)で始まり、2034年に第一号機が完成すると語っている。

その第一歩となるのが、CERNの、巨大な粒子加速器によって創られる電子サイズのミクロ特異点であるという。ミクロ特異点とは「ミニ・ブラックホール」のことで、これは、タイムマシーンの推進原理と言われているものである。

南山氏が書かれた記事を読むと、はたせるかな、タイターが消息を絶ってから半年以上たった2001年の秋、CERNは記者会見を行い、実験室内でミニブラックホールを創成する可能性を検討中であることを発表したということである。

こうして点や、9・11直後に急遽(きゅうきょ)成立させたテロ対策特別法やイラク先制攻撃、それに、ハリケーン被害であらわになった国論を二分する対立などを合わせて考えると、SF狂の作り話と切り捨てるには躊躇(ちゅうちょ)する面もあるのである。

こうしたこととは別に、私がタイターの記事をあえて取り上げたのは、彼の語った未来の出来事が巷間伝えられる未来予言に合致する点が多かったからである。

 

最終戦争でアメリカは焦土と化す?!

実は、タイターの語るアメリカの近未来の幻想をアメリカ初代大統領、ジョージ・ワシントン自身も見ているのだ。ワシントンは独立戦争の総指揮官だった1777年の冬、ある不思議なヴィジョンを幻視している。

拙著『謎多き惑星地球』から引用する。

 

それは、彼が執務室でいつもの通り指令書に取り組んでいたとき起きた奇妙な現象であった。突然、胸騒ぎを覚えて目を上げた彼の目に映ったものは、後光に包まれた美しい「婦人」の姿であった。その姿を見た瞬問、彼は全身が硬直し、身動き一つできなくなってしまっていたという。

そこに出現した婦人は、おそらく聖母マリアであったと思われるが、ワシントンにアメリカで起きる三つの大きな戦いの場面とその後の世界を、鮮明なヴィジョンで幻視させている。一つは、すでに当時始まっていた独立戦争とその後の状況でありと、二つ目は南北戦争とその後のアメリカの発展する姿であった。

 

今の我々が一番興味を惹かれるのは、三つ目のヴィジョンであるが、ワシントンが見せられた映像には次のような場面が映し出されていた。

 

再び大西洋上に黒い天使が現れて、不吉なラッパの音を三度響かせた。それから、海水をヨーロッパ、アジア、アフリカに振りかけると、各地から黒雲が発生し、一丸となってアメリカを襲った。雲のなかで赤い光が炸裂するごとに、隠れて進む軍勢が見えた。

彼らはアメリカ全土を荒廃させ、焼き尽くし、国民は減亡の危機に立たされた。さらに黒い天使が長く恐ろしいラッパを吹くと、1000個の太陽を合わせたような眩しい光が上空で炸裂し、すべてを粉微塵にした。

 

黒い天使が吹き鳴らした三度のラッパは、20世紀以降の三つの世界戦争を暗示しているように思われる。またヨーロッパ、アジア、アフリカから立ちのぼる黒煙が一丸となってアメリカを襲う場面は、今日の世界情勢から判断すると次のように解釈できる。

三つの大陸でアメリカが次々と行ってきた戦争行為(第二次世界大戦、ベトナム戦争、アフガン・イラク戦争 、コソボ紛争など)が、国家的カルマとなってアメリカに降りかかり、国論が二分されるような状況が発生して内戦状態へと進み、その結果、アメリカの国力や戦力がしだいに低下していく 。

その結果、アメリカを叩くには体力の弱った今が千載一遇の好機と、ロシアが核弾頭の打ち込むことになるのかもしれない。「1000個の太陽を合わせたような眩しい光が上空で炸裂し、すべてを粉微塵にする」とは核爆弾以外の何物でもない。

『謎多き惑星地球』で私は、ホピの予言をもとに核戦争をもたらすのは中国ではないかと推測したが、 状況が変わってロシアになるのかもしれない。

 

アメリカの国論は二分され、連邦政府に立ち向かう人たちが現れる  

タイターが語る「国民が自由より安定を望んだ結果、政府側が公民権を無視するようになり、全体主義的な軍事警察国家が誕生する」という点については、2001年9月の世界貿易センタービルの同時テロ以後のアメリカ国民の意識変化と 、アメリカ政府が取り始めた政策に現れている。

それでは「アメリカ国論の二分化による対立の激化」の兆候はどうであろうか?
実は現在のアメリカでは、二つの二分化の動きが既に始まっている。

一つは州の独立の動きである。この事実は日本では全く報道されないために知る人はほとんどいないが、実際にヴァージニア州を はじめとする複数の州政府が、アメリカ合衆国からの離脱を宣言し、ホワイトハウスや議会に働きかけを始めている。

