ミヤマホウジロを撮る

氷点下がつづく八ヶ岳山麓、今年も可愛らしい冬の渡り鳥がやって来た。

予定されていた1月の講演会をすべて終えた月末、「ミヤマホウジロ」(ホオジロの仲間)が来ているという知らせを聞いてさっそく撮影に出掛けた。正月の雪が残る山中の早朝はさすがに寒い。風邪の微熱がつづく身にはなおさらこたえる。

それでも、北極や南極で着用した防寒セットを身につけテントの中に入ると、背中が汗ばむほどである。しかし、問題はカメラの方だ。三脚にセットして1時間も経つとバッテリーが一気に低下、肝心なときにシャッターが切れない状態に陥る。

電池は寒さに弱い。零下近くなると容量が急低下する。まさにデジタルの泣き所だ。大きなテントの中では、テントの中全体を暖めることが出来るが、小型のテントでは、ホカロンを電池の周りに張り付けるしかない。

待ち続けること2時間。チッ、チッという小さな鳴き声がテントの横から聞こえてきた。しばらくすると、ホウジロと一緒に待望のミヤマホウジロが姿を現した。黄色い冠羽(とさか)が一段と艶やかだ。しかし、なかなかお目当ての枝にとまってくれない。ここは辛抱のしどころだ。

テントの編み目から外を見ると、リスが木の枝を渡っている。テントから出てしばらく目安をつけた場所で待つことにする。風が吹くと寒さが一段ときつくなる。うまい具合に思っていた枝にやって来た。シャッターを押す手がかじかんでいる。

通い詰めること4日間。どうにかそれなりの写真が撮れた。ヤレヤレである。

                                   撮影指導・協力 桑島献一氏

 

 

fuyudori1-7.JPG (75791 バイト)

fuyudori1-2.JPG (42923 バイト)

fuyudori1-3.JPG (88721 バイト)

fuyudori1-4.JPG (21583 バイト)

 

カワラヒワの雌

日本では九州以北に
留鳥として分布する。

緑がかった褐色の体。翼には黄色い帯があり、飛んでいるときは艶やかに見える。

 

カワラヒワの雄

雄雌ほぼ同色であるが、雄は頭部の色が濃く、雌は全体に淡い感じがする。

全長:14センチ

カシラダカ

こんもり盛り上がった冠毛が特徴で、日本には平地の雑木林などに群れで渡ってくる。

春は早めに北へ戻る。

全長:15センチ

ホオジロ @

顔が白と黒のまだらの
留鳥

繁殖期は昆虫を食べるが、冬は草の実などを食べている。

全長:17センチ

 

fuyudori1-1.JPG (50204 バイト)

fuyudori1-6.JPG (56689 バイト)

fuyudori1-5.JPG (73728 バイト)

fuyudori1-8.JPG (61713 バイト)

 

ホオジロ A

 

ミヤマホオジロの雄  @

東部シベリアなどから
冬鳥として渡ってくる。

全長:16センチ

 

 

ミヤマホオジロの雌 A

同じホオジロ科に属するカシラダカによく似ているが、
黒と黄色の艶やかな冠羽が
特徴的だ。

雌は冠羽が褐色

 

愛らしいリス