中国で大ヒット・大気汚染ドキュメンタリー
 

 


ホーム
上へ
謹賀新年
増え続ける中東の死者
氷河期に向かう地球 @
2015年、混乱に向かう世界情勢
シリア難民の窮状
氷河期に向かう地球 A
災害に対する備えはいかに?
仏・同時人質事件の行くえ
異常事態が続く米国
仏・50ヶ国首脳行進の真相
ウクライナ再び戦闘状態に
中東紛争の火の粉が飛び始めた日本
まだ終わらぬ米国のもう一つの戦争
中国に潜むイスラム系テロの危機
活発化する噴火活動
ギリシャ選挙・野党が大勝利
深刻化する中東情勢の行く末
史上最強の猛吹雪、米国を直撃
原油安・隠された裏事情 @
原油安・隠された裏事情 A
エボラ出血熱に朗報
講演会開催のご案内
案じられるイスラム教嫌悪の広がり
ギリシャを巡るドタバタ劇
激しさ増す自然の猛威
懸念されるサウジとエジプトの動向
横行する中国の人身売買
米国・次々と襲う寒波と暴風雪
イスラム国指導者の実像
暗さを増し続ける世界情勢
米国を襲う異常寒波と事故
世界中が困惑する中国人ツアー
ギリシャ支援策・暫定合意
凍てつく米国
どこまで強欲・中国
カルマがもたらす終わりなき戦い
ネタニヤフ首相・米議会で演説
環太平洋火山帯が再び活動を活発化
中国で大ヒット・大気汚染ドキュメンタリー
宗派間対立を産むティクリット攻略
追い詰められるロシア
ドイツのメルケル首相来日
続く米国の異常気象
南太平洋を巨大ハリケーン襲う
ドイツ、金50%を国内保管へ
イスラエル選挙がもたらすもの
貧しき少年に乳を飲ませる野良犬
命の危機に直面している人々へ
マネーのばらまきと低金利
一段と混迷を深める中東情勢

環境重視のはずの中国政府が封鎖へ

 
 

 
 


PM2・5による大気汚染問題を扱ったドキュメンタリー の報道自粛を
中国政府が支持したことを伝えるアメリカのウォールストリートジャーナル紙
右側に写っている女性が映画制作者の柴静さん

 
 

中国で、PM2・5をめぐる問題を告発する動画「紺空の下」が、わずか1日でネット上で1億回を超える再生回数を記録し大きな話題となっている。動画を作ったのは、国営中央テレビの元記者・柴静さん。1年前に産まれた長女が先天性の病気を発病、大気汚染との関係が疑われたことから、中国を覆うPM2・5の原因と背景を探るドキュメンタリーを作成することになったというわけである。

約100万元(約1900万円)の制作費を自己負担し、1年をかけて完成させた100分超の動画は、中国が国を挙げて経済成長を追い求めた結果、様々な環境規制が企業の利益や雇用の維持を理由に 、守られてこなかった実態を明らかにしている。

一党独裁政権下で強い情報検閲の敷かれる中国では、こうした社会の暗部を照らす報道を行えば、拘束や逮捕など不当処罰が加えられる可能性がある。これを踏まえての映像公開は勇気ある行為として、ネットを中心に各界で賛辞が巻き起こった。

環境保護相も大気汚染問題を正面から切り込んだ柴さんに謝意を伝えていたほどだ。しかし、反響の大きさのためか、中国中央宣伝部は国内メディアに対し、ドキュメンタリーを過度に宣伝しないよう通達し、すでにドキュメンタリーの評論記事や映像のリンク先の削除が行われ始めている。

中国全土の4分の1、全人口の半数近い6億人へ影響を与えている深刻な大気汚染問題は、企業だけの責任だけでなく、政府と地方政府の監督責任も問われる問題だけに、 ドキュメンタリーは国際会議 の開催中だけ青空を見せて得意になっている習近平政権にとって、決して心地良いものでないことは明らかだ。だからこそ規制がかかったのだ。

 
 

 
 


全人代でも環境対策は最重要課題とされたが
柴静さん制作のビデオに規制がかかるようでは中国の
空からPM2・5が消えるのは遠い先のことになりそうだ。

 
 

それにしても、公開初日から1日で1億回を超す再生回数というのは驚きである。いかに中国国民が大気汚染を長い間放置してきた政府に対し、強い不満と不信感を持っているかを示している。今もなお、中国全体の9割の都市が大気汚染基準を満たしておらず、マスクなしでは外出できない日が昨年だけでも175日、1年の半分に達しているのだから当然と言えば当然のことである。

5日から開催されている全国人民代表者会議(全人代)で、李克強首相は環境問題対策に力を入れていくことを明らかにしているが、それは地方政府にとって大変なプレッシャーとなる厳しい対策である。 忠実に実行しようとすれば、地方経済が急速に減速することは明らかだからだ。

それは即、周近平政権が掲げた2015年の経済成長率目標7%の達成をより困難なものとすることになるだろう。だからこそ、李克強首相は目標成長率を7%と明言せず、「7%程度」と曖昧な表現にしているのだ。世界覇権を目指す大国中国政府のするにしては、なんともお粗末なやり方だ。

いずれにしろ、早急な改善は無理であることは確かなだけに、これから先、癌患者や気管支炎の患者が急増するようなことになった時には、社会動乱に発展する可能性は大である。 政府もそれを一番恐れているのだ。

 
 

 
 


この汚染の中で暮らす国民の不満が政府に向けられる日がいつか必ず来る

 
 

 


マスクなしで外出できない人々は大変だ。これが世界の覇権を狙う国の実態だ!




 

戻る 上へ 進む