標高5,000M越え

 

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カニョン・デル・コルカ

これからナスカまでのおよそ500キロの強行軍が始まる。途中、今回の旅の最高峰4800Mのアンデス越えが待っている。

アメリカのグランド・キャニオンより深い渓谷といわれる「カニョン・デル・コルカ」(コルカ川渓谷)に立ち寄り、展望台から遙かな下降にコルカ川が流れる断崖絶壁を見下ろす。

朝8時を過ぎ大気の温度が上がってくると、渓谷の下から上昇気流に乗って、ペルーを代表する鳥コンドルが舞い上がってくる。

展望台からだとコンドルを見下ろしことになるため、数十メートル下の断崖まで降りることにする。ここからだと上空を舞うコンドルが撮影できるからだ。

谷底から環を書きながら次第に舞い上がってくるコンドルが、目の前を悠々と飛んでいく。羽を広げたその姿はおよそ3メートルほどもあろうか、セットした望遠レンズにはとても入りきらないほどある。

慌てて300ミリから200ミリレンズに切り替える。レンズ越しに動きを追っていると、足下がふらつき危険になってくる。一歩足を滑らしたら、下は千尋の谷である。安定した足場を見つけて腰を下ろし狙いを定める。

コンドルの旋回する速さはけっこう早く、初心者がカメラに収めようとするのは相当大変だ。足の痛みなどすっかり忘れて、無我夢中でシャッターを押し続ける。

様になる写真が何枚か撮れたので、掲載することにした。画素数の関係で画面一杯の映像でお見せできないのが残念である。

標高4800Mを越える

未舗装の山岳道を中古のミニバンで越えるのは、相当の辛抱がいる。車の揺れは、まるで椅子に強力な電動マッサージが付いているようだ。

車窓から外を見ると目も眩むような断崖絶壁だ。何回か窓から身を乗り出し、渓谷の雄大な景色を撮影しようとしたが、車の振動で外に投げ出されそうなのであきらめた。やむを得ず、遠くのアンデスの山頂に目をやり雄大な景色を楽しむことにした。

この辺りは方々に、先史文明を滅亡に追いやった大異変の際の巨大な爪痕が散見される。空からの巨大な水魂によってさかれた地殻は巨大な渓谷となっている。

5000Mクラスの山の頂上部が押し寄せた海水で洗われたように、「三角ずきん」状にえぐられた状態で残っている。おそらく、ティアワナコ辺り(4000M)まで押し寄せた海水によって頂上部が浸食され、その後の土地の隆起によって水が引いていったのであろう。隆起の痕跡は巨大な断層となって今でも見ることが出来る。

この時の大隆起によって、アンデス山系は更に高さを増し、山岳部からひいた大量の水は、太平洋と大西洋の両サイドに流れ落ちていったようだ。その際に発生した巨大な水の流れによって出来たなだらかな丘陵地を、我々は標高を下げるにつれた次第に目にするようになった。

大平洋に流れ出た厖大な水流と共に流された土砂の一部は、ナスカの平原を造り、反対に大西洋岸に流れ出た土砂は、長大なアマゾン川とその周辺の広大な平原を形成したものと思われる。

どうやら地球的規模の大災害の中でも、この辺り一帯を襲ったカタスロフィーは、大量の水の落下、巨大な津波による浸食、地殻の隆起など、想像を絶するものであったことは間違いないようだ。

 

 

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   カニョン・デル・コルカの渓谷を舞うコンドル@

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  コンドルA

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  コンドルB

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  コンドルC

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  コンドルD

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  コンドルE

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  6000M級の山々が連なる

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  越えてきた道が見える

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  中腹の街「ワンボ」で

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  巨大な断層 @

隆起によって出来た巨大な断層が、アンデスのあちらこちらに見える。

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  巨大断層 A

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  最高峰を越したところでしばしの休憩

標高3700Mから3500Mにかけてイチェと呼ばれる葦に似た草が生い茂っている。

現地の人々は、これを刈って屋根葺きに使ったり、土と混ぜて、アドベと呼ばれる日干しレンガを作る。

 

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  群生するサボテン

標高3500Mから2000Mにかけては、サボテンが群生している。

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  サボテンの花

荒涼とした丘陵地に咲くサボテンの花は、人の心を和ませる。

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  水に浸食されたなだらかな丘陵地

大カタスロフィーでティアワナコ一帯まで押し寄せた海水は、チチカカ湖という巨大な湖を形成したが、その後の地殻変動(隆起)でその一部が太平洋に流れ出た。その時周辺の山々を浸食し、厖大な砂を低地に堆積していったようだ。

5000Mの高地から下りてくると、その時の痕跡が鮮明に見える。

 

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  土砂に埋まった広大なパンパ

山を下り終わると、海岸まで数十キロにわたってその時の砂地が一面に拡がっている。次回に訪ねるナスカの平原もその時の名残であるようだ。

 

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  緑地化が図られたパンパの一部

ナスカに連なる大砂漠の中に、数十キロ四方の広大な緑地が広がっており、驚かされた。

現地の人々によると、フジモリ大統領の成した最大の功績の一つだという。

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