銀世界を訪ねる

3月の第1週、志賀高原を訪ねることにした。

昨年の秋、紅葉の撮影で訪れた際に横手山の休憩所で見た、山頂から展望した「白銀の世界」の素晴らしい写真を思い出したからである。春めいた下界と違って、そこはまだ冬の真っ最中であった。

早朝3時半車で出発。中央高速「信州中野インター」でおり、横手山を目指す。山にさしかかった辺りから道路の両端に積まれた残雪がしだいに高くなり始めた。道端に立つ気温表示盤が零下13度を示している。昨秋紅葉を撮った蓮池 や三角池の辺りにまで来ると、雪の壁は1メートルを超し始めた。

横手山の山頂のすぐ下の休憩所まで車で行けるものと思っていたら、だいぶ手前で、道は閉ざされて行き止まりとなっていた。山頂へはそこからスキー客用のリストに乗るしかないようだ。しかし、リフトが動き出すのが8時だという。。

昨年の暮れに再発したアキレス腱痛が完治していないため、歩いて登頂することは諦め、リフトが動き出すまで待って、しばらく仮眠をとることにする。

一番リフトに乗って山頂に立つ。眼下に雄大な志賀高原の白銀の世界が広がる。360度の展望はまさに息をのむようだ。西の彼方には白銀に覆われた北アルプス連峰が連なり、南には白煙を上げる浅間山、その先には八ヶ岳連峰、さらには南アルプスの甲斐駒ヶ岳が見える。

我が家から眺めるお馴染みの雄大な八ヶ岳や駒ヶ岳が、まるで大海に漂う小さな真綿のように空に浮かんでいる。

日の出直後の凛(りん)とした景色を撮ろうとしたが、あいにく気温が上昇しているらしく、頂上に立った頃には、もやが出始め、彼方の山々の輪郭がうっすらと霞始めてしまった。急いで写真に収めて、樹氷で覆われた山頂を散策。

帰りはリストに乗れないため、スキー客が気持ちよさそうに滑るゲレンデの端を歩いて降りる。何回もしりもちをつきながら何とか麓までたどりついた。

 

 

眼下に雄大な「白銀の世界」が広がる

 

彼方の山の中央が
浅間山、
その右側が八ヶ岳連峰

 

スキー客も眼下の景色に見ほれている

遠くに北アルプス連峰が連なる

 

手綱をつけられ、5才頃の子供がスキーの手ほどきを受けていた。

2〜3年すると、この子のように上手になるに違いない。

歩いて降りるゲレンを
気持ちよさそうに滑っていく。

 

浅間山から白煙が出ているのが遠望できる