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個人借金5500兆円

 
 

 
 


 

 

それでは次に個人の借金の状況を見てみることにする。 個人の抱える借金の総額は5500兆円。 この数値も膨大である。 政府の借金が世界一となっているのが米国であることは前回記した通りであるが、実は個人の借金においても群を抜いているのが米国で、その額は1668兆円。  中国の729兆円の2倍強となっている。

個人の借金の中でも今大きな社会問題となっているのが若者の借金の大きさである。現在大学を卒業する若者の70%は借金をして入学しており、米国の学生ローンの総額はこの10年で7倍に増額、その総額は1兆5000億ドル(約170兆円)に達している。 

その結果、学生ローンの延滞者は690万人に達しており、学校を卒業した多くの若者が実家を出らです、車やマイホームを買えない状況となっている。 これまで米国の力強い消費を牽引して来た要因の一つが若者の個人ローン、借金であっただけに、その落ち込みは米国経済全体の足かせとなって当然である。

 
 

 
 


米国社会でこれまで若者のこんな姿はあまり見ることがなかった。

 
 

米国に次いで個人の債務高が2位の中国、最近発表されたブルームバーグの情報では、その額は2008年からの10年間で8倍近くに達している。 そしてその債務のほとんどが 、「理財商品」と呼ばれる金融商品を介した不動産への投資と株式投資となっている。

理財商品というのは、シャドウバンキング(陰の銀行)と呼ばれている中国の地方銀行やノンバンクが販売している元本保証のない金融商品である 。 こうした商品の危うさについては7〜8年前からお伝えして来ているが、2014年の記事「中国経済破綻の狼煙」を読んで頂ければお分かりになるはずだ。 まさに2008年にリーマンショックを起こした「サブプライムローン」と同様の極めて危険な商品である。

彼らはそうした商品をいつか高値がついて売れるものと信じて保有し続けているが、空き家や空き部屋が信じ難い程の数になっている今、いったい誰がバブルと化し た高価な物件を購入するというのだ。  今や中国の住宅市場はいつ崩れ始めてもおかしくない状況となっているのである。

それを裏付けているのが、私がかねてからお伝えして来た中国の多くの都市に林立する「鬼城」と呼ばれる「幽霊都市群」の存在だ。 今回ブルームバーグが明らかにした情報によると、中国ではなんと5000万戸が空き家となっているというから驚きだ。  いくら人口と面積が広大とはいっても、空き家の数が我が国の世帯数とほぼ同じであると言うことを考えると、その数がいかに異常であるかが分かる。

それではなぜ、中国の多くの人々は多額の借金をして、不動産や株に投資するようになったのか?

その要因は二つ、先ず一つは、政府が経済成長率を維持するために、地方銀行やシャドーバンキング(政府が正式には認めていない銀行)を通じて積極的にカネのばらまきを進め来たこと である。 その推進役となったのが地方政府である。 経済成長率は地方政府の幹部の評価に直結し出世を左右するため、地方政府は危険性については無視し、高層住宅の建設などの不動産投資を実施続けて来たのだ。

もう一つの要因は、この10年間、国民の多くが不動産価格が下がるようなことはあり得ない、とかたくなに思い続けて来ていることである。 しかし、中国といえども我が国や米国で起きたのと同様な住宅バブルの崩壊は必ず起きるのだ。 共産主義政権の中国では起きないなどと言う理屈は通用しないのだ。

トランプ大統領の仕掛けた貿易戦争により発生する可能性の高い中小企業の倒産劇は、その一つのきっかけとなる可能性は大である。 だから今、周近平政権はそれを極度に恐れているのだ。

 
 

 
 


今もなお建設され続けているマンションの多くが、空き家となっているようである。

 

個人の借金の問題は隣国韓国も大きな問題となっている。 今、韓国は北朝鮮問題で少々浮かれているが、多重債務者の数は380万人に達しており、 その比率は成人人口の10%となっている。 また若者の失業率は10%、それゆえ自殺に追い込まれる若者の数は、我が国に比べるとはるかに大きくなっている。

そのため、ムン・ジェイン大統領は10年以上債務返済が滞っている人を対象に、個人の債務を国が金融機関から安く買い取り、国がその満額、あるいは一部を返済をするという非常手段を実施することを選挙公約し、すでに実行している。 

大統領は個人の借金地獄を解消し、落ち込んだ経済成長を盛り上げようと考えているようである。 しかしこうした政策は、 教会や法王が絶対的な権力を握る中世のヨーロッパで は行われていたようであるが、資本主義世界では初めてのことである。 どうやら今韓国では、個人の抱えた借金が相当厳しい状況に置かれていることは間違いないようである。

 
 

 
 



資本主義の禁じ手である借金帳消し政策を発表するムン・ジェイン大統領。しかし、その政策は 資本主義の常識を覆す信じ難いものだけに、先行きが心配である。

 
 

企業の借金7000兆円

 
 

 
 


ゴーストタウンと化した高層住宅群。 建物は完成しているが誰も住んでいない。中国のあちらこちらに、こうした「鬼城」と呼ばれる「幽霊都市」が出現して久しい。  こうした都市建設への融資は個人だけでなく、大小の企業も行っており、中国企業の抱えた2000兆円の借金の中には、こうした投資資金も含まれているのだ。

 
 

企業の借金の総額は7000兆円。 その中で群を抜いているのが中国である。 その要因となったのは、代々の政府のトップが高い経済成長を維持するために行ってきた 地方政府や企業への大量の通貨の供給であった。

融資を受けた企業の中には私的企業もあり、公的企業も含まれている。 その額は総額2000兆円、世界中の企業が抱える借金の30%を超えており、我が国の政府の借金を上回る額であることを考えると、いかにそれが膨大な金額であるかが分かろうというものである。 

好景気を旗印にしてきた歴代の共産党政権。その政府は代々2桁のGDPの伸び率を目標にし、そのために積極的に借金を奨励して来たのだから、その額が膨大になって当然である。 中でも2008年のリーマンショック時に、景気減速を恐れた政府が他の先進国とはけた違いの膨大な通貨を 、ばらまいたことは記憶に新しいところである。

しかし、銀行からの多額の借金を投資に回した企業も期待したような利益は得られず、ここにきて投資の多くが返済が出来なくなって来ており、利息すら払えない厳しい状況に追い込まれているのである。 そうした悪しき状況に追い打ちをかけるところとなったのがトランプ大統領によって発動された貿易関税の上乗せである。

米国への輸出品5056億ドル(約55兆円)に対する25%の追加課税の影響は、来年に入るとはっきりと現れてくるため、米国への輸出が一段と減少することは間違いない。 こうして、輸出企業の業績が厳しさを増して来ることは避けられないだけに、中国経済はこれから先、一段と厳しい状況に追い込まれることは必至だ。

問題はそれが世界にどのような影響を及ぼすかである。 企業や個人の破綻だけではなく銀行やシャドウバンキングの破綻がもたらす影響は、これまで世界で発生してきたバブルの崩壊の中でも最大規模となるに違いない。 それは2007年のリーマンショックの比ではないはずだ。 

政府系の銀行やシャドウバンキングなどの破綻は、中国政府の財政に甚大な影響をもたらすことになるからである。 トランプ政権の出方次第では 、これから先、長くて1年ないし2年、早ければ、来年の秋から年末にかけて世界の目が中国経済に釘付けになるかもしれない。

 
 

 
 


企業の倒産は次々と発生しており、不動産バブルの崩壊は刻一刻と近づいている。

 




 

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