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オンネトー湖

 

 
 


阿寒国立公園の一角にある、五色湖とも呼ばれるオンネトー湖

 

「めがね橋」の撮影を終えた後、雌阿寒岳山麓にある「オンネトー湖」に向かった。北海道を旅していると奇妙な町の名前や湖 の名を目することが多いが、それらの多くはみなアイヌ語が発生源である。「オンネトー」もその一つで、その意味は「年老いた沼」 。太古の昔に雌阿寒岳が噴火した際に出来た堰止め湖であることから、アイヌの人々にそう呼ばれていたのであろう。

このオンネトー湖は北海道三大秘湖の一つで、標高620メートルに位置し、周辺は4キロ、最大深度9.8メートル。 酸性が強いためエゾサンショウウオザリガニ以外、魚類は生息していない。 一方、湖の周囲には緑色に茂ったアカエゾマツ、トドマツにナナカマドやイタヤケデの広葉樹が彩りを添え、その変化に富む色彩から「五色湖」とも呼ばれている。

カメラを持った私にとってなんと言っても魅力は、日の照り具合と時間帯によって移り変わるコバルトブルーとグリーン色の水面に、原生林が映り込んだ景観である。その美しい景色を切り取るには、なんと言っても 青空と凪(なぎ)が欠かせぬ条件となる。いくら天気がよくても、風があっては周辺の木々は映り込まない。また、風がなぎ状態でも、曇り空ではコバルトブルーも淡いグリーン色も よどんでしまう。

幸いにも今日もまた雲一つない快晴。しかし、到着した時には弱い風が吹いており、木々の湖面への映り込みはもう一つであった。ところが、しばらく周辺を散策し撮影場所を探していると、風はぴたりと止んでナギ状態と なり、お陰様で最高の景色を写真に収めることが出来た。ここでもまた、龍神様のご支援を頂くことになったようだ。




 


雌阿寒岳と阿寒富士を
背景に、新緑の木々を
映したオンネトー湖 @

A

B

緑色のオンネトー湖の
すぐ近くに、対照的
赤褐色の池があった



 


湖の周辺に咲く草花 @


A
 

B

C

 

 

巨大なフキ「ラワンブキ」

次に向かったのが足寄町(あしょろちょう)にある「ラワンブキの群生地」。 昼が近づくにつれ一段と暑さが増し、エアコンをつけて走ることとなった。地元の人に聞くと、この時期にエアコンなど考えられないことだという。それもそのはず、ちょうどその頃、音更町(おとふけちょう)から足寄町にかけての一帯は、北海道のこれまでの最高気温に並ぶ37.8度を記録していたからである。 その日の沖縄を遙かに上回る、全国一の気温にはただ驚きである。

2月に150センチを越す記録的な大雪に見舞われた私は、その3ヶ月後、今度はなんと90年ぶりの暑さの十勝平野に立っていたのだ。これもまた、異変を実感させるために 、天が仕組んだ采配のようである。私のような鈍感な男には、こうして身をもって異変を体験させることが必要だったからに違いない。 読者におかれては、単なる旅の一コマとして聞き流さないようにしておいてほしい。

ラワンブキ」というフキの名前は、読者は初めて耳にされたのではないだろうか。この名前の由来は、このフキが足寄町の東側を流れる螺湾川(らわんがわ)流域にだけ生育することから来ている。なんとその背の高さは3メートルにも達し、茎の直径は10センチ、開拓時代には4メートル近いものもあったようである。

まさにフキの怪物であるラワンブキは、雨の日には傘代わりになりそうである。アイヌの伝説に登場する「コロボックル」は山の幸を運んでくるコビトの神様であるが、その神様の名前は「フキの下の人」という意味である。この巨大なラワンブキの 下に立ったコロボックルは、さぞかし小さなコビトの神様に見えたことだろう。

それにしても、現地でその姿を実際に見て、あまりの大きさに驚かされた。生育条件としては、まず湿地帯で土質は砂質、そしてマンガンやミネラルが豊富な水などが必要なようであるが、どうやらその秘密は上流のオンネトー のコバルトブルーに秘められているようである。




 


螺湾川(らわんがわ)流域
の特定の区域にだけ密生する
ラワンブキ。これから1ヶ月
程かけてさらに成長していく。
 


これだけ巨大だと味はどうかと
心配したら、肉厚で繊維分が
多いにも関わらず、驚くほど
柔らかで風味が豊かだという。
一度食してみたいものである。

 

まだ生育途中のこの
ラワンブキも、既に
私の背丈に達している。
まだこれから50センチ
から1メートルは伸びる
ことだろう。

 



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