原油価格暴落の真相
 

 


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ここにもあった絵空事の世界

 
 

 
 


原油価格の急騰、急落は投機マネーのなせる技であった!!

 
 

この世のすべてが絵空事だらけ。 嘘と虚偽で塗り固められたのがこの世の姿。 人類の歴史から宇宙の真相、死後の世界、そして 経済から政治に至るまで、この世界のすべてが絵空事で塗り固められて来たことは、これまで伝えて来た通りである。 今回もまたその絵空事の一つを明らかにすることにする。

実は今回のテーマは、先日のミニ講演会でお話しした話の一部であるが、昨夜のクローズアップ現代でも取り上げられていたので、ご覧になられた方もおられたことかと思う。 原油価格の動向はこれから先の金融の先行きを判断する上で、重要なテーマとなるのでしっかり読んでおいて頂きたい。

 

価格急落の真相
 

今世界経済の混乱を引き起こしているのは「原油安」。 一昨年まで1バーレル=100ドル前後だった原油価格は、下落に次ぐ下落であっと言う間に30ドルを切り、 2月に入って26ドル台まで落ち込む状況となっている。  2008年のリーマンショック前の最高値は147ドル、それに比べるとわずか5分の1の価格。 なんとも凄まじいまでの値動きである。(最下段のグラフ参照)

その結果、産油国の経済は急減速。 原油の販売収入が国家財政の多くを占めてきていたベネズエラやナイジェリアなどは既に財政破綻直前、物価は10~20倍に上がり収入は減る一方で、生活が立ちいかなくなった庶民による暴動発生が 、いつ起きてもおかしくない状況に至っている。

厳しい状況は大国と言えども同様。 中東の盟主・サウジアラビアでは今年の財政赤字が10兆円を超えるのではないかと言われている。 ロシア もまたルーブル安と相まって急激なインフレへの懸念が広がっており、プーチン大統領も頭の痛い状態が続いている。  またシェール革命によってサウジアラビアやロシアの産油量を抜き 、今や世界最大の産油国となった米国でも、多くのシェールオイル企業の経営が悪化、大量倒産の懸念が広がっている。

これほどまでの暴落はなにゆえ起きたのか? マスコミが伝えているその要因は、中国経済の減速による需要の低下、 イランの輸出再開とシェールガス開発による供給増である。 つまり、需給のバランスが崩れた事が主な要因だとされている。 しかし、それは真っ赤な嘘、絵空事である。 実は中国の経済は急減速している ものの、原油使用量の伸び率は、2014年が9%に対して2015年は8%と需要はわずか1%しか減っていないのだ。

また、イランの輸出再開やシェールガスの供給増があっても、需要と供給のバランスの崩れはわずかで、供給過剰分は100万バーレルが200万バーレルに増えただけである。 この増加分は1日の世界の原油の生産量・約1億バーレルに比べると、 たった1%に過ぎないのだ。 ( 下図を参照 )

 
 

 
 

     
供給量9700万バーレルに対して、需要量9500万バーレルと、
需要と供給の差はわずか200万バーレルしかないのが分かる 
(朝日新聞)

 
 

金融商品と化した原油

たった1%の供給加増で、価格が3分の1になる、そんなことはあり得ない。 実は、原油価格の急落の裏には、一般に伝えられていることとは別の要因があったのだ。  それでは隠されたその裏事情をお伝えすることにしよう。

真の要因は10年ほど前から、原油が「金融商品」と化してしまっていたことである。 つまり、金融市場で取引されている株式や国債、社債と同様、金融商品 の一部として取引されていたのだ。 そしてその額はなんと100兆円。  その結果、価格は現物を売買する者同士で決められるのではなく、ニューヨークやロンドンの金融商品を売買する金融市場で、投資家同士の先物取引 (架空の取引)の中で決められていたのだ。

それゆえ、株価と同様、2009年のリーマンショック以降、米国やEU、日本が行って来た金融緩和というカネのばらまきによって余った資金が、 大量に原油市場に投入されて価格は急騰。 リーマンショック後、60ドル前後で推移していた原油価格は一気に120ドルまで上昇し、その後、米国の第2次金融緩和、第3次金融緩和のたびに上昇して は下がりを繰り返して、100〜120ドル台の高値を維持し続けて来ていたのである。

しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)が2014年に量的緩和を縮小することを決めて以降、価格は下降に転じ、2014年10月の量的緩和終了 宣言によって50ドルを下回り、さらに、昨年12月の利上げによって下落の勢いは加速され、とうとう30ドルを割り込むこととなったと言うわけである。

つまり、原油価格の急激な動きは、原油の供給と需要の関係というより、原油を対象とした金融商品に対する資金のばらまきと撤収によって決まっていたというわけである。 

それでは、これから先原油の価格はどう推移するのか? また世界の金融市場に及ぼす影響は?  破綻する国家はどこか? それらの点については、改めて次回に記すことにしよう。

 
 

 
 


この図を見れば、原油価格が量的緩和(カネのばらまき)に
よって上昇し、緩和縮小によって下落しているのが一目瞭然だ。

 




 

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