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他の人格との結合

「あの世の不思議 @」で、人は自分の本体(霊・魂)を分離して、別の次元で同時に生きていることを述べた。それは、魂の進化を早めるには、より多くの環境下で、たくさんの体験を積むことが必要 だからである。

実は、こうした魂の分魂とはまったく逆の方法で、豊富な知識を身につけ、進化を進める方法があることを、スーザン・ウェルズの霊が伝えている。スーザン ・ウェルズはアメリカのサンディエゴで弁護士として活躍していて、1994年に癌でなくなって女性である。

彼女は地上界にいる時には、冒険心に富んだ人物であったが、死後も冒険心や好奇心は一向に衰えることなく、霊的世界を探索し不思議な話を伝えてきている。

スーザンが霊的世界から伝えるその進化のための方法とは、他の存在(魂)と溶け合う(合体する)ことである。

この世では、人はみな個としての意識を持って、他人とは分離した身体と心で生きている。だから、どんなに親しい間柄でも、自分と他人とはあくまで別人格でしかない。しいて他人と溶け合 って一体になったような感じの、片鱗を経験することがあるとしたなら、それは、男女の性交時ぐらいであろうか。

ところが、あの世では、自分を他の存在と分離して個として生きることも、他の存在と合体して生きることも出来るというから驚きである。

何とも不思議な現象であるが、霊的世界では、自分の身体の振動数を変えて、肉体に近い固い身体を保つことも、エーテル体的な柔らかな身体になることも自由自在である ため、他の存在と境界をもうけて一つの人格として存在することも出来るし、非固定的な存在となって、他の存在と溶け合って、ブレンドした状態で生きることも出来るという のだ。

他の存在と合体して生まれた新しい存在は、一人の人間とまったく同じように、他者と会話を交わしたり 、移動したりなど、個々の人が普通に体験できることは何でも出来るのだという。

もしも貴方がすばらしい写真家で、合体する相手が冒険家だとしたら、合体した新しい存在は、宇宙の果てまで冒険し、そこで見た情景をすばらしい写真に撮ってくることが出来るというわけである。また私が優れた作曲家で相手が名ピアニストだったとしたら、自分で作ったすばらしい曲を自らの手で思った通りに演奏することが出来る存在が 、誕生することになる。 

合体した存在は、個の能力の総計以上のことが可能になり、個としては不可能なより多くの、よりすばらしい能力を発揮することになる。そして、やがて単一の意識に戻った時には、相手の持っていた知識や才能だけでなく、お互いが持ち併せていなかった新しい知識や能力を身につけた、自分を発見することになるのである。

こうして、組み合わせの相手を変えることによって、無限の新しい存在を作ることが出来るわけであるが、ブレンドする存在の数は5つでも10でも制限はないのだという。その数が多くなればなるほど、信じられないような能力を持った存在が誕生することも可能になってくる。

この個の合体(ブレンド)という考え方を推し進め、合体する個の数が無限大にまで拡大された時の存在が、我々が神と呼ぶ存在ということになってくる。

我々は、神を合体説とは逆説的な考え方で表現している。宇宙の唯一の存在である神が無限に分離したものが我々個の存在であると、言うわけである。しかしその説明だと、神の存在を思い描くことが なかなか難しい。

宇宙に存在する全て、つまり、「人間」を始め、「動物」、「植物」、「鉱物」などの森羅万象のすべての存在が合体し、あらゆる才能、能力、知識、愛を持った存在が「神」だと考えると、神のイメージがおぼろげながら湧いてくる。
 

 

 
   

降雪の中のシメ

 

 

合体のもう一つの意義

また、合体による意識の統合は、知識や才能を身につけるだけでなく、個としての意識レベルから集合体としての意識のレベルへと「意識の拡大」を広げるという点でも重要な役目を果たすことになるようだ。

霊的世界において進化が進めば進むほど、個としての意識が薄れ、集合体としての意識をより強く認識するようになる、と言われている。我々はこうした話を聞くと、進化が進めば個の意識が小さくなり、自分という存在が消滅してしまうように考えてしまう傾向がある。

これはある意味で怖くもあり、むなしくも感じることである。なぜなら、いくら頑張って自分を成長させたところで、大河の流れの中に合流してしまうなら、その努力が消えてしまうように感じられてしまうからであう。

しかし、魂の合体を何度か経験し、個から集合体への意識の変化を体験することによって、個としての意識が集合体としての意識の中に埋没してしまうことがないことを 、しだいに理解出来てくるようである。

スーザンは、その辺の事情を次のように述べている。

「私はここに来た当初は、自分を個別の人格であると思っていました。他の存在と集合した時、私は彼らを他人と認識していました。しかし、今や私は「私自身」と「他人との境界がしだいに意味のないものに見えてきています」

どうやら合体を積み重ね「意識の拡大」が進むにつれ、個と集合体との垣根が薄れ、集合体と個が一体のもの、つまり、集合体そのものが個であるように感じられるようになって来るようである。そうした意識の変化をスーザンは、「私である」と「私でない」ことが同じであるように感じられてくると表現している。

読者は、それなら相手を取っ替え引っ替え合体を繰り返せば、いくらでも意識が拡大し、魂は容易に進化を遂げることが出来るのではないか、と思われるかもしれない。しかし、魂の合体がそんな安易な行為でないことを 、スーザンは次のように述べている。

「私たちは安易にブレンド(合体)するわけではないのです。ブレンドしたい相手を慎重に選びます。さもないと、自分が持ちたいと思わない性格を持ってしまうことになりかねないからです」

他の優れた知識や能力を得るために、長い歳月をかけて修正してきた自分の欠陥を元に戻して しまったり、本来持っていないマイナスの性格を保持してしまうことになるなるようなら、そのような合体は魂の成長にとって大きなマイナスとなってしまうというわけ である。 

また、スーザンは霊的世界では、他の天体に住むまったく異なった世界観を持つ存在と遭遇することがあることを伝えてきている。彼らは宇宙を旅する途中、地球での生を終えた魂が集まる霊的世界に関心があって、寄り道をしている存在だという。

そうした時、彼らに対する好奇心を満たすために、うっかり彼らとブレンドするようなことあると、自分の環境をコントロールするのに障害となる、有害な知覚や性格を持ってしまう ことになる 、とスーザンは警告している。

だから合体は安易に行う行為ではないのである。幸いなことに、あの世では、他の存在の真の姿を「見通す能力」を持っていて、相手に近づくだけで、その 存在のすべてを知ることが出来るため、 注意さえすれば、誤った合体を避けることは難しいことではないようだ。

スーザンが「周波数に同調する人のみを選んで引き寄せ、合体するかどうかを選択する」と述べている点を考えると、合体という行為は、 ソールメイトのような波動の合う魂同士の間で行われるのではないかと思われる。

                 参考文献「天国を旅するスーザンからのメッセージ」(中央アート出版社刊)

 

 
   

吹雪く甲斐駒ヶ岳

 

 

 

 

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