シリア・遠のく内戦終結
 

 


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新たにトルコとサウジアラビア参戦

 
 

 
 


ロシア軍の空爆で破壊される、シリアの首都・ダマスカス周辺の町
 

 
 

 
 


空爆から必死に逃げる女の子
 

 
 

 
 


アザーズの町の空爆で足に大怪我を負った少年

 
 

5年間にわたって続くシリアの内戦を終結させようと、国連が中心になって開催されたシリア和平協議が中断されたのは今月はじめ。 その後、再開に向けて先週ドイツのミュンヘンでロシアや米国など関係各国間で、中断の要因となっている空爆の継続について、 1週間以内にIS(イスラム国)に対する攻撃以外は止めるよう努力することで合意が成立。

しかし、その後もロシアとシリア政府軍による首都ダマスカス郊外にある幾つかの反政府勢力に対する空爆や、反政府軍とクルド人武装勢力(シリア民主軍)との戦闘は続き、幾つかの町で、一般市民の犠牲者が出続けている。 上の写真を見てもらえれば 、それがどれほど悲惨なものであるかお分かりになるだろう。

さらに15日未明にはアザーズの病院や学校、イドリブ県の国境なき医師団が支援する病院も空爆され、子供を含む患者や医師、スタッフなど50人ほどが死亡した、とイギリスBBCが伝えている。  空爆はシリア政府とロシアによるものだとする欧米諸国、一方、ロシアは強く関与を否定。 

そればかりか、トルコ軍がシリア領内のクルド人勢力の拠点に2日間にわたって攻撃。  トルコ国内でしばしば起きているテロに関わっている組織を壊滅しようというわけである。 しかし、少数民族クルド人組織に対して米国は、IS(イスラム国)掃討作戦で地上部隊の役割を担ってもらっており、同盟関係にある。 そのため、トルコ側に攻撃の停止を要請。 どうやら内輪同士のもめ事に発展してしまったようだ。

私はかねてから中東情勢の行方には、今後のトルコ政府の動きが大きく影響してくると伝えて来たが、トルコはロシアとの言葉の応酬合戦を演じているだけでなく、とうとうシリア内戦に関わりを持つことに なり、米国とも対峙することとなってしまったようだ。 ますますシリア内戦は複雑化し、混迷の度合いを増してきたようだ。

 
 

 
 

 

 
 

 
 


トルコ軍がシリアのクルド人勢力の拠点を攻撃。とうとう
トルコは事実上シリア内戦に参加するところとなった。

 

 
 

 
 


さらにスンニ派の大国・サウジアラビアが加わる
ことになったら、一段と泥沼化となることは必至

 
 

サウジアラビアも地上軍派遣
 

和平協議の足を引っ張っているのはそれだけではない。 サウジアラビアがシリアのIS(イスラム国)に対する作戦として、シリア国内に地上軍 を派遣する用意があると発表。 これに対してシリア政府とロシア政府が猛反発。  サウジの派遣の真の狙いが米国と同様反政府軍への協力、つまりアサド政府軍攻略のためであるからである。 シーア派のアサド政府に対するスンニ派のサウジアラビアの参戦となると、事は重大である。

シリア政府は地上部隊が介入して来たときには、侵略行為とみなし対抗措置をとる可能性を示唆。 またロシアのメドベージェフ首相は、地上部隊の派遣は大規模な長期間の戦争を招くことになると述べて、サウジアラビアに対して強い警告を発している。

こうした状況を見ると、もはや和平協議どころではなくなって来ているのが分かるだろう。 政府軍と幾つもに分かれた反政府軍、さらにIS(イスラム国)やアルカイダを交えた戦 いに、さらに隣国・トルコや中東の大国サウジアラビアを巻き込んだ三つどもえ、四つどもえの戦いとなれば、内戦終結はさらに遠のくばかりである。

14日行われたオバマ大統領とプーチン大統領との電話会談も、双方の立場の違いは埋まらず実質的な成果がないまま、終わってしまったようだ。 これで和平協議の再開が先延びされたり、 失敗に終わるような事態になれば、中東情勢は一段と複雑化し、引き返しの出来ない事態となることは必至だ。 いよいよ世界はハルマゲドンに向かって 、さらに一歩近づくことになりそうである。


 

追記

核廃棄物保管施設に関する記事は、後日掲載します。




 

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