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 銃器販売が急加速する米国
       
政治的・人種的分断が国家分裂へ

 
 

 
 


護身用のショットガンを購入する44歳のシングルマザー、ガーランドさん.。
この激動の1年で生じた深い政治的・人種的分断が銃器販売を加速させている。
(大紀元ニュース)

 
 


米国におけるコロナ感染禍、発生から9カ月が経過しようとしている中、1日の新たな感染者数が2日連続で8万人を超してきており、ヨーロッパに次いで米国も第2波に突入する事態となって来たようである。この勢いでいくと感染者数は来月10日前後には1000万人を超え 、死者数も2万5000人に近づいているのではないかと思われる。

ただ 、この程度でパンデミックに陥ることはないと思われるが、気になるのは大統領選挙の結果を巡る混乱が追い打ちをかけることになりそうな点である。もしもトランプ氏が落選 することになった場合には、彼はそう簡単に引き下がりはしないと思 われるので、投票差が接近しているようなら、事前投票問題などを巡って最高裁にまで持ち込んで、厄介な闘争劇が展開されることになりそうである。

もしもそうなった時には、国を二分しての論争となることは間違いなく、米国社会は厳しい状況に陥ることになりそうである。私が一番心配しているのは、 選挙論争に新型コロナウイルスによるパンデミックや警察による黒人殺害をめぐる社会不安などが加わって、単なる政策論争の域を超えて「親トランプ派 」対「反トランプ派」による暴力闘争が発生することに、なりはしないかという点である。

こうした状況を心配しているのは私のような部外者だけでなく、米国の一般市民の中にも、 多発して来ているようである。頻発している街頭での暴力的な衝突を見て、「一触即発の状況のように感じている」と語っている人々が多 く出てきているからである。

そうした不安を感じている人がいかに多く、その不安がいかに大きいかを物語っているのが、「銃の購入者」の急増である。

 
 

 
 


ウィスコンシン州で発生した、黒人男性が警官に銃撃された事件をめぐる抗議デモ。
米国では今、こうしたデモや暴動が多発してきている。

 
 

実は、今年米国の銃器産業は記録的な売上高を達成しているのである。そしてそれを支えているのは、従来とは一変して、初めて銃を購入する人々の急増であるのだ。今年の売上高の約40%が初めて銃器を購入する顧客によるものとの推定値が示されているというから驚きである。この40%という数値は、抑えられた数値で100%に達しているという数値も出ているようである。

これまでは、米国で銃を購入する最大のグループは圧倒的に白人男性だった ようである。その結果、ピュー・リサーチ・センターが2017年に実施した調査によると、米国の白人男性の半分近くが銃を保有しているのに対し、非白人男性の場合は約4分の1にとどま っていたようであるが、今年の購入者は非白人と女性が急増しているようである。

そうした状況がなにゆえ起きているのか。今年になって初めて購入した ニューヨーク州リバーデール在住の政治的にはリベラルな中産階級の白人女性であるベイリー・ビーケンさん(61)は、購入した理由について、「選挙の結果がどちらに転ぼうと、ひどく恐ろしい、流血の惨事が生じかねない」からだと語っており、彼女はこの夏から、射撃のレッスンを受け始めたようである。

いずれにしろ、コロナ禍と大統領選挙がもたらしたこの1年の深い政治的・人種的分断が 、銃器販売を加速させていることは間違いないようである。パンデミックを機に発生した、マスク着用者と着用義務化に抗議する人々との対立など、我が国では考えられないことであるが、米国のみならずヨーロッパ各国においても同様な分断が発生しており、こうしたことが国民の分裂を勢いづけるところとなっているようである。

いずれにしろ、大統領選挙後から年末にかけて米国社会が混乱してくる可能性は大きく、その際に銃器を使用した暴動が発生する危険性もありうるだけに、注意深く見守っていく必要がありそうである。もしかすると、これが私が伝えてきた覇権国家・米国の衰退のきっかけとなるかもしれない。

 

 

 




 

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