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ノールウエーの「トロムソ」へ

かねてから北欧へは一度行ってみたいと思っていたところ、今年は10年ぶりの大陽の活動年ということで、オーロラ出現の頻度が高く観測には最適な年だという旅行業者の甘い誘いに乗って、北欧圏では比較的温度が高くオーロラを観測しやすい、ノールウエーの「トロムソ」を訪ねてみることにした。

トロムスはスカンジナビア半島の最北部に近く、緯度では北緯70度ほどになる。従って北緯45度の北海道に比べて相当北極寄りに位置し、北極圏内を示す北緯60度より更に北に位置している。しかし、メキシコ暖流が海岸沿いを流れているせいで北海道とあまり変わらないぐらいの寒さのようだ。

成田からSUS(スカンディナビア航空)で、デンマークのコペンハーゲンまで12時間、トランジェットしてノールウエーの首都オスロへ1時間。更に4時間ほどの待ち時間で目的地トロムソへ2時間。待ち時間を入れておよそ20時間の長旅である。

オーロラ

オーロラはノーザン・ライト(北極光)、サザン・ライト(南極光)ともよばれ、南北の極点を中心とした楕円体の地域に発生する。オーロラが最もよく見られる場所は、ヨーロッパではスカンジナビア半島、アメリカ大陸ではアラスカとカナダである。南半球でのオーロラ活動帯の大部分は南極大陸にあるので、そこでオーロラを見ることの出来る人は越冬隊員以外はほとんどいない。

そもそも、オーロラは大陽が吹き出す電離化(イオン化)されたプラズマと呼ばれる粒子が大陽風に乗って地球に到着し、地球の周りの磁気圏(地磁気圏)を通過して大気中の酸素や窒素に衝突した時に起きる発光現象とされています。

オーロラは色々な色を発するが、最もよく見られる緑と白のオーロラは、大気の低いところにある酸素原子によるもので、大気の高いところにある酸素は赤を発色させる。また光のカーテンの裾野部分に沿って、赤い縁取りが見られることがあるが、これは大気の低い部分にある窒素原子によるものである。

大気の高いところにある窒素原子は、青と紫の色を発する。なぜオーロラは極地でしか見られないのかというと、低緯度地域の上空には大陽風が磁気圏を通過する場所が開いていないからである。しかし「極北の舞い」とも呼ばれるオーロラの出現については現代でも様々な意見があり、100%解明されているとは言えないようである。

オーロラ出現

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オスロからトロムソへ向かう飛行機の中、長旅の疲れも出てぐっすり寝ていると、突然同行者に起こされた。何事が起きたのかと思って目を醒ますと、オーロラが出現して機窓から眺められると言う。慌ててツアーの人達が陣取っている席へ行ってみると、確かに進行方向左手の窓からオーロラが発現しているのが見える。

親切に窓側に座らせていただいた私の目に、北極海の上空に浮かぶ雄大なオーロラが飛び込んできた。眠気など一気に吹き飛んでしまって、食い入るように北の夜空に舞う幻想の光に見入る。かってイギリスからの帰国の際、遠くの空にたなびくオーロラを眺めたことがあるが、それとは桁違いに身近に見える。それもそのはず、既に飛行機は北緯60度を過ぎて北極圏に入っているのだ。

最初は白く輝く雲の帯のように見えていたものが、次第に薄緑色に変色していく。やがて白と薄緑の光のカーテンとなり、上下左右ゆっくりと、時には激しく揺れ幻想的な光の舞を見せてくれる。スチュワーデスに聞くと、これだけのオーロラはいつでも見えるものではないという。我々はラッキーであった。およそ30分間にわたる「極北の舞」に久しぶりに感動し、しばらく余韻を楽しんで席に戻った私は、すでに今回の目的の半分が達成されたように満足していた。

見た目には白く見える部分も、写真で見ると緑色が強く出ている。

現地時間の夜の12時頃にホテルに着いた一行は、屋外に出て早速観測を始める。外は思った以上に暖かいが、それでも頬に当たる風は相当冷たい。時計に内蔵している温度計で図ってみると零下2度位であった。そのため長時間出っぱなしだと身体の芯が冷えてくる。我々が機内から眺めた先ほどのオーロラを、先着組のメンバーもホテルから眺めたという。しかし、雲が懸かってしまって我々ほどは綺麗には見えなかったようだ。

