WHO非常事態を宣言


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WHO非常事態を宣言
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年末を迎えた2014年
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死者1500人を越す

 



 
 


リベリアの首都・モンロビアに開設した医療施設で治療に当たる
国境なき医師団の医師 (NHK・BS国際報道より)

 

 
 

 
 

医療施設で回復する患者もいる一方、路上に倒れそのまま息を引き取る人もいる
(リベリアの首都・モンロビアで)

 


これまでに記してきたように、アラブ諸国やウクライナでの部族間や宗教間における戦闘は激しさを増す一方であるが、一方病原菌の感染という、人と ウイルスとの格闘も一段と厳しい状況になってきている。そのウイルスとは他ならぬエボラウイルスである。

先日、国際保険機関(WHO)は感染者が増え続けているエボラ出血熱に関し、これから半年間で感染者数は2万人に達する危険があり、世界的な対応を急がないと大変なことになると、緊急事態声明を発表した。

感染者数や死者の数は日ごとに増して来ており、8月19日付けの「拡大し続けるエボラ出血熱」では死者の数を1200人としていたが、WHOの28日の発表によると、すでに1552人に達している。7月4日の「エボラ出血熱感染急拡大」記事では467人となってい たことを考えると、わずか2ヶ月足らずで3倍を超えており、いかに拡大率が凄いかが分かろうというものである。

それどころか、国際保険機関や国境なき医師団の医療従事者の話を聞くと、実体はそれよりさらにひどい状況になっているようなので、半年後の感染者数は2万人を上回り、死者の数も1万人に達する可能性すらあるようだ。 そうなった時、世界各国は自国民への感染を防ぎ切れるだろうか。

過去にないこうした厳しい状況に至った要因は何なのか? 伝えられる情報をまとめてみると、幾つかの要因があるようだ。その中でもっと大きな要因は、今回エボラ出血熱が蔓延しているギニア、リベリア、シェラレオネの西アフリカ3ヶ国には、これまでエボラ出血熱の感染例がなかったことである。

 
 



1976年から始まったエボラ出血熱の感染は、これまでアフリカ中部に限定されていた
(青マーク)。 今回の西アフリカ3ヶ国(赤マーク)は初めての感染拡大であったため、
対応が追いつかず死者の数は1500人を超えてしまった。(NHKクローズアップ現代)

 
 

 

 
 

エボラ出血熱急拡大の要因

 

エボラ出血熱は1976年以来これまで40年間で6ヶ国にわたって、20回以上発生している。しかし、上の図を見てもらえればお分かりのように、それら皆アフリカ中部の国々 (青マーク)であった。そのため、西アフリカ3ヶ国の人々は、ギニアで2才の子供に初めて感染者が出た昨年12月以降もしばらくは、発熱や下痢の症状がエボラ出血熱によるもの であることに、気づかなかったのである。

そのため、子供の家族が次々と死亡した後も、手を打てないまま数ヶ月が過ぎ、シェラレオネ、リベリアへと感染が拡大してしまったというわけである。感染事例がないことは即、エボラ出血熱に対する知識がないことにつながり、さらに悪いことに、部族の中に、死者の葬儀に当たって患者の体に手を触れて別れを惜しむ慣習が あったのだ。

「拡大し続けるエボラ出血熱」でお伝えしたように、リベリアの首都モンロビアで、武装した男たちによって感染者の隔離施設が襲撃され、20人を越す患者が連れ去られるという事件が起き るのも、隔離されたまま亡くなってしまうと、そのまま埋葬されてしま い、家族や身内の者が死者との別れの儀式が出来ないからであった。

一方、治療や介護に当たっている医師や看護師たちの中でも感染者や死者が増加しており、すでに医療従事者の感染者数は240人を越しており、その半数が命を落としている。病気に対する十分な知識と防御 体制をとりながら、なぜこのような事態に至ったのかというと、患者の急増に対して医療従事者数が極端に少なく長時間勤務に つかざるをえなかったからである。その結果、注意緩慢 になってしまう状況が発生したのだ。長時間勤務によるちょっとした不注意が感染へとつながったというわけである。

平年を上回る高温の西アフリカで、長袖の防御服とマスクを付け長時間にわたって治療と看護に当たる人々は大変な重労働である。こうした 状況下で死と隣り合わせの医療に従事する人々の頭の中にあるのは、治療法のない病に感染し発熱や嘔吐で苦しむ患者を、一人でも多く救ってやりたいという 強い思いだけではなかろうか。そうした人達は過去世でも同じような困難な治療に従事し、人助けを続けてきた魂に違いない。頭が下がる人達である。


死と隣り合わせの医療現場

 
 

 
 


ベルギーのブリュッセルにある「国境なき医師団」の施設で、研修を受ける医師と看護師たち
 
 

 
 

 
 


カナダのケベック州からやって来た女性は研修を終えた後、リベリアに
赴く予定だという。 立派に徳積みを成就して頂きたいものである。

 
 

シェラレオネで治療に携わっていた日本人医師によると、休暇なしの日々が続き、12時間働き続けることが日常的になっているということなので、医療従事者の大変な心労のほどが目に見えるようである。

こうした状況を改善するべく頑張っているのが世界的なNGOである「国境なき医師団」であることは既にお伝えした通りである。医師団にとっての問題点は、現地に赴き治療や看護に当たる医師や看護師の数が大幅に不足していることである。そのため、世界中 の医療従事者に参加を呼びかけ、応じた人達には、ベルギーのブリュッセルにある「国境なき医師団」の施設で研修を行っている。

そうした対策を含めて今、国境なき医師団が必要としている資金は27億円、日本の国境なき医師団でも状況の悪化に伴って1億円を超す資金が必要 となっているのではないかと思われる。我々に出来ることは資金面で協力させてもらうことしかない。少額でも数集まればお役に立つはずだ。

今回も居ても立ってもいられず、預金を下ろして振り込みをさせて頂くことにした。治療手段がなく死亡率が50〜90%に達する病気の治療や介護に、猛暑がつづく西アフリカに 赴く人々のことを考えたら、ほんのわずかな支援に過ぎないが、あとは、亡くなられた方々のご冥福と感染の終息を祈るのみだ。
 

郵便局を利用して振り込まれる方は、下記振込先を参考にして頂きたい。

国境なき医師団日本  口座番号 00150−3−880418

 
 

 
 


モンロビアの街頭に並ぶ新聞は、連日エボラ出血熱の記事と写真がトップを飾っている

 

 
 

 
 


感染源とされている野生のコウモリ (NHK「クローズアップ現代」より)

 
 

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