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高速鉄道事故が明らかにした、そのおぞましさ

 



 
 


事故原因の解明もないままに、早くも走り始めた高速鉄道

 

 

昨日、中国高速鉄道の事故に関する記事を掲載したが、世界のマスコミは一斉に、人の命よりも党の威信や国威発揚を優先した高速鉄道の開発計画に、大きな問題があることを伝えている。

中でも、大紀元日本ニュース社は当局の救助活動の実体や真相究明に対する姿勢、被害者や遺族に対する対応などの点から許しがたい問題点が多々あることを伝えている。その一部を本記事に使わさせて頂いたが、驚くような記事が掲載されているので、大紀元日本ニュース社の記事をしっかり読まれることをお勧めする。

なんと言っても驚かされたのは、救助活動に当たるべき消防隊員が重機を使って、まだ生存者の確認も十分い出来ていない宙ぶらりんの車両を引きずり落としたり、落下した車両の切断作業に取りかかっていることである。いかに彼らのやり方が人命無視であったかがわかるのは、生存者なしとして重機による作業が始まった数時間後に、切断作業中の車両から2歳の女の子が発見され奇跡的に救助されていることである。

現場に駆けつけた被害者の親族である男性・楊峰さんによると、人の手や足が見えているのに、消防隊員はだれも運び出そうとせずに、救助活動はすでに終了したと告げ、朝5時には現場整理が始まることを伝えたというから恐れ入る。その結果、引き取った妻の顔は無残な姿となり、叔母の頭部は半分しか残っていなかった、と楊さんは涙ながらにその非道ぶりを訴えている。

 

 

 


事故で家族5人をなくした楊峰さん。特別警察の監視の中でメディアに無念さを訴えた
(明報よりスクリーンショット)

 


また、私が前回疑問に思って書いた死者や負傷者の人数についてであるが、大紀元日本社も同様に「死者の数はは35人どころではない」と題して、疑問を呈している。脱線・落下した6つの車両は満員時には600人が乗れることから、新華社の数字に基づいて計算すると、600−211(負傷者数)ー35(死亡者数)=354人。この354人はどこに消えたのか?なぜ慌てて埋めたのか? まさに記事の通りである。

現に、上海東方衛星テレビの24日の報道では、現場情報として死者は63人だと報じられており、インターネット上では、死者は179人に上るとの生命保険会社の情報も流れている。それなのに、どうして政府の発表する死者の数が依然として35名になっているのか?

大日本紀元社は、驚くことに鉄道省や鉄道会社が死者の数を35人以上にするわけにはいかない実態を伝えている。なんと、死者36人以上の事故が起きた場合、市の共産党委員会の書記が更迭されることになっており、そのために事故が起きた当初から死亡人数は35人以下と決まっていた、というのである。

それを裏付けるように、今回の高速鉄道は35人死亡。河南省平頂山の炭鉱事故も35人死亡。重慶市の暴雨による死者も35人。雲南省の暴雨被害も死者35人であるという数字を上げている。

だからこそ、新華社通信が24日夜、死者35人に加えて新たに8人の遺体が見つかったとする英語版の記事を配信したが、王報道官が記者会見で「私が把握している情報は35人だ」と述べ、報道内容を事実上否定したというわけである。
 

 

 
 


病院で入院患者リストを確認する事故被害者の親族(PHILIPPE LOPEZ/AFP)

 


鉄道省や鉄道会社が事態を沈静化するために必死であることは、事故原因の究明に手がつかないうちから、わずか1日半で運転を再開したことや、被害者やその家族と早々に支払金の交渉を始め、一人一律約500万円を提示し、即断する場合には別途に特別見舞金を支給するという手段に出ていることを見れば、明々白々である。

死者の葬儀も行われないうち、また、病院で命が助かるかどうか必死で介護に当たっている被害者の家族を呼んで、「急いで調印すれば多くの金をもらえるぞ!」などと、半ば恐喝するいう社会が何処にあるだろうか。いやしくも中華人民共和国はオリンピックや万博が行われた国ではないか。強い憤りを覚えるのは、決して私だけではないはずだ。

さらに恐ろしいことに、事故発生直後から被害者の家族一人一人に、秘密警察が尾行しその言動をすべてチェックしているようである。また、国のメディアには共産党中央宣伝部が流す情報以外は、一切報道しないようにとの通達が流されている。だいたい、あれだけの事故が起きているというのに、驚くことに4大政府系メディア、人民日報・経済日報・光明日報、解放軍報はトップニュースでは扱ってはいないのである。

これが、胡錦涛主席や温家宝首相が率いる中国共産党の実体なのである。読者はこういった点をよく頭に入れておく必要がある。共産党幹部やその一族である富裕層は今世界中を飛び回って資産を買いあさっている。こんな状況の中国が長く持たないことを知っているからである。

既にHPで報告したように、北海道などではかなりの不動産が彼らの手に渡っている。彼らは暴動が発生するやいなや逃げ延びてきて、そこで大手を振って豪華な生活を始めることになるのである。そんな輩(やから)に土地など売ってどうするというのだ。よくよく考えて欲しいものである。

それにしても、こんな国が世界の覇権国になった世界を考えると恐ろしくなってくる。

 

 

 
 


24日の朝刊。どの新聞も軍幹部の大将昇格をトップニュースにしており、
列車衝突事故は報じられていない(ネット写真)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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