奈良井宿を訪ねる

新緑の候、日本一の宿場街として有名な、中山道沿いの奈良井宿を訪ねた。

途中、高遠にある「ぼたん寺」として有名な遠照寺(おんしょうじ)により、境内に咲き誇る牡丹(ぼたん)を観賞。
赤、白、ピンク、色とりどりの牡丹の花弁や葉には昨夜の雨の滴が残り、一段と目を楽しませてくれた。

高遠から木曽に抜ける権兵峠は昔から旅人の難所であったが、車道ができてからも、曲がりくねった道はドライバー泣かせ状態が続いていた。しかし、最近トンネルが開通したため、時間も短縮され快適なドライブができるようになった。

目にしみるような新緑の山間を走ることおよそ30分で奈良井宿に到着。奈良井川沿いに1キロ、かっての宿場の雰囲気を残した街並みが続く。

昭和43年、近世の民家として高い評価を受けた中村邸が川崎市の日本民家園に移設されることになったとき、地元の人々が一体となって身近な歴史的資産を、自分たちの土地で継承し、維持しようという動きが始まった。

これは、日本における歴史的居住環境再生への取り組みの先駆けとなるものであった。その後、昭和50年に「文化財保護法」 が改正されて 「伝統的建造物群保存制度 」 が発足したことも幸いし、地元の官・民・学関係者が一丸となって宿場街の街並みの復元と維持が実現するところとなった。

艶やかな牡丹とかっての宿場町の風情をお楽しみ頂こう。

 

 

 


奈良井宿の街並み
 

 

   

 


遠照時の牡丹