「G7」は「G6+1」へ、ほくそ笑む中国とロシア

 
 



 

 

腕組みするトランプ大統領に詰め寄る6カ国首脳

「米国はこれまで各国に利用されてきた。今後はこのようなことは許さない」
とするトランプ大統領に詰め寄るメルケル首相たちの様子を写したこの写真は、
米国と6カ国との間の亀裂を鮮明に伝えている。

 

明日から行われる史上初となる米朝首脳会談を前に、カナダと中国で開かれた「7カ国首脳会議(G7)」と「上海協力機構(SCO)」の2つの首脳会議。 一方が、ドイツなど6カ国と米国との間に亀裂が生じる一方、他方はロシア・中国と中央アジア6カ国間で協調関係が示されるという対照的な会議となった。

これまで世界の自由貿易と安全保障面において結束してきた「7カ国首脳会議(G7)」は予想通り、トランプ大統領の実施した鉄鋼やアルミニウムに対する関税措置によって、日本を含む6カ国と米国との間の対立が鮮明となった。

一応、主催国であるカナダのトルドー首相から首脳宣言は発表されたものの、トランプ大統領がシンガポールへ向かう機内から「首脳宣言は間違っており認められない」とツイッターで発信する事態となり、異常な結末となった。

どうやらトランプ大統領の発言は、カナダが米国の課した関税に対して報復措置をとるというトルドー首相の発言に腹を立てて行ったもののようである。 しかし、トルドー首相の発言はカナダと米国間の問題で、7カ国間で合意した首脳宣言を撤回する理由にはならないはずだ。 そもそも、米朝首脳会談のために、G7を会議の途中で引き上げるということ自体、一国のトップがやる行為ではない。

史上初めてとなる米朝首脳会議を成功させ11月の中間選挙を有利に戦い、願わくばノーベル平和賞を手にせんとするトランプ大統領にとって、どうやら、G7などどうでもよいということのようである。 

「金正恩(キム・ジョンウン)主席との首脳会談の行方は、対面した最初の1分間のひらめきで、成功するかどうか分かる」などと公言しているトランプ大統領を見ていると、首脳会議が真に実りのあるものになることは、先ず無理と考えておいた方がよさそうである。

 
 

 
 


中国で開かれた「上海協力機構」首脳会議

 
 

一方、2001年に中国の主導で結成された、カザフスタン、カジキスタン、キリギス、ウズベキスタン、インド、パキスタンなど中央アジア6カ国とロシア、中国で構成された「上海協力機構(SCO)」首脳会議は中国山東省青島市で開かれ、各国間の貿易面での協調関係が合意されて閉幕。 

同じタイミングで開かれた二つの重要な国際会議が、このような対象的な結果となったことは、なんとも皮肉なことであるが、その結果は米国の先行きだけでなく、世界の安定面で暗い影を落とすところとなったことは間違いなさそうである。

私がこの会議の中で注目したのは、オブザーバーとして参加した準加盟国のイランのローハニ大統領が行った、米国の「イラン核合意」からの脱退は世界に緊張感をもたらすこととなり、許されることではないとする発言を、参加国8カ国が首脳が受け入れたことであった。 

ロシアはイランの「上海協力機構」への正式な加盟を後押し、中国も歓迎する意向を示しているだけに、これから先、イランが新たなメンバーとなる可能性が高そうである。 もしも、中東の地域大国であるイランが加盟を果すことになれば、「上海協力機構」の存在感は一気に高まることになり、イラン核合意の行方次第ではこの8カ国はイラン側について、これから先、「米国とイスラエル」に厳しく対峙することになるかもしれない。 それはハルマゲドンに向けての一歩となるかもしれないだけに要注意である。