イスラエル選挙がもたらすもの


ホーム
上へ
謹賀新年
増え続ける中東の死者
氷河期に向かう地球 @
2015年、混乱に向かう世界情勢
シリア難民の窮状
氷河期に向かう地球 A
災害に対する備えはいかに?
仏・同時人質事件の行くえ
異常事態が続く米国
仏・50ヶ国首脳行進の真相
ウクライナ再び戦闘状態に
中東紛争の火の粉が飛び始めた日本
まだ終わらぬ米国のもう一つの戦争
中国に潜むイスラム系テロの危機
活発化する噴火活動
ギリシャ選挙・野党が大勝利
深刻化する中東情勢の行く末
史上最強の猛吹雪、米国を直撃
原油安・隠された裏事情 @
原油安・隠された裏事情 A
エボラ出血熱に朗報
講演会開催のご案内
案じられるイスラム教嫌悪の広がり
ギリシャを巡るドタバタ劇
激しさ増す自然の猛威
懸念されるサウジとエジプトの動向
横行する中国の人身売買
米国・次々と襲う寒波と暴風雪
イスラム国指導者の実像
暗さを増し続ける世界情勢
米国を襲う異常寒波と事故
世界中が困惑する中国人ツアー
ギリシャ支援策・暫定合意
凍てつく米国
どこまで強欲・中国
カルマがもたらす終わりなき戦い
ネタニヤフ首相・米議会で演説
環太平洋火山帯が再び活動を活発化
中国で大ヒット・大気汚染ドキュメンタリー
宗派間対立を産むティクリット攻略
追い詰められるロシア
ドイツのメルケル首相来日
続く米国の異常気象
南太平洋を巨大ハリケーン襲う
ドイツ、金50%を国内保管へ
イスラエル選挙がもたらすもの
貧しき少年に乳を飲ませる野良犬
命の危機に直面している人々へ
マネーのばらまきと低金利
一段と混迷を深める中東情勢

さらなるカルマを積むイスラエル

 
 

 
 


ネタニヤフの「素」が出た形相

彼に導かれるイスラエル人はこれから先、取り返しのつかないカルマを積むことになるかもしれない

 
 

17日行われたイスラエルの議会選挙は、中道左派と労働党との統一会派のシオニスト・ユニオンがリードしているとされた事前の予想とは反対に、ネタニヤフ首相が率いる右派リクードが多数を占めるところとなった 。

しかし、リクード党の議席数は30で過半数には達しなかったようなので、少数党と連立を組むことになりそうである。強固派の右派勢力を取り込むことが予想されることから、パレスティナとの和平交渉は頓挫し、オバマ政権との関係はさらにぎくしゃく することになりそうである。現に投票日前日、ネタニヤフ首相はパレスティナ国家は実現させないと、恐ろしい形相で語っている。 我が身を守るため本性(素)が出た恐ろしい形相がテレビカメラにとらえられている。

この選挙結果を受けて最も危惧されるのは対イラン問題である。もしも、リクード党が強固派の右派勢力と組んだ時には、イランの核施設への空爆は避けられそうもない。核問題協議が山場を迎えようとしていることは承知の通りであるが、その成り行き次第によっては、そう遠くない内、 ブラッド・ムーンまでに空爆が実施されることにな りそうである。

「ネタニヤフ首相・米議会で演説」に記したように、ネタヤニフ首相は米国の議会でオバマ政権が進めているイランとの核問題交渉を強く非難し、「このまま交渉が続けられるようなら、イランに対して制裁強化の道を選ぶことになるだろう」と、大規模空爆の実施を予告している。

彼が選挙期間中にも関わらず米国に出向いて、なにゆえこれだけの発言をしたのかというと、次のような裏事情があったからである。 日本のマスコミはまったく伝えていないが、実は昨年、イスラエル政府はイランの核開発施設を空爆する寸前のところまでいっていたのである。

それが実施されなかったのは、オバマ大統領が「イランを空爆するなら、イスラエルの戦闘機の撃墜命令を出す」とイスラエルにくぎを刺したからである。このニュースはクウェートのアラブ語新聞「アル・ジャリーダ」が報じているものなので 、間違いない情報だ。

