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					人間の心情は見事に顔に表れるものだ。 今回掲載した2枚の写真がそれを如実に示している。 その一枚が上段のネタニヤフ首相の満面の笑みである。 これは
					前回の「注目の米国・イスラエル首脳会談」に掲載した、15日にワシントンで行われたトランプ大統領とネタニヤフ首相との記者会見の写真
					のアップである。 
					
					イスラエルとパレスチナの和平協議に関する質問に対して、これまで和平協議を進める上での前提条件となってきた「2国家共存」に関して、
					トランプ大統領が米国としては今後、そうした前提条件にこだわらないと衝撃的な発言が飛び出した直後に見せた、ネタニヤフ首相の満面の笑みである。 
					
					トランプ大統領のこの発言はパレスチナ国家の誕生に水をさす、まさにイスラエル寄りの発言で、中東諸国のみならず世界に衝撃を与えるところとなったが、ネタニヤフ首相にとっては「してやったり」であったというわけだ。 世界各国の記者が集まった席での発言だけに、「記者たちよ、聞いたかね」とばかりに、思わず満面の笑みを浮かべたのだろうが、場違いの笑みと言わざるを得ないものであった。 
					
					なぜなら、15日の両首脳の会談は
					中東和平の行方がかかった重要なもので、世界が注視していただけに、その会談を終えた後の緊張感に包まれた記者会見では、
					あり得ない笑みであったからである。 たとえネタニヤフ首相にとって、トランプ大統領の発言がいかに「してやったり」であったにしても、交渉相手国・パレスチナに対する配慮に欠けていたことは明らかだ。 
					
					会見の場にいた記者たちにとっても予想外であったようだが、 私もこれまでにニュース映像で、多くの首脳たちの記者会見の場面を見てきたが、
					和平調印後の会見の場なら別だが、このような場面では記憶にない映像であった。  
					
					ネタニヤフ首相は
					相手のことなど一切構わない「利他心」に欠ける人物のようで、その心根が表情に表れるせいか、これまでにも、おぞましい表情をしばしば目にする機会が多かっただけに、今回の場違いの笑みは不気味に思えた。 
					恐らくこれから先、彼は違法な入植活動を益々拡大していくことになるに違いない。 彼の顔はそれを如実に物語っているようだ。 
					
					一方、トランプ大統領の耳を疑うような発言を聞いたパレスチナ自治政府のアッバス議長をはじめ、数百万のパレスチナ人や
					多くのイスラム教徒たちが、いかに暗い顔になったかを考えると心が痛む。 彼らにとっては
					長年のパレスチナ国家樹立の夢が遠のいた瞬間であったからである。 
					
					しかし、ネタニヤフ氏の笑顔も長くは続くことにはならないかもしれない。 もしもこれから先、
					入植活動などによってパレスチナを窮地に陥れて新たな中東戦争へと進み、それがハルマゲドンに発展するようなことにな
					るなら、その時には、これまでにも増しておぞましい顔に変わることは必至。 そんな姿だけは見たくないものである。  
					
					  
					
					キム・ジョンウン(金正恩)の恐ろしい形相 
  
					
						
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							心の状況が、恐ろしい形相に現れた人物がいた。北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)氏である。 
							この顔を見れば、兄を暗殺するという残虐非道な行為が、いかに人の心を傷つけるものかが分かる。  | 
						 
					 
					
					ネタニヤフ首相の満面の笑みとは正反対に、恐ろしいまでの見にくい形相を見せた人物がいる。 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のキム・ジョンウン(金正恩)氏である。 それは先日行われた彼の父親・キム・ジョンイル(金正日)の生誕75周年記念の会場でのことであった。 
					
					このところ、キム・ジョンウン氏の兄に当たるキム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアの首都クアランプールで北朝鮮の工作員と思われる者たちの手によって毒殺されたニュースが
					、連日流れ続けている。 読者も何度も目にしておられることだろう。 
					
					2人は母親違いの兄弟で、殺害されたキム・ジョンナム氏は10才違いの兄である。 弟のキム・ジョンウン委員長は2011年に亡くなった金正日(キム・ジョンイル)の後をついで、国家と
					軍の最高指導者についたわけだが、ここ1〜2年、叔父に当たるチャン・ソンテク氏など近親者や側近者の粛清が相次いで行われて来ている。 
					
					今回は、とうとう母親違いとは言え、血を引いた兄に当たるキム・ジョンナム氏を粛清するところとなってしまったようだ。 
					殺害命令は最高指導者に任命された直後の2012年頃から出されていたようであるが、 それを知っていたキム・ジョンナム氏は2012年4月に一度殺害されかかった後、「自分と家族を殺さないで欲しい」という嘆願書を、弟のキム・ジョンウン委員長宛てに送っていたようである。  
					
					恐らくその手紙には、自分は政治には興味がないので、一切口出しはしない旨が記されていたはずだ。 それにもかかわらずスタンデングオーダーと呼ばれる
					絶対的な命令書を撤回することなく、工作員を使って殺害に及んだことは、なんとも浅ましい行為であった。 まさに人間としてしてはならないことをしてしまったと言うわけだ。 
					
					国家元首の地位に就いたキム・ジョンウンと言えども人間には変わりはない。 ならば自らの体制を盤石なものにするためとは言え、政敵でもない兄を嘆願書を無視して殺害したことに対する、自責の念は大きいはずだ。 彼が側近から殺害完了の報告を受けた後、
					強い自責の念に駆られたことは間違いない。  
					
					それは父、金正日(キム・ジョンイル)の生誕75周年記念の会場に姿を見せた時の、彼の不気味なほどに歪んだ顔写真を見れば明らかである。 お気の毒なことであるが、彼はこれから先一時とて心の安らぐ時はないのではなかろうか。 
					我が身の安全を期すなら、キム・ジョンナム(金正男)氏の息子・ハンソル氏をはじめ、次々と粛清の対象にする相手が現れて来ることになるだろうからだ。 
					
					我々としては、これから先、彼を襲い続けることになるであろう心の動揺が、核のボタンを押すことに繋がらないことを願うのみだ。 
					もしもボタンに手をかけた時には、彼は「地獄」が「天国」に見える程の恐ろしき世界に身を置
					いた後、塵(ちり)と化すことになるだろう。 魂の抹消である。 
					  
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