こうした動きは地球温暖化対策や車の排気ガスの排出削減にも見られる。承知のように、アメリカは二酸化炭素削減を義務づけた京都議定書への参加を見送っているが、ニュージャージー州やニューヨーク州など北東部7州の行政は発電所から排出される二酸化炭素の排出量を、2020年までに今より10%減らす目標を掲げ、排出削減義務に反対し続けているブッシュ政権に反旗を翻 (ひるがえ)している。

さらにオレゴンやニューヨーク州など西海岸と北東部の10の州は、2002年にカリフォルニア州が制定した車の排出ガス削減法と同一の基準を採用する方向で取り組んでおり、連邦政府との対立が表面化してきている。

全米人口の30%を抱えるこれらの州が規制を実施すれば、世界140余りの途上国からの温暖化ガス排出量がゼロになるのに等しい効果をうむとされているから、もしも実行されたらその効果は大きい。

 

米国の不法移民締め付けに抗議デモ−

米ロサンゼルスの目抜き通りで、非合法移民の雇用規制法案に対する抗議デモに参加する人たち。ブッシュ大統領が「米国は法治国家だ」と語った直後にデモは始まり、50万人規模となった(AFP=時事)

 

     

これらの州がどうしてこうした動きを始めているのかというと、南部を襲った昨年のハリケーンの異常発生などが気候変動への人々の懸念を呼び起こし、多くの人々が温暖化の脅威を実感し始めてきているからに他ならない。

それではなぜブッシュ政権はこうした国民の気持ちを政策に取り上げないのかというと、自動車や電力会社などの産業界からの圧力に屈しているからである。そこには飽くことなく富を求め続ける支配者たちと 、良識を持った一般市民との間の隔たりが見え隠れしている。

その延長線上にあるのがもう一つの二分化で、富める者と貧しき者、アングロサクソンと黒人・ヒスパニック系の人々たちとの対立である。2005年のハリケーン「カトリーナ」の避難勧告の遅れや 、ずさんな避難誘導などによって黒人・ヒスパニック系人差別の現実が浮き彫りにされ、貧しき人々から強い反発が起きている。

将来、景気の低迷が始まると、これらの人々と富める人々との確執は一段と激化し、内戦化する可能性を秘めていることは間違いない。 こうした動きを反映しているのが、雇用規制法案に対する抗議デモである。数十万人規模のデモが各地で連日発生している。

こうしてみてくると、ジョン・タイターが語った未来予言が奇想天外な全くあり得ない話とばかりはいっておれなくなってくる。 読者もそう思われないだろうか。

   

 

カトリーナの被災地、今も家の残骸

カトリーナによる高波で家々が押し流された海岸沿いの住宅地は、被災半年後の今も無惨な姿をさらしている。(毎日新聞 和田浩明記者)

     

ビリー・マイヤーの予言

実は、ジョン・タイターと同様の内容を語っている人物が他にもいる。

今から6年ほど前に出版された「プレディアス・ミッション」という本の中で、リラ星人と接触したと告白しているビリー・マイヤーは、アメリカの未来を映像で見せられた と語っているが、その映像の中にタイターが語る「政府と地方」、「支配者と被支配者」との闘争の様子が写し出されている。

ビリー・マイヤーの宇宙人との遭遇については当然ながら賛否両論があり、真偽のほどは定かではない。ただ彼の撮影した写真を見る限り、信憑性は高いように思われる。

そのビリー・マイヤー氏が地球外生命体から見せられた映像の一部をご紹介しよう。

  アメリカ合衆国政府の権威と支配力は地に落ち、あちこちで連邦制を拒否する地域が現れ始める・・・・・ 政治体制の終焉が間近に迫っていて、怒りで暴徒と化した群衆が首都ワシントンを襲撃。合衆国政府は崩壊、政治機構が転覆され、支配者らが市と国を捨てて逃げまどう。市民は為政者らが国家を破綻させ、資産を運び出したのを知る。・・・・・ カリフォルニアはアメリカ合衆国から独立を決定。カリフォルニア独立国家の旗がサンフランシスコ東部の議事堂にはためく。   

アメリカがこうした分裂状態に立ち至るかどうかは別にしても、財政破綻や イラク情勢混迷が進めば、一般市民からの抵抗運動が発生する可能性は十分にあり得ることだ。

内戦状態にまで立ち至った現在のイラク情勢を見ると、民族間の抗争はあったにせよ、国としての形態をなして平穏に暮らしていた一般市民を地獄へと導いたアメリカの罪は重く、アラブのみならず全世界から の強い非難は一段と激しくなるのは必至である。

そういった情勢の中で、引くも地獄なら留まるもまた地獄、ベトナム戦争以上の泥沼の中でもがくアメリカで、国民からの不満がレジスタンス運動へと進む可能性 を完全に否定することはできない。

 次回へ続く

 

 

 

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