沖縄の西海岸を訪ねる

沖縄講演会の翌日、地元の方のご招待を受け、沖縄北部の村、国頭村奥間(くにがみそん・おくま)の里を訪ねることになった。海岸沿いの風光明媚 (ふうこうめいび)な景観を眺めながら西海岸を北上。途中にはいくつものビーチが連なっており、どこもみな本土からの海水浴客で賑わい始めていた。

八ヶ岳の麓(ふもと)、山国育ちの私にとって、初夏の太陽に照らされたエメラルドグリーンの海と延々と続く白浜は、思わず歓声を上げるほどの景観で、毎日こんな景色を見ながら暮らしている人々がうらやましく思えてならなかった。

しかし、同行した地元の女性はこんな話をしてくれた。「昔の海の輝きはこんなものではなかったですよ。それに浅川さんが白いという砂浜は昔に比べればずっと茶色に変色しているんです」。

海の輝きの変わり様は、私には比べようがなかったが、砂浜の変色は実際に砂を手にとってみると、確かに白色というよりうす茶色に変色しており、彼女の言う 砂の汚染化が実感できた。その要因の一つとしてとして、沖縄本島や周辺の島々の乱開発によって大量の土砂が海に流れ込んだことがあげられるようだ。

土砂の流入は海水を濁らせて透明度を落とし、砂浜を変色させているだけではなかった。島々の周辺に生息している白化現象にょって珊瑚を死滅させ、それがまたそこを住処とする熱帯魚の減少へと繋がっている。 白化現象には海水温の上昇や海水の酸性化、魚の乱獲など様々な要因があるようだが、いずれにしろ人間が造り出した自然破壊、環境汚染によるものであることに変わりはない。

白保の海で白化したサンゴ。1998年撮影。こうして我々は森を消滅させ、海を汚染してそこに生息する多くの動植物を絶滅へと追いやっているのだ。その実体の一端を日本とは遠く離れた南極(ペンギン )や北極(シロクマ)、そしてアマゾンのジャングル(野鳥たち)で見てきた私は、身近な自国の地でまた改めて、それを実感するところとなった。 悲しい限りである。

←珊瑚の白化現象
(地球温暖化によって加速したエルニーニョ現象が関係しているという説もあるが、大規模な白化の原因は、近年の海の環境悪化が最大の要因で ある可能性が大きい)

 
そんな旅の最後に見た辺戸岬沖上空に浮かぶ地震雲は、愚かな人間に対する重大な警告だったのではなかろうか。これから2回にわたって掲載する沖縄西海岸の「ちゅ(美)ら海と空」をご覧になられたら、 読者もまた、自然破壊の愚かさを改めて実感するに違いない。

  辺戸岬

      ★ 万座毛岬は名護の南岸、伊武部ビーチの近くにある。  古宇利島はウッパマビーチの東海岸に浮かぶ小さな島である。

 

 

 

機窓から眺めた沖縄
近海の小島
 

万座毛岬からの展望 @

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ハマヒルガオ

オキナワキョウチクトウ

キョウチクトウ

 

アリアケカズラ

 

サンダンカ

 

 

早朝の古宇利島ビーチ

 

干潮の古宇利島ビーチ @

A

古宇利島に架かる「古宇利大橋」
の下には、見事なエメラルドグリ
ーンが広がっていた。