マナワの蝶
前回の「アンデスの学校を訪ねる」に次いで、2回目のマナワ訪問である。今回は、校舎に隣接して建てられた食堂やトイレ・シャワールームの完成の様子を見るためであった。
前回と同様、校庭を舞う、見たことのないきれいな蝶の姿が目についた。そこで翌朝、村人の案内で裏山に入り蝶の写真を撮ることにした。
南米は鳥類と同様、蝶の種類も多く、その道の人々にとっては一度ならず訪ねて見たい地の一つだといわれている。しばらく歩いていると、日本ではまったく見かけたことのない艶やかに彩られた(いろどられた)蝶の姿が、次々と目に飛び込んできた。
400ミリの望遠レンズを装着し、林の中を必死に追う。およそ3時間、20種類ほどの姿をカメラに収めることができた。
写真撮影は順調にいったものの、帰国した後に新たな難問が待ちかまえていた!
パソコンに向かって写真の整理をしていたところ、手元にある簡単な蝶の図鑑ではとてもその名を確認することなどできそうにないことに気づく。「属名」と「種名」まで確かめようとすると、ペルーの蝶だけでも何千種類もありそうなのだ。これでは、その区分けなど、とても素人の私に歯が立つわけがない。
しかたなく、名前は付さずに写真だけ掲載しようとしたとき、我が郷里には「昆虫美術館」があることに気づいた。しかも同館の館長、塚田悦造氏は蝶類研究家としては世界でも数本の指に入る大家である。
またとない幸運に喜び勇んで、写真を取り込んだ携帯パソコンを手に、美術館を訪ねることにした。
幸いにも館長が在室しておられ、さっそく2階にある館長室に案内され、何冊かの分厚い図鑑と館長が自らの手で集められた世界中の蝶の標本を見せて頂きながら、ご親切に教えて頂くことになった。
お聞きするところによると、蝶の種類は世界中でおよそ1万8000種類ほどだという。因みに、同美術館には館長が世界中で集められた、およそ1万種の標本を所有しておられるとのことであった。
わずか20枚の写真の蝶といえども、これだけの数の中から特定するのだから、世界の権威者といえども右から左へすぐに名が浮かぶというわけではない。およそ2時間ほどかかって、ようやく全ての蝶の属名と種名を特定して頂くことができた。感謝感激である。
お陰様で、読者の皆さんには「属名」とその後に続く「種名」から成り立つ正しい名前で、見て頂くことができた。
我が国では見られない、艶やかな南米の蝶の姿をとくとご覧頂こう。