トランプ次期大統領のもたらす危険

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中国・農民族の悲惨な実体
中国から農民が消える!
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世界を駈ける衝撃的ニュース
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国連でイスラエルに対する非難決議採択
トランプ次期大統領のもたらす危険
読者へのメッセージ(2)
拡大するアジアの危機

国連決議にイスラエルが反発、対抗処置 

 
 

 
 

 

 
 

日本を含む安全保障会議15ヶ国の内、米国を除いた14ヶ国の賛成多数でイスラエルの占領地での入植活動を違法行為であるとして即時停止するよう求めた決議案が採択されたことについては、前回の「国連でイスラエルに対する非難決議採択」に記した通りである。

イスラエルのネタニヤフ首相は早速「この決議は偏見に満ちた恥ずべき行為で従うわけにはいかない」として、1ヶ月以内に、国連機関への拠出金の停止など国連とのあらゆる関係を見直すよう指示した」と述べている。

2000年前の昔から、パレスティナの領土とされてきた土地を、イスラエル政府はかってユダヤの民が住んでいたという勝手な理由で武力をもって奪い返し、わずかに残されたヨルダン川西岸のパレスティナ領土にも新たに入植活動を行い、既に60万人を越すユダヤ人を入植させている。 

これこそがまさに「恥ずべき行為」ではないか、自身の行いを棚に上げて国連の決議を恥ずべき行為だと言うネタニヤフの顔を見ていると、反吐(へど)が出そうになる。 このような行為を続けていたら、そう遠からずの内に、アウシュビッツの悲劇を上回るとてつもない惨事に見舞われることになるのを、彼らは知らないのだろうか。

 

核合意破棄のもたらすもの

 
 

 
 


ネタニヤフとトランプが一体となって核合意を破棄しようとしている裏には、
イスラエルのイラン攻撃の意図が隠されている。 その先に待ち受けて
いるのがハルマゲドンであることを、ハメネイ大統領は知っている。

 
 

前回の「国連でイスラエルに対する非難決議採択」で、トランプ次期大統領のこれまでの発言の中で、私自身が見過ごせないと思っているのは、中東問題に関しての「イスラエル寄りの発言」と、 今年の7月14日にイランと米国やロシア、中国、ドイツなどとの間で結ばれた「核合意を破棄するという発言」である ことを記した。

今回はその「核合意破棄」がもたらす問題点と未来に向けての危険性について記すことにする。 まず最初に、核合意とは何かについては簡単に触れておこう。 イランの高濃縮ウラン開発を核兵器保有に向けたものであると主張して、米国を始めとする国際社会は、長い間経済的にイランを孤立化させようとする政策を続けて来た。 

2016年7月に、イランと米英仏独中露6ヶ国との協議は、核開発施設の縮小や条件付き軍事施設査察などの履行を含む最終合意を締結するところとなり、イランに対する経済的制裁を解除するところなった。 これによって、イランは半減していた石油の輸出を1日100万バーレルまで増やすことが出来ることになった。

しかし、核合意を締結したイランの穏健派のロウハニ政権に対して、イラン国内では今もなお欧米を敵視する保守強硬派が強い勢力を持っており、国の威信をかけて進めてきた核開発を大幅に制限した割には、欧米諸国などからの制裁解除による恩恵が十分にもたらされていないと、不満の声を上げている。 

また、ハメネイ大統領も「一部のエリートが米国の本性を分かっていないのは、驚きだ」と欧米諸国に対して批判的発言をしている。 そうした中での、トランプ次期大統領の「核合意破棄」の発言は、今イラン国内で大きな動揺と反発が広がっている。

専門家の意見を聞くと「核合意の一方的な破棄は簡単に出来るものではなく、少なくとも2〜3年の裏工作が必要である」とのことである。 ただ問題は、トランプ氏の「核合意破棄」発言の裏には、これから先、イスラエル寄りの政策を推し進めようとする意図がはっきりしている点である。 だとすると、合意の破棄には至らなくても、石油の輸出などイランに対する経済制裁を再び強めることになる可能性は大きい。

 
 

 
 


エルサレムへの米国大使館移転を公言するトランプ次期大統領と
入植活動は正当行為であるとして国連の決議を恥ずべき行為だと非難するネタニヤフ首相
(オーストラリアABC)  

 
 

イスラエルは制裁解除によってイランの経済が活性化し、サウジアラビアやエジプトを追い抜く国力、特に軍事力が高まることによって、イスラエルに対する軍事的脅威が増すことことを恐れているのだ。 そのためイスラエルはイランが完全な核武装をし終える以前に、イラン叩きをしたくて仕方がないのだ。 現にネタニヤフ首相はトランプ次期大統領との会談の後で、「紛争を解決できるか、共に考えるつもりだ」と語っている。 つまり、イスラエルは問題解決が出来なければ、イラン叩きをするつもりでいるのだ。

一時前、そうした行動に移そうとした際に、オバマ大統領から「そのようなことをした時には、米国軍機がそれを阻止することになるだろう」との、きついメッセージを受けたのである。 そのため攻撃は中止したわけだが、トランプ政権がイスラエルよりの姿勢を強めるようなら、再び攻撃を仕掛ける可能性は十分にある。 現に、35年ほど前だっただろうか、イスラエル軍機によるイラクの原子力施設に対する バビロン作戦と呼ばれる攻撃が行われている。

それを知るイランは中部フォルドゥの原子力施設付近に、ロシアから供与された高性能地対空ミサイルシステム「S300」を配備したことが明らかになっている。 イスラエルによる空爆など不測の事態に備えるため、防空システムの構築を図っているのだ。

米国の本性を知っているハメネイ大統領は、もしも次期トランプ政権が核合意破棄もしくは制裁強化に向かうようなら、核開発に対する制限がなくなったとして、核開発を一段と進めることになりそうである。

イランの原子力省のトップは「相手が合意を破棄した場合、イランは制限していた核開発を元の状態に戻す驚くべき能力を持っている」と語っている。 イランは合意破棄に至らなくても一部の制裁の実行だけでも合意破棄と見なすと考えでいるだけに、核兵器開発に進む可能性は大きい。  

それだけに、トランプ新政権とイスラエルの出方、それに対するイランの反応の一挙手一投足に、今世界中の目が注がれているのだ。  一歩間違えば、35年前のバビロン作戦と同様、イスラエルによるイランの核施設に対する空爆が実施され、それは、「ロシア、イラン、イラク」対「イスラエル」の戦争に発展することになるかもしれないのだ。 読者も、この点に関してはしっかり頭の中に入れておいて頂きたいものである。 

 




 

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