中国・「一人っ子政策」廃止の行方
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遅きに失した感あり、政策転換

 
 

 
 


10月29日の五中全会によって「一人っ子政策」は廃止され、これから先は
二人の子供を持つことが出来るようになった。(フランスF2  より)

 
 

中国共産党は29日、1979年以来36年間続けてきた「一人っ子政策」を廃し、全ての夫婦が2人の子供を産めるようにすることを決定した。 一人っ子政策は人口の爆発的増加を抑えるために始まったものであるが、次のような幾つかの問題を発生させることとなった。

@ 労働人口の減少による経済の減速化
A 少子高齢化
B 無国籍人間の出現
C 不妊手術や中絶の強制
D 我が儘な自己本位の子供の出現

@

労働人口の減少による経済の減速化問題

これまで大量の労働人口を抱えた中国では、低賃金労働者を獲得出来たため外国企業が進出し、急激な経済発展を遂げて来た。 しかし、少子化の影響で労働者数が急激に減少し、賃金を上げざるを得なくなった。 その結果、外国企業の撤退が始まり出しただけでなく、中国の企業自身がベトナムや マレーシアなどの低賃金の南アジア各国に進出せざるを得なくなって来ている。
 

A

少子高齢化問題

我が国の少子高齢化問題と同様、65才以上の高齢者に比べて労働人口の比率が減少してきているため、若者の負担が増してきており、老人扶養制度が成り立たなくなって来ている。 実際に労働人口が減少したのは2012年頃からであるが、現在の幼少な子供が大人になるこれから先20年間近くは、労働者は減少し高齢者が増加する一方である。 そのため豊富な労働力と低賃金によって急激な発展を遂げてきた中国経済は再浮上することは極めて困難な状況となってきている。
 

B

 

 

無国籍人間の出現問題

表だって大きく取り上げられることがなかったが、一人っ子政策による戸籍外人間の急増は中国社会に大きな社会問題を引き起こして いる。 戸籍外人間というのは中国の国籍に登録されていない人間であるからして、いわば幽霊人間のようなものである。
つまり、彼らはこの世に存在するはずのない人間であるからして、そのような者が交通事故を起こしたり、殺人事件を起こした場合には加害者がいないことなってしまい、事件や事故扱いが出来なくなってしまうことになる。
36年間の一人っ子政策中に産まれたこうした幽霊人間の公式な数は明らかにされていないが、 1億のカップルの中には密かに2人目、3人目を産んでいるケースは決して少なくないはずだ。 そうして誕生した子供は無国籍のまま人身売買され 、やがて無国籍同士で結婚して無国籍の子供を産んでいくことになる。 その結果、無国籍の幽霊人間の数はさらに増えていくことになる。  
 

C

不妊手術や中絶の強制問題

「一人っ子政策」は多くの女性に不妊手術や中絶を強要してきた。 今回の政策転換の対象になるカップル数が9000万組と言われていることを考えると、36年間に中絶された赤子の数は大変な数になっているはずだ。
その子らの中には不成仏霊としてこの世に残っている霊もかなりの数に達している可能性が大きく、今の中国社会を奇っ怪な社会へと導く要因となっているのではないかと思われる。
双子や三つ児の出産時にはどう対応して来たのだろうか? 特例として全ての赤子の出生が許されていたのだろうか、もしも厳密に一人っ子政策の対象になっていたとしたら、 残虐非道、人間のすることではない。 
また、多くの女性が一子をもうけた後、不妊施術をしていたとしたら、政策が変わったところで2子を産むことが出来なくなっていることになる。 なんともむごいことではな いか。  こんな制度を36年間も続けてきた国が、この先いつまでも繁栄を続けられるはずがない。
 

D

我が儘な自己本位の子供の出現問題

一人っ子のため両親はどうしても子供を甘やかして育てるケースが多くなり、協調性に欠ける我が儘な自己本位の子供が多くなってしまった ようだ。  この点は、共産党政権下の中国社会で今、隠された社会問題となって来ているようである。

 

 

 
 


「一人っ子政策」の廃止が決定された五中全会

 
 

問題は、「一人っ子政策」の転換によってこうした様々な難問をどれだけ解決できるかという点である。 実はすでに2013年には政策の一部に修正を加えて「夫婦のどちらかが一人っ子ならば2人目を産める」という政策に変更してきていたのである。

ところが、この政策変更以降も新制度の利用率は低迷したままで、子供の数は政府が期待したように増加していないのである。  今年の6月現在で、第2子を持つ資格のある1100万組の夫婦の内、第2子の出産を申請したのはわずか14%弱、150万組にとどまっている。

「一人っ子政策」の中で生まれ育った若い両親は、一人っ子中心の小さな家族に慣れてしま っていることと、子供を増やすことによって教育費など経済的負担が増すため、二人目を産むことを躊躇(ちゅうちょ)しているようである。

ブログでは、「物価は高い。 給料はなかなか上がらない。 食べ物や空気も心配だ。 こんな世の中で自分の子供は産まれてきて欲しくない」「自分の収入では家も買えない。 子供の前に、結婚できるかが問題だ」といった書き込みが目を引いている。

そのため、今回の「一人っ子政策」の廃止後も少子化に歯止めがかけられるか、はなはだ疑問である。 もしも新たな「二人っ子政策」が順調に進んだとしても、来年以降産まれる子供が労働に 就き経済を活性化するのは15〜20年先であることを考えると、今回の「二人っ子政策」への変更が、当面の経済の回復に役に立たないことは明白である。

従って、これから先、少子高齢化は一段と進むことは避けられず、経済の崩壊や社会的問題が発生し、共産党政権を崩壊させる暴動へと発展する可能性が大きいことは今まで通りである。 中国政府が 「シルクロードの一体一路」構想やアジアインフラ投資銀行にイギリスやドイツ、フランスなどを参入させようと、巨額の資金を投資し経済交流の活発化を進めているのもそのためである。

しかし、昨今の経済の低迷は世界的規模であり、さらに「ロシア・中国 対 欧米」の争いがこれから火を噴く可能性が大きいことを考えると、今回の「一人っ子政策」の廃止によって中国政府が期待する経済の発展と社会の安定化が順調に進むかどうかは、はなはだ不透明である。

次なる政策は、同じ「2人っ子政策」でも、強制的に2子を持たせる制度に変わることになるかもしれない。

 
 

 
 


豊富な労働力は年々減少してきており、「一人っ子政策」の
廃止でこの流れを止めることは無理のようだ。

 

 




 

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