目玉まん丸・ハエトリグモ

別荘やペンションの建設、牧場経営などのために八ヶ岳山麓も開発が進んでいる。その結果、次々と木々が切られ、草が刈られていく。また、前回記したようにこの辺りの桜には「てんぐす病」 や「松枯れ病」などがはやり始めている。その結果、熊や鹿から始まって野ウサギやモグラ、野鳥や蝶類、そして今、目にしている数ミリの 昆虫たちまでがその餌と住まいを失ってきている。

彼らがこの世から消えてしまった世界に、人間だけが生き残ることなど出来ない相談である。一時の時間差はあっても、ほどなくして、人間 が彼らの後を追うことになるのは必定。アインシュタイン博士が「ミツバチが消え始めたら、程なくして人類は滅亡の危機を迎えることになるだろう」と 、言ったのも、同じことを意味しているのではないだろうか。彼らの餌の枯渇は人間の食糧危機に、彼らの宿る草や木々の消失は、人間の住処(すみか)の喪失へと続くことになるのだ。

 

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                    ハエトリグモ 体長8ミリ

 

 

ペルーアマゾン 川のマヌー一帯に何回か足を運び、絶滅に向かう野鳥や動物たちの姿を撮り続けてきた私であるが、その地で先住民シャーマンと生活を共にしてきているペトル・ホボット氏 から、最近は一段と、石油開発やトウモロコシ畑開拓のために破壊が進んでいることを聞くと、胸が痛む。

恐らくアマゾン一帯では毎年、何百種の動植物が絶滅しているに違いない。その数から見たら八ヶ岳山麓で消えていく種はたいした数ではないかもしれない。ただ年々歳々その数が減り続けていることは確かである。数年して訪ねてみたら、今回目にした昆虫たちのうち、幾つかの種の姿 がその姿を消しているかもしれない。

これから先、八ヶ岳山麓に移り住んでこられる方たちも、入手した土地の木々や草花は出来るだけ残してやって欲しいものである。都会を逃れてきたはずなのに、いつの間にかそこに、都会と変わらな い風景を見ることにならないために。

 



 

 

 

オオニジュウヤホシテントウ

 



 

シロトラカミキリ

 

ワカバグモ

 



 

 

クビボソジョウカイ

イネクビボソハムシ

 



 

クロウリハムシ?

ツマグロオオヨコバイ

イタドリハムシ

 



 

ネコハエトリ @
ハエを捕獲し食した瞬間
体長7〜8ミリ

A

捕獲する瞬間は素早く


B

自分の身体に近いハエを
あっという間に飲み込んでしまう