そのため、ネタニヤフは米国議会で声を大にして先制攻撃を予告し、次に攻撃を実施する時に、オバマから再び脅しをかけられないように先手を打ったというわけである。どうやらこれから先、イスラエルの連立政権の行方とネタニヤフの発言からは、一段と目が話せなくなってきそうである。 状況次第で、新たな中東戦争の狼煙 (のろし)が上がることになるからだ。
 

 

パレスティナ国家実現は絶望的に

 

 

 

 


図@ 1967年時のイスラエルとパレスティナの領土区分(クリックで拡大)
 

 
 

 
 


図A 現在はイスラエルの入植によってパレスティナの領土は、
虫に食われたように小さくなり、ちりぢりになってしまっている(クリックで拡大)

 
 

イスラエル選挙の最終日、ネタニヤフ首相は「私が政権を担うことになるなら「パレスティナ国家は実現させない。入植地での住宅建設はこれからも続ける」と発言している。選挙の先行きに不安を感じた彼は、右派勢力を取り込むために言ってはならない禁じ手を使ってしまったのだ。

これで、パレスティナとの和平交渉は事実上ストップとなり、彼が政権を担う限りパレスティナ人の長年の願いであった国家の樹立は実現不可能となってしまった。

読者の多くは、今パレスティナ領土がどのような状況になっているのか、ご存じない方もおられるかと思われるので、簡単に説明しておくことにする。上の図 @が1967年当事のパレスティナとイスラエルの領土区分であった。1947年以来の4回にわたる中東戦争によって、イスラエルがパレスティナから 奪い取った地中海沿いの領土が薄青色の部分である。

パレスティナは領土を奪われただけでなく、ガザ地区と分離されてしまったのである。それから約半世紀が経過した現在はさらにひどい状況となっている。 ヨルダンに接した東側の領土がイスラエルによって 不法に入植され、次々と削り取られて小さくなり、図Aのような虫食い状態となってしまっている。

この入植問題は国際社会からは違法とされているものの、イスラエルは意に介せず今もなお入植を続けており、パレスティナ人の住む土地は、まさに虫に食いちぎられた葉っぱのよう な状態と化している。イスラエル政府は国際社会からの批判などどこ吹く風とばかりに、 国民が入植しやすいように、入植地の不動産価格や税金を低くする措置をとって、入植政策を押し進めている。

虫食い状態にされ、切り離された土地に住むパレスティナ人たちの生活水準は、入植地のイスラエル人に比べるまでもなく低く、高い失業率の中、極度の貧困生活を送っている。こうした経緯を見てみると、ここ半世紀にわたるイスラエル国家がパレスティナ人に為して来た所業は、大変なカルマ となって我が身に戻って来ることになりそうである。 おのれさえ豊かで平和な暮らしが出来れば、隣人がいかに苦しもうが構わないというのでは、 因果応報のカルマの掟から逃れることは出来そうもない。

イスラエル人は今回の選挙において、自らの意思で悪因を為す政府を選んだのだから仕方ない。 半世紀を超すパレスティナ人たちの苦しみや悲しみ、さらには、中東を戦渦に巻き込む危険性を考えれば、彼らが背負うことになるカルマは小さなものではなさそうだ。 旧約聖書のマタイ伝が伝えるハルマゲドン(最終戦争)で、イスラエルがどのような状況に置かれるかを知ったら、そのカルマの大きさが分かろうというものである。 

 

 

 
 


パレスティナから取り上げた入植地には立派な家が建ち並び、住民は豊かな生活を送っている 。
その様子を貧困に喘ぐパレスティナ人たちは、長い間、隣から眺め続けているのだ。
 

 
 

 
 

 

 
 

 
 


一方、次々土地を取り上げられたパレスティナの住民は
狭い土地で、失業に喘ぎながら貧しい生活を送り続けている
 

 
 

 
 

 

 

 




 

戻る 上へ 進む