中東でおかしな動き
 


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複雑さを増す中東情勢、
          その先で待ち受けているのは?

 
 

 
 


サウジアラビアでフランスの外相と対談したレバノンのハリリ首相。
この対談によって、フランス経由でレバノンに戻ることが実現した。
帰国後の発言に世界は注目している。 どんな真相が語られるだろうか。

 
 

前回「トルコ大統領等の名前や写真を標的に!」で 、これから先、中東諸国の宗派間対立が進むようなら、ハルマゲドンに向かって世界情勢は一段と厳しさを増すことになるだろう、と記した。 その中東情勢であるが、 実はイエメンの内戦を巡って、今、サウジアラビアとイランとの関係悪化 が一段と進む中、シーア派の小国・レバノンをめぐって奇妙な動きが起きてきているのだ。 

読者は中東のレバノンという国がどこに位置しているかご存じだろうか。 レバノンはベイルートを首都とする地中海に面した小国であるが、敵対するイスラエルとシリアに挟まれており、中東の紛争の火種となりかねない重要な国の一つである。 

そんなレバノンに今何が起きているのかと言うと、、首相のハリリ氏が2週間ほど前に突然に辞意を表明したのだ。 それが何ともおかしなことに、サウジアラビ アを訪問中に行ったのだから驚きだ。国内で大混乱が発生しているというならいざ知らず、特段の問題も起きておらず、国民から強い支持を受けている首相が、他国を訪問中に突然辞意を表明することなど前代未聞だ。 

それゆえ世界中のマスコミは 、サウジアラビアが訪問中の首相を軟禁状態にし、強制的に辞意を表明させたのではないか、と伝えるところとなった。 そうした動きを受けて、レバノンの旧宗主国であったフランスが外相をサウジアラビ アに派遣し、ハリリ首相との会談を実現。 首相はフランス経緯でレバノンに戻ることが発表された。

現在、フランスに滞在中で、昨日付の記事では、ハリリ首相はフランスのマクロン大統領と会談した後、22日に帰国することになったようである。 ハリリ首相の帰国を喜ぶベイルート市民が喜んでいる写真がカタール・アルジャジーラに掲載された。 

 
 

 
 


 

 

レバノンは、北はトルコ、東はシリア、南はイスラエルと接接する重要な位置にある。
 

レバノンに戻った後、首相自らの口から、なにゆえ辞意表明を外国で行うことになったのか、その背景を表明することになるものと思われるが、気になる点は、厳しい状況になって来ているサウジアラビアとイランとの関係悪化が、レバノン首相の辞意表明に強い影響を及ぼしていたのではないかという点である。

中東は今、スンニ派とシーア派に分かれ、水面下で熾烈な争いが行われている。 その最前線となっているのが、アラビア半島の最南端に位置す る南イエメンである。 既に読者にはお伝えして 来たように、今イエメンでは政府軍と反政府軍による内戦が続いて おり、国家体制が崩壊しようとしている。 両軍の裏にはサウジアラビアとイランがついており、今や南イエメンはスンニ派の盟主サウジアラビアとシーア派の代表的存在であるイランとの代理戦争の場と化している。

10日ほど前からイエメンはサウジアラビアによる激しい空爆によって、陸上からも海上からも入国することが出来ない状況と化してしまい、国連や国境なき医師団などの国際機関からの支援が完全にストップした状態 と化していた。 そのため、ミャンマーのロヒンギャ族や南スーダンの避難民問題と同様、戦後最大の人道危機に陥っており、国民の3分の2が飢餓状態 と化し、子供たちを含め100万人を超す人々がコレラに感染し、日に日に死者の数は増え続けている。

一方、レバノンはシーア派の民兵組織「ヒズボラ」が国政に強い影響力を持っており、そのヒズボラを支援しているのがイラン政府で、現在、イラン革命防衛隊が駐留している 。 そのためレバノンはシーア派国家と見なされており、シーア派は東はイランから、イラク、シリアを経て西の地中海に面したレバノンまで 広く帯状に連なり、事実上の同盟関係を結んだ状態となっている。

こうした状況は、敵対するスンニ派大国・サウジアラビアにとっては許し難い状況であるため、レバノンを何とかしてスンニ派統治の国家に移行させようとしているのである。 今回のレバノンの首相がサウジアラビアで突然辞意を 表明した裏には、そうした背景があったことは間違いなさそうである。

 
 

 
 


ハリリ首相の帰国を知って喜ぶレバノンの首都ベイルート市民

 
 

中東の亀裂に便乗するイスラエル

 
 

 
 

 

 

サウジアラビアと手を結ぼうと発言するイスラエルの参謀長

我々日本人は切実感を持っていないが、こうした中東諸国間の亀裂は日に日に深刻な状況と化して来ているのだ。 こうした情勢をさらに複雑にするところとなったのが、イスラエルのサウジアラビアへの協調関係の表明であった。 数日前、突然イスラエル軍のトップであるアイゼンコット参謀長が、サウジアラビア などスンニ派の国々に対して、同調し情報やノウハウで協力する用意があると発表したの だ。

本来の敵対国同士であるイスラエルと、中東の盟主サウジアラビが協調関係に進むなどということは、あり得ないことのように思われるが、イスラエルにとって最大の脅威は過激思想をもったシーア派のイランであり、イラクであり、シリアなのである。  それゆえ、これらの国を敵対視する国は味方というわけだ。

世界中にテロをまき散らしたIS(イスラム国)を世に出したのは他ならぬイスラエルであるが、それを承知しながらサウジアラビアはISに武器や資金を提供して来ていた。 同じイスラム教国でありながら、宗教感で対峙するイランやシリアを混乱に陥れようとしてる点に関しては、サウジアラビアもまたイスラエルと同じ立場に あったからだ。 そう考えると、今回のイスラエルの動きは別に不思議ではないのである。 

ところで、イスラエルとパレステナとの関係は一向に改善されないまま、エルサレムの帰属をめぐって緊迫した状況が続いていることは、何度もお伝えして来た通りである。  イスラム教徒である中東諸国は一致協力してパレスチナを支援しなければならないはずなのに、スンニ派 とシーア派間で骨肉の争いが続いていては、一致団結してイスラエルに立ち向かうことは出来ない。 そこを狙ってイスラエルがスンニ派の国々に協調し ようと、シグナルを送って来ているのだから、事は厄介だ。

今世界は世界最終戦争ハルマゲドンに向かおうとしている時だけに、そのキーを握ることになりそうなトルコと欧米との亀裂、さらにイランやシリア を敵視するサウジアラビアとイスラエルとの協調の動きは、 見過ごすことは出来ない。 もしも、これから先、パレスチナ情勢が悪化した時には、中東は二手に分かれて混乱状態に陥り、収拾がつかなくなってしまう からである。  

イスラエルを応援する米国と、イスラエルが最大の敵対国と見なすイランやシリアを支援するロシア。 どうやら、最終的には中東の争いは米国とロシアとの紛争へと進むことになりそうだ。 第一次、第二次世界大戦 の開戦のきっかけとなったのは、些細な出来ごとであった。 今回の一連のトルコやレバノンをめぐる動きが同じきっかけとならないことを願っている。 いったん火が付いてしまったら、その先に待っているのが世界最終戦争「ハルマゲドン」 であるからだ。

 

 




 

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