一人っ子政策が産んだ社会のひずみ
 

 


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難問が続出・混迷を深める中国社会

 

 
 


赤と青の差の4億4000万という数値は、強制中絶された子供と
無国籍人間の数を表している。実際の数はそれより遙かに多いと
言われており、なんとも恐ろしいことだ。(NHK「クローズアップ現代」より)

 

 

11月3日に掲載した記事「中国・一人っ子政策廃止の行方」でお伝えしたように、今年の1月1日から一人っ子政策が廃止され、夫婦は自由に子供を産むことが出来るようになったわけだが、 先日放送されたNHKの「クローズアップ現代」が伝えるところでは、二人目を産みたいと希望している親は想像する以上に少ないようである。

というのは、両親そのものが、一人っ子として親の愛情を一身に受けて大切に育てられ、高い教育も受けてきただけに、自分の子供もそうしてやりたいと思う気持ちが強く、 政府の政策が変わったからといって、はい分かりましたすぐに2子をもうけますとはいかないのである。

実際、幼少の頃から外国語教室に通わせたり、ピアノや水泳を覚えさせたりする家庭が急増しており、大学の進学率もこの25年間でなんと10倍に達している。 これだけのハイレベルの教育を受けさせるには 大変な経費がかかることは確かだ。 そのために両親は夫婦共稼ぎで精一杯頑張って育てており、一人の子供を育てるだけで手一杯。 二人目を産むこと など考えられないことだという。

そもそも出産は政治で決めるものではなく、それぞれの人間の価値観や生活条件で決めるもの。人々のライフスタイルがすっかり変わってしまった今日、一人っ子政策が廃止されたからといってそう簡単に子供を増やすことが出来るものではないようだ。これが誤った政策が産む恐ろしい一面である。

 
 

 
 

 

 

中国の人口構成は38年間続いた「一人っ子政策」によって
高齢者が若者の人口を上回るという完全にいびつな構成図になってしまった。
 

さらに子供を増やす上で致命的な問題は男女の比率である。12月9日付けの記事「消えた1億人の女性」で記したように家を継ぐ男の子欲しさに第一子が女の子と分かった段階で中絶するケースが多発し、女の子誕生の比率が極端に少なくなってしまっていたのである。 

その結果、未婚の女性100人に対する未婚の男性の数は 、現在186人となっており、結婚する相手がいない男性が50%に達しているのだ。  これでは子供を産もうにも産むわけにいかない。 今になって結婚適齢期の女性を急に増やすわけにはいかないことを考えると、政府の思惑通りことはそう簡単に進まないようである。

経済の急減速の元凶とされる「人手不足」や「賃金の上昇」問題を急いで改善しようとした政府の「一人っ子政策」の廃止であるが、どうやらことは 、

一人っ子政策が生んだ深刻なひずみは、上に添付した人口構成図に現れている。 図を見てもらえれば分かるように、これまでの37年間の「一人っ子」政策によって現在の中国の人口構成は 、赤子から高齢者に向かってその数が少なくなるという「ピラミッド型」から、40〜50歳代が赤子や子供の人口を上回るという「いびつ型」に大きく変化してしまっている。

こうした問題は日本をはじめ先進国にも見られる傾向であるが、中国はなにしろ人口が14億近くに達している上に、弱者や高齢者を支える福祉施設や社会保障制度がまだ十分に整備されていない国だけに、人口削減策がもたらした こうした社会のひずみを解消する事は 、容易ではなさそうである。

 

一人っ子を失った「失独者」

 
 

 
 


一人っ子を亡くした子供のいない世帯が100万世帯に達している
 

 

この一人っ子政策がもたらした社会のひずみついては、前回の「中国・一人っ子政策廃止の行方」に記したように、以下の点が上げられる。

@ 労働人口の減少による経済の減速化問題 
A 少子高齢化問題 
B 無国籍人間の出現問題 
C 不妊手術や中絶の強制問題  
D 我が儘な自己本位の子供の出現問題

どれもが皆これから先社会を揺るがす問題となろうとしているが、中でも深刻な問題は老後を支えてくれるはずの一人っ子を、事故や病気で失った親たちの老後の問題である。  一人っ子を亡くした親のことを中国では「失独者」(しつどくしゃ)と呼んでおり、その数は現段階で既に100万世帯に達して おり、将来的には1000万世帯を超えると言われている。

こうした人達の面倒は一体誰がみるのか。中国政府は「失独者」への救済策として、支援金を支給し受け入れ施設を整備していくとしているが、急速な少子高齢化で社会保障の充実は難しく、「失独者」 たちの間に不安が広がっている。 現に、国の政策に従ったのだから国は責任を持って面倒をみるべきだとして、多くの都市で抗議行動が発生しており、こうした人々はやがて政府に対する不満分子となって暴動や動乱を引き起こすことになりそうである。

一方、若い夫婦 たちにとっても深刻な難問が待ち構えている。 景気減速で十分な収入が得られなくなってきている中で、高い教育費を払って子供を育てながら、 両家の4人の両親と8人の祖父母の面倒をみなければならない。 一人っ子の男性と一人っ子の女性が結婚するわけだから、当然そうゆうことになる。 これでは ますます二人目の子供を産む気にはならなくなってくる。

 
国籍を持たない幽霊人間「黒孩子」


 

 

 
 


政府の監視の目が届かなかった地方都市には、出生届けを出さなかった
「黒孩子」と呼ばれる子供たちが多くおり、彼らには暗い将来が待ち受けている。

 
 

 
 


一見恵まれていそうに見えるこの家庭でも、2人の姉妹の次女(手前)は
「黒孩子」となってしまった。 このままでは2人の人生は天国と地獄に分かれてしまう

 
 

もう一点深刻な問題としてあげられるのが、「黒孩子」(ヘイハイズ)と呼ばれる国籍のない「闇っ子」たちの存在である。 二人目を妊娠した女性に対して 、これまで国は中絶を強要してきた。 それに逆らって子供を産んだ場合には、年収の数倍に当たる罰金を科せられる。 そのためほとんどの家庭はそんな余裕が無いため 、政府に出生届けを出さないケースが相次いで来ており、その数は政府が認めただけでも1300万人、実際の数はその数倍に達している と言われている。

その結果、「黒孩子」となった闇の子供たちは法律上存在しない子供として誕生し、生涯を送ることになる。 こうした子供たちの存在は社会に大きな問題を発生させている。 本人を証明するIDカードを持たない子供は生涯進学も就職も出来ず、鉄道切符も買えなければ病院に行っても薬ももらえないのだ。 こうした子供が大人になって交通事故を起こしても 、被害者は泣き寝入り。 なぜなら戸籍上彼らは存在しない幽霊人間であるからである。

今回の一人っ子政策の廃止を機会に、「黒孩子」たちに国籍を持たそうとする親たちの動きが始まっているが、年収の何倍もの罰金を払って国籍を取得した親たちが猛反対。 政府は両者の板挟みとなって動きがとれなくなっている。 ことごとく左様に 、一人っ子政策が残した難問は山積みとなっているのだ。

既にお伝えしてきているように、これから先、株価の暴落をきっかけに世界の経済は破綻に向かうことになる。  今年に入ってから、さらにはここ数日の世界的な株価の動きを見ていると、時の到来がそんなに先のことでないのが分かるはずだ。 その時には、世界のすべての国が次々と大混乱に陥ることになるが、一人っ子政策がもたらした、これだけの「社会のひずみ」を抱えた中国はひときわ大変。 北京をはじめ多くの都市で発生する暴動や動乱の様子が目に浮かぶようである。




 

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