ダハシュールとメイドム遺跡

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サッカラの階段ピラミッド
ダハシュールとメイドム遺跡
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ルクソールの風景
ピラミッド風景


ダハシュール遺跡

ダハシュールはサッカラから10キロほど南へ下ったところにある。

ここには、第4王朝(BC2613−2498)の創設者スネフェル(クフ王の父)によって造営されたとされている2基のピラミッドがある。

それは不思議な形をした「屈折ピラミッド」と、「赤ピラミッド」で、エジプトで最初に建造された真正ピラミッド(三角錐をしたピラミッド)であると考えられている。

しかしながら、わずか24年の統治期間しかなかったスネフェルが大ピラミッドに準じるほどの二つのピラミッドを造ることなど現実的にありえないことである。したがって次のメイドムの「崩れピラミッド」と同様、真の建造者はわかっていないと、考えておいた方が良さそうである。

メイドム遺跡

ダハシュールからさらに50キロほど南下した砂漠と農耕地との境界線に、メイドム遺跡が残されている。そこには、円錐台状の奇妙なピラミッドが1基だけそびえている。

ピラミッド上段の外装が崩れていることから「崩れピラミッド」と呼ばれているこのピラミッドの建造者については、ダハシュールの二つのピラミッドと一緒にスネフェル王とする説と、スネフェルの父で第3王朝の最後の王であるフニ王とする説がある。

スネフェル王建造説は一代で3基のピラミッドを造ったことになり、ますますありえなくなってくる。またフニ王の名はピラミッドのどこにも見当たらず、さらに不確かである。

 

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メイドムの「崩れピラミッド」

耕作地から眺めると椰子(やし)の木陰に奇妙な形をした「崩れピラミッド」が見えてくる。


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崩れピラミッド

サッカラの階段ピラミッドと同様、最初の階段状のピラミッドを拡張し、最後に外装を施したのではないかと言われている。

それゆえ、最近では、中心のピラミッドをフニ王が建造し、拡張工事を息子のスネフェルが行ったと言う考えが主流になっているようである。

ピラミッド断面図

a)入り口  b)下降通路  c)埋葬室 e)最初に作られた7段のピラミッド

f)第2回目の拡張工事で8段目が造られた  g)第3回目の外装工事部分                                


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「崩れピラミッド」のクローズアップ@

拡張工事の際の接着力が低下したために、外装が下の層に滑り落ちて倒壊し、中心部がむき出しになったと考えられてきたが、実際にはこの説を裏付ける証拠は何もなく、最近はもともと未完成のまま放置されたのではないかと、言われ始めている。


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   「崩れピラミッド」のクローズアップA


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メイドムからダハシュールへ戻る途中の風景


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ダハシュールの「屈折ピラミッド」

スネフェル王が建てたとされる第1基目のピラミッド。

元の高さ105メートル(最初の設計上の高さ128.5メートル)。底辺の長さ188.6メートル。

屈折ピラミッドの由来は、途中から傾斜角度が変わっていることから来ている。建設途中、すでに予定の高さの3分の2まで出来上がったところで、建築家たちは突然、54度27分から43度22分に傾斜角を10度ほど小さくしている。

変更した理由は、王の急死によって完成を急ぐ必要があったとか、内部の部屋のひび割れに気付いて、斜面の角度を緩やかにし、ピラミッドにかかる重量を軽減することにしたなどの理由が挙げられているが、確かなことはわかっていない。


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外装が崩れた部分

下段の崩れた部分のクローズ・アップを見ると、一見粗雑な造りに見える稜線が巨大な定規を当てたように真っ直ぐに延びているのがわかる。

これだけの直進性を出すのは、容易なことではない。

 


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露出部分のクローズ・アップ

使われている石は、大ピラミッドほどはないが、かなりの大きさである。

横幅1.5メートル、厚さ80センチ、奥行き50−180センチ。大きなものは4トンから5トンはありそうだ。


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ダハシュールの「赤のピラミッド」

スネフェル王が建てたとされる2基目のピラミッド。トゥーラ産の石灰岩の色が赤色系であったことから「赤のピラミッド」と呼ばれている。


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赤のピラミッド

高さ104メートル、底辺の長さ220メートル、傾斜角43度22分(屈折ピラミッドの上段部の角度と一緒)。

大きさは大ピラミッドに近く、全体的な感じは大ピラミッドにかなりよく似ている。

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東側から頂上部を眺める

下段部分には、一部化粧石が残っている。最下段の化粧石の大きさは、建て175センチ、横145センチ、厚さ37センチ。重さは約2トン。

 


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キャップストーン(冠石)

カイロのドイツ考古学研究所が最近ダハシュールで調査を行った際、ピラミッドの上に乗っていたキャップ・ストーン(ピラミディオン)を発見し、修復後はピラミッドの東側、葬祭神殿の以降の近くに置かれている。

大きさは縦横高さが150センチほどの正四角錐。

 


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                         いよいよ次回から新たな「オーパーツ」が登場します。