厳寒の知床半島、撮影の旅 A

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厳寒の知床半島、撮影の旅 @
厳寒の知床半島、撮影の旅 A

北海道ならではの雪景色を撮る

 
 

 
 


時には積雪の中に入っての撮影もある
 

 

 

2時間半ほどかけた船上からの撮影を終えた後、北海道ならではの雪景色を撮影しようと、知床半島を挟んで反対側に位置するウトロ岬に向かった。 羅臼から ウトロまでは、知床横断道路を走れば40分ほどで到着するが、晩秋から春先までは通行止めになっているため、半島の根本まで戻り244号線を走って斜里まで行き、海岸線を知床岬に向かって走ることになる。

ウトロについて海岸を眺めてみると、岸辺には凍結した氷が張っていたものの、流氷の姿はまったく見ることが出来なかった。 どうやらロシアのアムール川河口周辺に出来た氷の塊は、ウトロ海岸とは反対側の根室半島と国後島の間に流れて来ているようだ。

流氷はなかったが、海岸沿いの高台から眺めた景観はなんとも綺麗。 海は冬のこの時期にしては極めて珍しくコバルトブルーに輝いており、半島の根元に連なる 積雪の斜里岳(しゃりだけ)や標津岳(しべつだけ)とのコントラストが艶やかだ。

北海道の山々は高さはたいしてないが、寒さのため冬に入って降った雪が溶けずに積もるため、どの山も皆雪に覆われており、 その連なった景観がなんとも美しい。 こうした姿は本島ではなかなか見ることの出来ない景観だ。 それと撮影者にとって助かるのは、峰々の姿 の全体像を撮影すのが楽なことである。 その周囲が広大な平地の中に広がっているからだ。

 
 

 
 


244号線を走る道中に広がる白雪の峰々 (クリックで拡大)

 
 

待望のシマフクロウを撮る


素晴らしい海と山の雪景色を眺めた後、再び羅臼に戻ったのは夕方の6時頃。 その後、夜には羅臼に来たもう一つの目的が待っている。 「シマフクロウ 」の撮影である。 シマフクロウは我が国では北海道の中部及び東部にだけ生息する貴重なフクロウであるが、生息地の破壊や水質汚染などにより生息数が激減してきており、国の天然記念物と気象野生動植物種に指定されている。

北海道にはエゾフクロウという別種も生息しているが、それに比べると大きさが何倍もあり、全長は63〜71センチ、翼を広げた大きさは190センチにも達する。 食性は動物食で主に魚類を浅瀬で補食して食べる。 そんな特性を狙って浅瀬の河を堰き止めた場所にウグイなどを放って、それを仕留めに来るのを写真に収めようというのが今回の狙いである。

地元の方が用意してくれたその場所に着き、小屋の中に三脚を据えて待つことにする。 いつ出現するかは日によってまちまちなので、気長にひたすら待ち続けるしかない。 日によっては朝まで待っても来ないこともあり、運が良ければ8時過ぎに飛来することもあるようである。

アマゾンなどでの撮影経験から厳しい環境の中での野鳥撮影には慣れているが、周囲が何も見えない夜の暗闇の中で待ち続けるのは少々退屈だ。 待つこと およそ3時間、同伴して頂いた方が鳴き声が聞こえると耳をそばだてた。 私には聞こえないがどうやら近くに来ているようだ。すると間もなくやって来た。  初めて見るその姿は八ヶ岳で見るフクロウに比べても遙かに大きく威厳がある。 

 
 

 
 


川辺の積雪の上に降りて来てくれたシマフクロウ

 
 

なんと言っても惹きつけられたのは大きな目。 特に近くに立つ照明の明かりを受けて黄金色に輝くその目は迫力があった。 慣例的には川辺に立つ木に止まってしばらく周囲の様子を眺めてから川に降りるとのことであったが、この日は直接川辺に積もった雪の上に降りたので少々慌ててしまった。

しかし、こうして雪の上に止まった姿は冬場ならではの姿だけに最高だ。 後は川の中の魚を捕った姿を撮ることだ。 幸 いにも、しばらく川の中を覗いていた後、雪の上から羽を広げて川の中に入り見事に一発で射止め口にした。 うまく撮れているかどうか、あとは私自身の腕次第である。

夜間であるため、極端にシャッタースピードが遅くなってしまう。 イソ感度を3200まで上げて、一瞬の静止状態を狙ってシャッターを切る ことになる。 600ミリの望遠レンズでの撮影だけに更に大変だ。 幸いなことに この夜は二度にわたって飛来してくれたので、羽ばたいたところや小魚をついばんだ場面など何通りかを撮影出来た 。

宿に帰って床についたのは2時過ぎ。 早朝4時起きして始まったこの日は22時間して終了した。 翌朝も早起きして釧路に向かった。 目的地はタンチョウヅルの舞う釧路湿原。 この日は朝から雪交じり。 しかし、幸いにもそんな情景でないと撮れないお気に入りの写真が撮れた。  その内1枚が、雪の降る林をバックにした着地する夫婦のタンチョウヅルの姿であった。 

こうして3日間に渡って、800キロの長距離を運転して頂いた同伴者の鈴木さんのお陰で、実りある時を過ごし 無事帰宅することが出来た。 感謝、感謝である。 読者におかれてはシリアのアレッポの厳しい記事を読まれた後なので、北海道の雪景色をご覧頂いて、心を癒して頂ければと願っている。

 



 

ウトロに向かう道中の景観


ウトロ海岸からの展望
 

ウトロの氷結した岸辺


 



 

エゾシカ


キタキツネ

知床の山々を背景に
撮影出来るチャンスは滅多にない。
 

タンチョウ鶴 @


 



 

A


シマフクロウ @
 

A

 

 




 

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