EU崩壊の要因となるかもしれない
            移民・難民問題

 
 

 
 


ようやくスペインに上陸することが出来た難民たち

 
 

アフリカなどからの難民630人を乗せた船舶・アクアイルス号がイタリア沖に辿り着いてから1週間。 難民の中には妊婦を含む女性80人、幼い子供が100人ほど含まれておりイタリア政府が寄港を拒否したため、その行く先が案じられていた。 幸いスペイン政府が受け入れることとなり、昨日、スペインのバレンシア港に無事到着。

イタリアの今回の措置にはフランスやスペインから激しい非難が発せられたが、先日パリで行われたフランスのマクロン大統領とイタリアの新しいコンテ首相の会談で、EUの「難民受け入れ制度」について協力して改革を進めることで合意し、両国の関係悪化はひとまず収束。

先般、誕生したイタリアの新政権には、難民受け入れに強く反対する「同盟」が加盟しておりそのトップのサルビーニ氏が内相に就任しているため、これから先も難民船の受け入れは拒否することになると思われる。 それゆえ、「ギリシャ経由の難民問題」はトルコの協力で一応収束しているものの、「イタリア経由の難民問題」で、EUは再びその対応策を急ぎ議論せねばならなくなったようである。

 
 

 
 


北アフリカからの移民・難民の受け入れ先となっているイタリア。

 
 

北アフリカからヨーロッパを目指す難民の玄関口となっているのがイタリアであるが、2014年以降、既に50万人の移民・難民が上陸しており、今年に入ってからだけでもその数は7万3000人に達している。 このため、多くのトラブルが発生しているイタリア南部の難民受け入れ先からは強い反対の声が上がっており、第二のギリシャ化となりそうである。

IS(イスラム国)からの影響を受けたイスラム系住民によるテロが頻発しているヨーロッパ各国。 それだけに、難民・移民の受け入れ問題は各国にとって頭痛の種。 EU内にはポーランドやハンガリーなど受け入れを硬くなに拒否している国だけでなく、ドイツやフランスのように多くの移民・難民を受け入れて来ていた国においても、反移民・難民問題が政権を揺るがしそうになってきているだけに、一歩間違えばこの問題はEUの分裂の要因となりそうである。

 

難民問題に関するトランプ大統領の「暴言」

 
 

 
   

通商問題を巡って他国との亀裂を深めていたG7で、暴言を吐いたトランプ大統領

 
 

移民・難民問題から遠く離れた我が国であるが、いつまでもそうした状況が続くとは限らない。 隣国中国や韓国、北朝鮮の内政状況によっては、いつ大量の難民が日本海を渡って来ることになるか分からないからである。 北朝鮮問題の先行きや中国の習近平体制のぐらつきが発生した時には、九州や沖縄をはじめ、日本海沿岸の都市は自国民より多くの外人の暮らす街と化すことになるかもしれない。

そんなことを案じていた矢先、米紙・ウォールストリート・ジャーナルの電子版で、トランプ大統領のとんでもない「暴言」が伝えられるところとなった。 先のG7首脳会議で各国の首脳が移民問題を話し合っていた際に、トランプ大統領は安部首相に向かって、移民問題に対して次のような暴言を吐いたことが明らかとなったのだ。

三、君の国には移民問題はないだろう。 しかし、私は2500万人のメキシコ移民を日本に送ることが出来るのだぞ。 そうなったら君はすぐに退陣だ」

フランの大統領にも「エマニュエル、全てのテロリストはパリにいることを知っているか」と脅しをかけたようである。 通商問題を巡って他国との亀裂を深めていた最中だったことから、その不満をぶっつけたものと思われるが、それは突然頭にひらめいたものではないことは確かだ。 

メキシコからの移民問題を考えていた際に、いざとなったらこの手も使えるな、と思っていた本音を口走った可能性は大である。 どうやらトランプという男の本音が出てしまったということのようだ。 それにしても、なんともはや驚きの暴言である。 こんな男が進める北朝鮮問題がうまくいくはずがない。 彼は世界に平和をもたらす男ではなく、混乱と紛争の種をまき散らすために生まれてきた人物なのだ。