時間が遅かったせいもあって、結局その夜は見えずじまいで、明日の夜に期待して部屋に戻った。

2日目の夜、昨晩同様薄く雲が懸かってしまってオーロラ観測には不向きのようである。それでも熱心なツアーのメンバーが屋外で必死に粘っている。しかし、時計が2時をまわるとあきらめ顔で皆部屋に帰っていった。しばらくして、ホテルの裏側(北側)を回って部屋に戻ろうとしたとき、北側の空の雲の切れ目が一瞬明るさを増した。

月の明かりかなとも思ったが、もしやと思いカメラを向けていたところ薄黄色に輝くオーロラが現れた。望遠を一杯にしシャッタースピードを10秒で、かろうじて1枚だけ撮影した。その後一瞬の間に雲がかかり、見えなくなってしまった。オーロラが現れたらお互いにメンバーに声を掛け合うことになっていたのに、その時は周りに誰もおらず、発現の時間も短時間であったため、残念ながら他の人達に声を掛けてやれずに終わってしまった。

翌朝の食事時の話を聞いていると、どうやら昨夜はほとんどの人が観測出来なかったようだ。自分のラッキーを言い出しかねるムードであったので、撮影の話は一切しないことに決めた。それより寒さ対策用に、娘から借りてきた来た機械式カメラの「NewニコンFM2」は初めて使うカメラで、実際にどこまで撮影できているのか自信もなかった。

トロムソ滞在の最後の日、夕方、町を散策していると綺麗に晴れた濃紺の空に星が輝き出し、寒さも厳しくなってきた。寒さのきつい夜はオーロラが出やすいと聞いていたので、今夜こそは間違いなく素晴らしいオーロラにお目にかかれると期待していたところ、6時を回る頃から空の様子が一転し、なんと急に吹雪き始めてしまった。これではオーロラ観測は絶望的だ。それでもメンバーは天候の回復を願って、ねばり強く夜半過ぎまで粘ったが、結局、見れずじまいであった。

オーロラは天気次第であることを身をもって知らされた。オーロラ観測だけを目的に行くのなら、出現の頻度もさることながら、天候の安定している場所を選ぶことが肝要であることを実感した。そういった意味では、アラスカのイエローストーン当たりの方がいいのかもしれない。ただアラスカやカナダは気温が低いので、零下30度位の寒さを耐える覚悟がなければ行けないようである。

再度リベンジするときには、訪問先は別にして、滞在期間延長付きのツアーにして、素晴らしい写真を撮るまで戻らないぐらいの覚悟で行こうかと思っている。

トロムソの冬景色

地上でのオーロラ観測は十分に出来ず残念であったが、昼夜にわたって町中が点灯されたトロムソの冬景色は想像以上に素晴らしく、、クリスマスムードで賑わう街の様子は、トナカイ神話の発祥の地ならではの雰囲気をかもしだし、私の心をなごませてくれた。

皆さんにも私の感激を分かち合っていただくために、サーバーの容量オーバーを無視して出来るだけたくさんの写真を掲載しますので、デンマークの冬景色と併せてご覧下さい。

北緯70度近いトロムソの町は、12月の末になると、大陽は11時前頃にならないと昇らない。そして1時間もすると、もう沈み始める。何か夜が明けたという気がしないまま日が暮れてしまう感じである。そのため、町の灯りは一日中点灯されっぱなしで朝食も、昼食もディナー気分である。これは、地球の中心軸(地軸)が23.5度傾いているための現象で、その代わり夏にはほとんど太陽が沈まない「白夜」がやってくる。

写真のほとんどが、日本では明るい時間帯のものばかりであるが、どれも薄暗く,明かりが灯っているのがお分かりになられるだろう。写真は少し露出をオーバー気味に撮っているので、街中の実際の明るさは、写真より少し暗い感じだと思って頂いた方が正解かもしれない。

これだけ電気をつけっぱなしでは、他人事ながら電気代が気になるところだが、ノールウエーは北海油田の70%の採掘権を持っているため、発電用のガソリンには問題なく、電気代は国家負担になっているようである。

 

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ホテルからの夜景

トロムソ大橋(11時頃)

トロムソ市街(11時頃)
私のお気に入りの1枚

南極点一番乗りを果たしたR・アムンゼン像(2時頃)

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船着き場(11時30分)

小魚を売る漁師
(11時40分)

北欧の子供は綺麗な子供が多い

住宅街(2時頃)

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住宅街からの眺め
(2時半頃)

教会(2時半頃)

教会の前で

クリスマスで賑わう商店街(3時頃)


 R・アムンゼンについては、詳細レポートをご参照下さい。(R・アムンゼンをクリック) 

 次回の「トロムソA」と併せてご覧下さい。