シリアのマダヤに救援物資届く
 

 

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23人が餓死、400人が飢餓状態

 
 

 
 


マダヤの町に入る救援物資を積んだトラック (カタール・アルジャジーラ)

 
 

シリアの首都ダマスカスの近郊の町マダヤが、アサド政府軍とレバノンのヒズボラによって9ヶ月にもわたって包囲されて、10月以降、生活物資の搬入が完全に止められ、 何人もの高齢者や子供たちが餓死している惨状については、先日「シリア国内の困窮者たち」でお伝えした通りである。 (「国境なき医師団」によると、餓死者の数は23人、うち6人が1才未満の幼児)

今朝のニュースでは、国際社会からの強い批判を受けてシリア政府軍が一時的に包囲を解いたため、国連や民間支援団体からの米や豆などの食料や毛布などの支援物資が49台のトラックで届けられたようで、ひとまず安堵しているところである。

これでどうにか、閉鎖状態の市民はしばらくの間、空腹を和らげることが出来そうであるが、カタールのテレビ局アルジャジーラは、今回の措置はシリア政府の批判をかわすための一時的な措置に過ぎず、貧しい住民は再び餓死する危険に直面することになるだろうと、厳しい見方を伝えている。

確かにアルジャジーラが伝えているように、 内戦が継続され包囲が続いている限りこれから先も、住民が餓死や凍死から完全に逃れることは無理である。 今回届けられた食料がわずか1ヶ月分しかないことを考えればなおさらである。

国連の人道問題調整事務所は、現在400人以上が栄養失調などで命の危機にあり、このままではさらに多くの餓死者が出る恐れがあるため、直ちに退避させる必要があると述べて いる。 このままでは遠からずして、再び暗いニュースが伝えられることになるかもしれない。

政府軍も反政府軍も大義名分を掲げているが、現在、マダヤなどの都市で行われている市民を犠牲にした戦闘行為は、まさに「戦争犯罪」行為以外の何物でもない。 しかし長い間、戦場から遠く離れた環境で暮らしてきている我々には、なかなか実感出来ないことだが、これが戦争というもののおぞましい実体なのである。

 
 

 
 


マダヤの町では飢餓に苦しむ高齢者が支援物資の届くのを首を長くして待っている
 

 
 

 
 


貧困の高齢者には食べるものは野原の草しかなかったという。

 
 

一縷の望みはスイスのジュネーブで行われる予定の停戦協議である。 年末から国連がシリアの和平実現に向けて動き出しており、今月25日には和平に向けての協議が行われることになっている。 しかし、政府軍と反政府軍を支援するサウジアラビアとイランが国交断絶状態となっていることを考えると、協議の行方ははなはだ不透明で、内戦終結に至るのは容易ではなさそうだ。 

私は個人的には、シリアに春が来ることはないまま中東情勢はさらに悪化し、これから先、大国が絡んだ代理戦争へと突き進んでいくのではないかと思っている。 もしもそうなった時には、その先にあるのはハルマゲドンである。 

そうならないことを是非にと願いたいところだが、 中国の株価の下落や原油の値下がりがもたらすロシアや中国、さらにはブラジルやインドなどの新興国の経済的な混乱を考えると、願いが叶えられる確率は少なそうだ。 今は積極的に動いているロシアも自国の状況が厳しくなって来たら、和平などに関わっていられなくなってくるからだ。

それは欧米においてもしかり。 欧州では難民問題への対処いかんではEU(欧州連合)の内部分裂の可能性もあり、ドイツを中心とした同盟関係を強固なものにすることに、手一杯になってくるかもしれない。 

また米国もイスラム過激派やIS(イスラム国)によるテロ、自然災害の巨大化、貧富の格差に端を発した暴動などで、社会的混乱が発生する可能性も決して小さくなく、レームダック状態に陥ろうとしているオバマ政権では調停工作は無理ではないかと思われる。

これから先、旧正月を終えた後あたりから夏場に向けて、世界は紛争、経済、社会、自然災害など全ての面で大きく動き、厳しい局面を迎えることになるかもしれない。 しっかりと心構えだけはしておきたいものである。

 
 

 
 


国連の支援担当者は、マダヤの町の惨状は想像以上であったと語っている(イギリスBBC)
 

 
 

 
 


国連の特使はサウジアラビアとイランを訪問し、停戦協議開催の
準備を進めているが、和平妥結にまで進むことは難しそうだ。

 


 



徳乃蔵ニュース


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参加者の皆さん、当日会場でお会いしましょう。

 




 

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