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  拡大し続けるオーストラリアの森林火災
 
  既に四国の面積が焼失、
          危惧されるコアラの大量焼死

 
 

 
 


200件近くに達している火災は、まだ半数近くが消火出来ておらず、
これから先、さらに新たな火災の発生が心配されている。

 
 


オーストラリアの森林火災に関する記事は11月以降、既に2回掲載してきた。1度目は11月6日付の「オーストラリアの干ばつと森林火災」、2回目は「オーストラリアの森林火災と米国の寒波・大雪」であった。

先月の記事だったので読者も覚えておられることと思うが、最初の記事から1カ月が経過した今もなお延焼は続いており、火災の規模は記録的な規模になっていることが伝えられている。

9月のはじめ頃から始まった火災は、当初は北東部のクイーンズランド州一帯が主な火災地域であったが、その後、出火から3カ月が経過した今、火の手は南に向かって延び、現在は南東部のニューサウスウェールズ州一帯が 主な火災現場となっているようである。

消防当局によるとニューサウスウェールズ州内のこれまでの延焼面積は、既に200万へクタールを超えており、日本の四国地方を上回る規模に達して いる。1935年以降でこの規模を上回るのは、38年の359万ヘクタ―ルと74年の354ヘクタールの2度しかない。

現段階では消火の見通しは全く立っておらない状況で、これから先、夏場に入って風が強まればさらに延焼が拡大し、また新たな火災の発生する可能性も高 そうである。そうなると、年明けの2〜3月頃までには、これまでの最大記録と並ぶか、それを上回る規模に拡大している可能性もありそうである。

なおAFPが伝える直近の情報では、ニューサウスウェールズ州のオーストラリア最大の都市シドニーの北の郊外でも、複数の森林火災が合流して、制御不能な「メガ火災」となっているようである。

 
 

 
 


消火活動に努める消防士たちは命懸けだ。

 

 
 

 
 






火の手は住宅街にも及んでいる

 

 
 

 
 

 

 

 
 

 
     
 

この火災で心配されているの点の一つは、大気汚染問題。各地の火災の煙が周辺地域にも広がり、汚染が深刻化しているからである。 ニューサウスウェールズ州が発表している大気汚染指数は、場所によっては「健康に有害で危険」のレベルに達している。このレベルは高齢者や幼児、呼吸器系の持病 がある人以外でも、外での運動などを控えるように求められるレベルであるため、学校の休校なども発生しているようである。

こうした大気汚染のレベルが大変に高いことを裏付けているのが、海を挟んだ隣国ニュージーランドの氷河が赤く染まっている写真(下に掲載〉である。オーストラリア南東部とニュージーランドとの距離は1600キロ。その距離は日本と韓国間の距離の十数倍、フィリピンとの距離位離れていることを考えれば、いかに煙の量が膨大であるかが分かろうというものである。

また、この火災で私が最も気になっているのが、コアラに危害が及んでいることである。ニューサウスウェールズ州はコアラの生息地として有名であるが、やけどを負ったコアラが次々と搬送されているコアラ専門病院の院長は、コアラの死亡数は350匹に達しそうだと語っている。

しかし、一方で野生動物の救出活動をしているNGO「レスキュウーコレクティブ」によると、森林火災で死亡したコアラの数はおよそ1000匹、全体の半分以上に達しているようである。

どちらの見解が正しいのか私には分からないが、いずれにしろ多数のコアラが大変な被害にあっていることは間違いないようである。なにゆえそれだけの被害に遭遇しているのかというと、鳥は飛べて、カンガルーはすばやく飛び跳ねることができるが、足の遅いコアラはその場で立ち往生するしかないからだという。 なんともはや悲劇である。

コアラが生息している森林の開発が進み、年々生息数が減少している危機的状況にある中で、今回の森林火災による大量の焼死は心配である。あの可愛らしいコアラが逃げ延びることもできずに、火災に巻き込まれて いく姿を想像すると、胸が締め付けられる思いで心が痛む。

 
 

 
 


オーストラリア南東部から1600キロ離れた
ニュージーランドの氷河が赤く染まっている。

 

 
 

 
 


 

 
 

 
 


この可愛いコアラが大量死しているのだから心が痛む

 


 




 

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