欧米の気候異変を追う B


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米・英の政治家が言及し始めた異常気候

 


 

 


米国の半分の地域で、1億人以上がこうした異常な寒波に襲われている。
まさにその被害と脅威は国家的規模となっており、国を挙げての対策が問われている

 

 

今朝のNHKのBSテレビは、米国と英国のトップクラスの政治家の気候変動に対する驚くべき発言を放映していた。

アジアを歴訪中の米国のケリー国務長官はインドネシアのジャカルタで、かってない発言をしている。世界の気候変動がもたらす地球への脅威は、デモや伝染病、貧困や大量破壊兵器の拡散より大きいと指摘、この問題の発生には米国自身も大きな責任を負っていることを認めた上で、世界各国が最優先課題として対策を急がねばならない、と述べている。まさに異例の発言である。

驚くのは、シリアの化学兵器問題やエジプト、ウクライナ、ボスニアなどのデモや暴動など、今世界が固唾(かたず)をのんで見守っている諸問題よりも、気候変動による影響の方が遙かに深刻だという発言である。長官のこの発言は、この冬米国を襲っている記録的な寒波や英国、フランスなど欧州各国を襲っている暴雨風・洪水の被害が、いかに国家的脅威となっているかを物語っている。

一方、昨年末から繰り返し大嵐と豪雨に襲われている英国では、野党労働党のミニバン党首が「英国を襲い続けている異常気象は、国家の安全保障に関する問題となって来ている」と驚くことを述べている。

主たる被災地となっているウェールズ地方や西部・南部地方には、チャールズ皇子やキャメロン首相が訪れ復旧には全力を挙げることを約束しているが、広範囲で甚大な被害の復旧には膨大な費用がかかることは必至で、財政再建に取り組んでいる英国にとって、これ以上の被害拡大はまさに国家の安全保障問題となってきていることは確かである。
 

 

 
 


英国西部沿岸は、昨年暮れからこうした大嵐に何度も襲われ続けている。

 

 

米国の寒波にしろ、英国やフランスの豪雨による洪水にしろ、問題は果たしてこれが自然な天候の揺れ幅の範囲に収まるものか、それとも、何かがおかしくなって来ているのかという点である。私は、地球規模の大異変に向かっての序章であると、繰り返し述べて来ているが、英国の気象学者も「北極海の氷の融解によって、ジェット気流の流れが南に下がってより大きくなり、同じ気象パターンが長期間にわたって続くことが、これから先さらに頻繁に起きてくるだろう」と述べている。

我が国においても、冬の低気圧の太平洋沿岸沿いの通過と、北極からの寒気団の南下という極めて希な現象が既に1週間余の内に2度同時発生しており、今週もまた水曜日を中心に降雪がありそうである。これも皆、同じ気象パターンの繰り返し現象に他ならない。

世界各地で発生している記録的な災害など知らずにいたり、我が国の大雪も自ら体験していない人々は皆よそ事で済ましてしまっているようだが、状況が時を追って厳しくなっている今、九州に住もうが関西に住もうが、まさかと思うような自然災害があなたの住む町を襲うことは、もはや時間の問題である。その先駆けとなっているのが、今、 陸の孤島と化している山梨県である。

雪の降り始めから既に4日目を迎えたというのに、我が町の一般道路は今もなお車の走行は難しくあちこちで車が雪に埋まったままとなっている。 中央自動車道も不通のままで、JR中央本線の電車も全く走っていない。また、小中学校も今週水曜日まで休校が決まっており、スーパーやコンビニは路上で動けなくなった運転手のために開いてはいるものの、品物はほとんどなくなって来ている。

こうした状況にありながら、テレビはオリンピック一色で世界の異変などほとんど放映していない。我が郷里の状況も同様である。どうでもいいような競技を生中継と録画で繰り返し放映しているが、恐らくここまで 長時間放映している国は、開催国ロシア以外にはないのではなかろうか。なんとも情けない国に成り下がってしまったものである。

 

 

 

 


南下した北極海を取り囲むジェット気流が長期間に
わたっての寒波と暴風雨を同じエリアに及ばしている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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