グアテマラ・テレビ撮影の旅 J


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神秘な湖・アティトラン湖

 

ティカル遺跡から戻ってアンティグアに宿泊した後、ドン・アレハンドロとの対談のためアティトラン湖へ向かう。ドンが対談のために政務の間をぬって 、湖岸のパナハッチェルと呼ばれる町に来てくれることになったからである。

アンティグアから標高2500mほどの峠を越えてしばらくすると、眼下に世界一美しいと言われるアティトラン湖が見えてきた。そこにはまるで絵に描いたような美しい湖面が広がっており、 コバルトブルーの湖面を進む白いフェリーの姿が艶やかさを一段と引き立てている。

湖岸のホテルに着いて荷をほどき、さっそくこの美しい湖の景観をテレビの映像に残そうと、テレビクルーと湖岸に出る。カメラを回しながら歩いていると、 あまりに清楚で神秘的な景観に思わず仕事を忘れて見入ってしまう。

アティトランコは淡水湖で標高は1562m。大きさは東西が14キロ、南北6〜10キロで面積128平方キロメートル、最深部は320m とかなり深い。

同じように透明度の高いことで有名な北海道の摩周湖は標高が355m、面積が19.2平方キロメートル、最大深度が211メートルであるから、アティトラン湖は 摩周湖に比べて深度が110メートルほど深く、大きさは6倍ということになる。

湖岸で行われたテレビのインタビューでドン・アレハンドロが語ってくれたところでは、この湖の周囲に住んでいた古代マヤ族の神官たちは、星々を観察する際に、天を仰ぎ見るのではなく、湖面に映る星を眺めてその位置や動きを観測し ていたようである。

私が「なぜそんなことをしたのですか?」と問うと、「長い時間空を見上げていると首が疲れるでしょう。それより高いところから下を見ていた方が 楽だったからです」と笑いながら語ってくれたが、 どうやら本当のところは、湖に映る星の方がきれいに見えたからだったようである。

それだけ、このアティトラン湖は湖面がおだやかで澄んで綺麗な湖だったということである。私たちが見る限りでは、今でもその美しさに少しも変わりはないように思えるが、ドンに言わせると、一昔前に比べ るとかなり汚れが進んでいるようである。

湖は標高が2500メートルから3500メートル級のトリマン山やサン・ペドロ山、アティトラン山などの火山に囲まれた雄大な自然の中にある。それでも周囲の町に観光客が訪れるようになるに連れ、しだいに汚染され始めてきている ようである。

古代マヤ人が星の観測に使ったこの宇宙を映す神秘的な湖までもが汚染されてしまうようでは、人類の未来はもはや絶望的だ。我々はもはや地球上の全てのエリアを汚染し、破壊し尽くしてしまったのだろうか。

昼過ぎに、アレハンドロ長老がグアテマラの隣国エルサルバドルで、 恵まれない子供たちの教育や自然環境の保護に活躍されておられるシゲル・アンヘル・イ・アマヤ氏を同行して到着した。彼はバスで10時間の長旅をしてグアテマラシティーに到着し、ドンにお会いしたあと一緒に来られたようである。

私が講演会とHPでご案内した募金にご協力して頂いた皆様の支援金の一部16、000ドル(150万円)を、ドンを介してシゲル・アマヤ氏にお渡ししたことは先のHP「グアテマラの帰国」でご報告した通りである。この資金が長い間の内戦から抜け出し、ようやく落ち着きを取り戻しつつあるエルサルバドルの子供たちの教育に役に立てて頂けることは、何より嬉しいことである。

家のすぐ近くに学校があり、中学、高校と進学することが当たり前になっている日本に住んでいると、学校に行 きたくても何十キロも離れた場所にしか学校がない子供たちのことなど、想像すら出来ないかもしれない。

現在、アンデスの山中で6つ目の学校建設に着手している私とて、ペルーを旅している最中に、我が子を学校に行かせたいと熱望するたくさんの親たちに出会わなかったら、学校建設の支援など思いもつかないことであった。

それにしても、改めて今の世界を眺めて見ると、そこに広がった差別と格差の大きさには愕然(がくぜん)とする。学校どころか、その日暮らしで、三度の食事も ろくに取れない子供もいれば、贅沢三昧(ぜいたくざんまい)の暮らしの中、親が頭を下げてご飯を食べてもらい、学校に行ってもらっている子供もごろごろいるのだから。

一方、何億、何十億のありあまる資産を持っていても、他人のために金を使うことなど考えたこともない人もいれば、日々の生活に追われながらも、「あしなが育英会」や「 海外の里親制度」 に基金し、貧困にあえぐ人たちを支援している人もいる。人間とはなんとも不思議な生き物である。

ところで、パナハッチェルには日本人の夫妻とその息子さんが経営する素敵な日本食の料理店を兼ねた「ホテル・エル・ソル」があるので、アティ トラン湖を訪ねた際には、お立ち寄りになられることをお奨めする。

我々取材班もパナハッチェルに宿泊した3日間、毎回夕食はそちらのお店でお世話になった。 グアテマラでも多くの日本人が現地の人々に好感を持たれて 暮らしている。お隣の国の人々とは大分違うようだ。

 

 



 


2500mの峠を越えて
パナハッチェルに向かう
途中の景色 @
 

A

B

 



 


夜明け前から湖岸に出て
日の出を待っていると、
水面が次第に青みを帯びてきた。
 

日の出の後の湖岸からの
展望もまた素晴らしい。
 


パナハッチェルの船着き場
から望むアティトラン湖と
トリマン火山。
 

 



 


夕闇が迫る神秘的な
アティトラン湖
 


湖岸で現地の若者が
チェスのようなゲームに
興じていた
 

シゲル・アマヤ氏親子と
ドン・アレハンドロ夫妻
私の隣は学校の先生。

 



 


シゲル・アマヤ氏から
エルサルバドルに於ける
先住民の暮らしの様子を
お聞きした。
 

「ホテル・エル・ソル」

ホテルを経営している親子

 

 


 

 

 

 

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