乱高下の米国株式


ホーム
上へ
世界が恐れるデフォルトの脅威
奇っ怪な逮捕劇
米国・今度は巨大砂嵐
後悔先に立たず!
米国・失業率3ヶ月連続上昇
アセンションに導くアンデス音楽
ペルーの異常気象
なでしこジャパン快挙
熱波・夏の雪・秋風
伝説のスピーチ
中国高速鉄道事故の背景
中国共産党政権の実体
世界に広まる借金地獄
乱高下の米国株式
ソマリアの大飢饉
覇権国家の凋落
「霊性の目覚め」講演会
京都の送り火トラブル
ひた隠す汚染の実体・中国
経済減速化がもたらす不気味な兆候
ローマ法王スペイン訪問
天からの警告
中国にミステリー・サークル出現
米国・出揃った自然災害
台風12号
竜の歌
1000万カウント達成
ユーロ圏の経済危機
一先ず安心ギリシャ危機、されど。
警戒心を呼び始めた中国の投資
洪水ラッシュのアジア
中国報道規制の波紋
世界経済崩壊の本質とその行方 @
世界経済崩壊の本質とその行方 A
世界経済崩壊の本質とその行方 B
水星に不思議な窪地発見
進む北極海の解氷
北極海の異変
拡大する「反ウォール街」デモ
驚異の写真
広がるアジア各国の大洪水
マヤカレンダーの発売について
久保画伯画アトリエ訪問
米国南部にオーロラ発生
EU財務危機一先ず回避
米国東部の雪とデモ
ギリシャ国民投票へ
日和見主義の日本人
イルカ・ハヴェルカ氏来訪
南欧の洪水と財政危機
拡大する欧州危機
自治体の破綻が進む米国
ブータン国王ご夫妻の来日
冷漠社会と化したした中国
ペルーで話題のミイラ
写真集出版のお知らせ
欧州情勢 @
欧州情勢 A
中国漁船の横暴
ロシア情勢 @
ロシア情勢 A
フィリピンの台風被害

市場の目は次なる展開へ

 

 

 
 


市場は各国首脳の発言や経済指標に一喜一憂し始めた。

 



注目されていた7月の米国の雇用統計値が発表された。

非農業部門雇用者数はプラス11.7万人(予想はプラス8.5万人)、失業率は9.1%(予想は9.2%)だった 。こうした予想より強い雇用統計を受けて、ダウ平均は朝方180ドル超上昇する場面があったが、その後はマイナス240ドルまで下げ、結果的には60ドルの上昇で引けた。

なぜ、失業率の改善が市場から好感されなかったのかというと、今回の0.1ポイントの改善には裏があるからである。

失業を測る尺度である失業率は、労働力人口に対する失業者数の割合で定義される。以前にもお知らせしたとおり、ここでいう失業者とは「働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態にある人」を指すので、仕事探しをあきらめた人は失業者には含まれないことになる。

ところが今回の数値を見ると、ハローワークに通って職探しをすることをあきらめた失業者の数が2万人も増えており、このために失業率が下がったというわけである。つまり、長年職探しをしていた2万人の人たちが、もうこれ以上努力しても職に就けることは出来ないとあきらめてしまい、路上生活者となったことを示しており、かえって不況の度合いを高めたことになってしまったのだ。

さて問題はこれからで、来週以降、秋口にかけて市場がどう動くかという点である。次の3つが要注意点となりそうである。

@ ギリシャ、イタリア、スペインの財政問題
A 米国国債の格下げ問題
B 米国の財政削減特別委員会の動向

@については、欧州各国や欧州中央銀行(ECB)  の要人の発言によって不安と安心が錯綜することになるそうだが、ECBによるこれ以上の債務国の国債買い取りについてはドイツなどから強い反対の声が上がっており、容易ではなさそうである。

 

 
 


4日のECB理事会で新たな国債の買い入れ再開に対し、ドイツ連銀のバイトマン総裁ら
4人から反対意見が出された。写真はフランクフルトのECB本部 (ロイター)

 


ECBのトリシェ総裁が4日に行った会見で、「最近の経済指標は、この数か月、景気減速を示している。スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガルは重大な経済問題に直面している」と述べ、ヨーロッパの景気に悲観的な見方を示したが、こうした状況下では、財政立て直しはさらなる景気減速を促進させるため、3カ国の財政立て直しとECBの支援はますます難しくなってくることが予想される。5日の英国をはじめ、フランスやドイツの株式市場が、昨年の夏場以来の安値水準で引けたことがそれを物語っている。

 Aの格下げについては、世界の主要格付け会社であるムーディーズと、フィッチ社は米国国債の引き下げは当面見送ることを発表しているが、ここにきて、スタンダード・プアー社(S&P)が引き下げに転じる可能性が出てきており、注目を集め始めている。

S&P社はかねてから、米国が財政問題を安定化するには、緊急的速やかに最低4兆ドルの削減が必要であると述べてきている。ところが、今回の米国議会の決定は10年間かけてわずか2.4兆ドルの削減にとどまっている。その上に新たに2.1兆ドルの債務引き上げ(借金のかさ上げ)が承認されたわけであるから、S&P社の求める「AAA」格付け維持の条件を満たしていないことは確かである。

だいたい、今回の2.1兆ドル(160兆円)の債務引き上げだけで、1年間に支払う利払い額は750億ドル(6兆円)増加することになる。10年間では7500億ドル(60兆円)となるわけであるから、今回の2.4兆ドルの赤字削減目標値の4分の1が消えてしまう。

S&P社がどのような決定を下すか定かではないが、仮に長年にわたって優れた国債としての「AAA」の評価を維持し続けてきた米国国債が、「AA」もしくは「AA+」へと格下げされることになれば、政府が支払う国債の利払いは増加し、さらなる財政赤字へと進むことになる。

それは即、国民にとってクレジットカードや、住宅ローン、学資ローンなどの支払い額の高騰に直結するだけに、さらに景気の後退を招くことは必至である。まさに負の連鎖の始まりである。これにドル安による物価の高騰が起きてきたらスタグフレーションとなり最悪だ。

いずれにしろ、来週から秋口、さらには年末にかけてニューヨークのウオール街をはじめ、世界の株式市場からは目が離せない状況が続きそうである。もしも、前回書いたように、秋口までにダウ平均が一気に10,000ドルを割るようなことがあれば、世界的な経済崩壊の流れは加速し、世界は前代未聞の混乱に突入する可能性が大きくなってくる。

 

追記

昼のニュースを見ると、S&P社による米国国債の「AAA]から「AA+」への引き下げが決定されたようである。現在、財政赤字で悩んでいる英国以下ということになる。これを受けて週明けの世界の市場がどう動くかが注目されるところとなった。因みに日本は「AA−」である。

 

 

 

 

 

 

戻る 上へ 進む