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シェールガス会社の倒産が
  「第2次リーマンショック」を引き起こす


 
 

 
     
 

 
 


下落を続ける原油価格。 25ドルを大幅に割り込んできたら
米国のシェールガス革命は終わりを告げ、企業の連鎖倒産が始まる。
それは「第2のリーマンショック」の始まりとなるだろう。

 
 

待ち受ける金融危機

原油が「金融商品」となり株価や債券と同様投資マネーの対象と化してしまったこと。 その結果、量的緩和(金融緩和)によって価格が異常に上昇。 その後の緩和の縮小、停止、金利引き上げによって下落が始まったことについては、前回お伝えした通りである。

欧米や我が国の中央銀行がばらまいた何百兆円規模の膨大な資金は、無利子に近い金利で投資家たちの手に渡り、金融市場といういわば博打場で売った、買ったの丁半博打によって、彼らを儲けさせてきた。 

また産油国もそれによって長い間潤って来たわけだが、その結果、多くの国民は高いガソリン代を払わされ家計を圧迫され続けて来たことになる。  ところが、マスコミはそんなことには一切触れず、受給バランスの崩れが高値をもたらしていると報道し続けて来た。 まさに絵空事の報道であったというわけだ。

それでは原油の価格はこれから先どうなるのか?  IEA(国際エネルギー機関)などは、これから先供給量が抑えられることから、来年以降は80ドル位まで値を戻すことになるだろうと、楽観視しているが、私は、上値は40 〜50ドルが限界で、下値はサウジアラビアの産油コストの下限である10ドルまで下がる可能性があると考えている。  そして、その行き着く先は、リーマンショックを上回る金融危機の再来である。

2年ほど前から米国を湧かせたシェールガス革命は、米国を世界最大の石油産油国に導き、米国経済を活性化すると期待されてきた。 しかし、その足を引っ張ったのは 、想像以上の原油価格の急落であった。  80ドルから50ドルへと下落が始まった段階で、規模の小さいシェールガス開発業者は産出を中止。 原油と違ってシェールガスは生産コストが 高く、小規模企業は50〜60ドルが採算の限界であるためだ。  その後、更なる下落で撤退が始まり、既に40社が倒産。

大手のシェールガス会社でも、30〜40ドルが採算の下限。 つまり、現在の価格が赤字を出さないぎりぎりのボーダーラインであるのだ。 ところが前回記したように、原油の価格は ばらまいたマネーの回収によってさらに下がる可能性が大きく、IMFのラガルド専務理事も原油や資源価格の低迷は長期化し、上向く可能性は低いと述べている。 となると、事態は深刻である。

米国の銀行は毎年4月と11月に、融資先の企業への融資の継続についての判断を下す。 これから先、シェール企業に対する融資を止めるか継続するか、 融資の額を減額するか増額するか、3月中に決断が下る。  このままでは大方の企業が採算割れの状態が続くこととなるだけに、融資は縮小、もしくは止められて資金繰りが悪化、倒産が始まることになる可能性は大きい。  現在残っている大小約4000社の内3分の1の千数百社が今年中に破綻するだろうと言われている。

 
 

 
 


シェールガス会社の倒産は巨大なジャンク債市場を直撃し、
世界中の金融商品のパニック売りを発生させることになる。

 
 

「第2のリーマンショック」発生

そうなると、シェール企業へ投資されている100兆円の内、30〜40兆円が焦げ付くことになり、来年にかけてはさらに倍増することになる。 思い出して頂きたい。  2009年に米国で発生し世界を不況に陥れた「リーマンショック」は、前年2008年頃から表面化した「サブプライムローン」と言われる、返済能力の低い人々に融資した住宅ローンの大量破綻が要因であった。  そのサブプライムローンの焦げ付きの額はおよそ35兆円。

今回はサブプライムローンに代わって、シェールガス企業に投資している「ジャンク債」と呼ばれる格付けの低い債権(ハイリスク、ハイリターン商品)が破綻することによって 、「第2のリーマンショック」が発生することになる。 恐ろしいのは、サブプライムローンを遙かに上回る、シェールガスへの投資資金の大きさである。

 このジャンク債はサブプライムローンと同様、世界中の金融商品の中に複雑に組み込まれている。 あなたが銀行や証券会社から勧められた債券の中にも、組み込まれている可能性があるのだ。 したがって、シェール企業の倒産が一斉に始まると、 巨額のジャンク債が債務不履行となり、それを取り込んだ様々な金融商品が次々と破綻することになる。 

そうなると事態は一段と深刻となる。 自分の所有している金融商品にジャンク債が組み込まれているのではないかと、世界中の投資家たちの間に不安が広がり 、パニック売りが始まることになるからだ。 まさに「第2のリーマンショック」の始まりである。

その結果、金融市場全体がパニック状態となり、世界的にかってない規模の金融危機が発生することになる。 そうした動きの予兆はドルの動きから読み取る事が出来る 。  我が国ではアベノミクスがもたらした円安に浮かれている人々が多いようだが、一転して円高(ドル安)に向かい出したときが要注意だ。  そして、既にその兆候は始まっている。

 
 

 
 


国家収入の50%以上をエネルギー輸出に依存している
ロシアもまた、原油安の影響を大きく受けることになる。 
それに追い打ちをかけることになるのが通貨ルーブル安である。
 

 
 

 
 


8000億円の財政削減を発表するプーチン大統領

 
 

原油安がもたらす産油国の財政破綻

 
 

 
 


サウジアラビアは10兆円を越す財政赤字が予測されており、
このまま原油安が続くようなら、財政破綻の発生もあり得る。

 
 

原油安による影響は金融市場の混乱だけでは終わらない。 産油国の国家財政を破綻へと導く可能性も大きいのである。 輸出の90%を石油に頼ってきたベネズエラのように 、既に破綻寸前に追いこまれている国もあるが、最も裕福で安定した国と言われていたサウジアラビアでさえも 、同様な危機に直面する可能性が大きいのである。

下の図を見てもらえれば分かるように、サウジアラビアは原油価格が90ドルを超していないと、財政赤字となる仕組みとなっている。 そのため、 このままでは11兆円規模の財政赤字が発生すると言われており、それを補うために 「金」や「株」を売却、欧米や中国の株価や金価格が下がっている要因の一つとなっている。

昨年からイエメンに対する軍事介入で軍事費が増大している上に、シリアに地上軍を派遣するようなことになれば、財政はさらに悪化。  これまで政府は国民への手厚い支援で王政を保ってきたが、既にガソリン価格 が1・6倍となるなど諸物価が上がる中、役人の給与は引き下げられ、消費税5%の導入も予定されている。 

このままでは国民の王政への不満は大きくなり、2011年から12年にかけて中東諸国で発生した 「アラブの春」(民衆蜂起)によって、王族による政権の崩壊が起きる可能性もあり得る。 中東の大国・サウジアラビアで「アラブの春」が発生した時は一大事である。 シリア、イラク、リビア、エジプト、イエメン ・・・・・・・、中東全域が内戦状況となり、地獄と化す。 

また、大国ロシアも決して安泰ではない。 国家収入の50%以上を原油やガスなどのエネルギーに依存しているだけに、財政危機の到来は避けては通れそうもない。 既にプーチン大統領は8000億円規模の財政削減策を打ち出している。 こうして世界は経済的危機に突入するだけでなく、民衆蜂起による政変劇が多発する可能性も あるのだ。 

これに自然災害が加わることになれば、人類は一段と厳しい状況に追いこまれることは間違いない。 その先駆けとなる株価の暴落が近づいて来ていることは、年明けからの世界的な株価の急落が示している。  株価はこれから先、月末に向け一旦は上昇することになるかもしれないが、そう長くは続かないだろう。 

いずれにしろ、原油価格の25ドル割れは、世界の金融市場にパニックを発生させることは間違いない。 3月中旬から春先に向かって要注意である。

 
 

 

 


原油価格が90ドルを超さない限り、サウジアラビアの財政は赤字となる。
他の中東諸国もみな60〜70ドルが下限であることを考えると、これから先、
各国とも深刻な財政赤字に陥ることは必至だ。 その先に待ち構えているものは!!

 




 

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