核廃棄物保管施設
 

 


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フィンランドに世界で初めて建設

 
 

 
 


北欧フィンランドには世界で初めて使用済み核燃料
の保管施設・オンカロが建設されようとしている。

 
 

「北極圏に建造された種子貯蔵庫」に続く、北欧から届いたニュース。 今回はフィンランドに建設されようとしている核廃棄物保管施設に関するニュースである。  なんとか一日6時間に及ぶ3日間の講演会を終えてホッとしたのもつかの間、今度は風邪で39度前後の高熱。 熱に弱い私にとって39度はかなりきつい状況だ。 

そんな中で、なんとか頑張って書き上げた記事であるので、文章が少々心配であるが細かいところは目をつむって読んで頂き、核燃料の廃棄処分がいかに大変なことであるかを知って頂きたい。 それにしてもHPやブログを書き続ける人間には、休みというものがない。 もうこんな生活も15年になる。 そろそろ年季明けにならないかと願っている今日この頃である。
 

廃棄処分が一歩も進まない中、次々と原発再開を許す安倍 

原子力発電所を稼働させると必ず産み出されるのが使用済み核燃料、いわゆる「高レベル放射性廃棄物」である。 それをどう処分するのかを巡って、我が国をはじめ原発を稼働させている国々は 、未だに処分場所すら決まらず苦慮しているのが現状である。

処理方法の一つとして考えられるのは、燃料を密封して地下深くに埋設する方法である。 しかし埋設する場所を巡っては住民の反対が強く、なかなか承認が得られないまま、日に日に廃棄物は増え続けている。 こうした中、フィンランド政府は昨年11月に最終処分場の建設を、世界で初めて許可したのである

処分場の場所は、首都ヘルシンキから北西に240キロの町、人口6000人のユーラヨキである。 ご覧になられた読者もおられることと思うが、先日BS・NHKの「キャッチ世界の視点」の取材班が世界唯一の核燃料処分施設「オンカロ」に入り、その様子を伝えていた。 因みに「オンカロ」とはフィンランド語で「穴蔵」を意味する言葉 である。

オンカロはその名の通り、花崗岩の岩盤を400メートルまで掘ったトンネル(穴蔵)の先に、造られた最終処分場であるが、そこに放射性物質を固めた容器を埋め、環境に悪影響を及ばさなくなる まで半永久的に閉ざされることになっている。 その期間は10万年。 計画では、数年以内に核燃料の搬入が開始され、作業の終了は100年後の2120年頃を予定している。

 
 

 
 


硬い花崗岩を掘削し下図のようなトンネルを巡らし、使用済み核燃料
などの放射性物質を保管する施設「オンカロ」の建設が進められている。
しかし工事が完了するのは100年後、いかに困難な工事であるかが分かる。

 

 
 

 
     
 

世界のあらゆる国が処分場をどこにするか決められずにいるのに、フィンランドではどうして決めることが出来たのか?  情報開示が決め手となったようである。  どうやら、国や原発会社が都合の悪い情報を隠したい我が国とはだいぶ状況が違うようだ。  それでも町の決定機関が全員一致というわけではなく、2000年に「20対7」で決められたとのことなので、今でも不安を感じている住民はいるようである。

問題は安全性である。 オンカロは硬い花崗岩の中に作られているので、安全性は高いが問題がないわけではない。 現時点でも、トンネルの中には地下水が湧き出ている箇所が幾つかあり、こうした水が放射性物質と混ざり周辺に漏れ出る恐れが危惧されている 。

「北極圏に建造された種子貯蔵庫」でも記したように、これから先地球が遭遇することになる地球浄化のための大艱難は、ポールシフトを伴う大地殻変動が予想されている。 それを考えると、 硬い花崗岩と言えどもどこまで持ちこたえることが出来るか不安は残る。 地殻変動と洪水が同時に来る可能性高いことを考えると、高放射能レベルの核燃料や廃棄物が水と混ざり合い地球を汚す危険性は十分にあり得る。

どうやら、不安の種は尽きることがなさそうである。

 
 

 
 


トンネルの中には向こう100年かけて9000トンの使用済み核燃料が貯蔵される

 
 

我が国の廃棄物処理の現状

 
 

 
 


我が国ではまだ低レベル放射性廃棄物の処分場すら決まっていない。
それなのに、安倍政権によって原発は次々と再稼働し始めている。

 
 

「キャッチ世界の視点」が放送される1週間ほど前、NHKのクローズアップ現代で、原子力発電所の廃炉に伴う放射性廃棄物の処分問題を取り上げていた。 ご覧になられた方も多かったかと思われるが、先ずはその内容を簡単に説明しておくことにする。

我々は今、廃棄物の処分場問題を先延ばししながら、原発が作り出す電力をたいして不安を感ぜずに使用し続けている。 しかし、東海村で最初の原発が稼働 してから50年、原発の運用期間は原則40年であることを考えると、これから先老朽化する原発が相次ぎ、廃炉が迫られることは必至である。 

現に廃炉作業がすでに始まっているものと廃炉が決まっているものだけでも、福島第1原発をはじめ、浜岡、東海、敦賀、美浜、2号機、鳥取、玄海など14基に達している。 さらに今後10年間の内に廃炉の判断が迫られる原発は15基。

廃炉が決まった原発は処分しなければならないが、問題はその時に搬出される放射性廃棄物の処分先である。 放射性廃棄物は上段の図のように3つのレベルに分けられる。 直接核燃料に触れていた制御棒など最も危険性の高い廃棄物 L1 は地下深く10万年の隔離が求められているが、その廃棄処分場については目処すら立っていない 。 

それどころか、原発会社が処分する責務を負っているL3の低レベル廃棄物の処分先すらも決まっていないのが現状だ。 L3 は、その量が膨大で あることが問題だ。 こうした L1 から L3 までの廃棄物は現在、原発会社の倉庫に保管されたままである。  L2レベルまで解体が進んでいる東海原発ではその量がすでにドラム缶2000個達しており、倉庫の保管スペースは20%しか残っていないのだ。

 
 

 
 


東海原発の解体に伴う放射性廃棄物はすでにドラム缶2000個に達しており、
3年後には放射のレベルが最も高いL1 クラスの解体作業が始まることになっている。

 
 

危惧されているのは、こうした廃炉となった原発の廃棄物だけではない。 番組では取り上げていなかったが、一番の問題は使用済みの「核燃料 」の処分問題である。 核燃料は当然最も放射性レベルの高い危険物である上に、その量は大変な数量に達しており、すべての原発の使用済み燃料はすでに1万7000トンに達している。

折良くBSテレビで、フィンランドで世界で初めて核燃料の最終処分場が建設される運びとなった、とう番組を見ることになったわけだが、実はその番組の終わりでなんとも恐ろしい事実を知らされることとなった。 オンカロで造られている核廃棄物の最終処分場は、これから先100年かけて建造されてい くわけだが、そこで処分することの出来る廃棄物の量はわずか9000トンに過ぎないのだ

ところが、我が国で廃棄処分しなければならない廃棄物は、「核燃料」だけですでに1万7000トンに達しており、100年先に目指すフィンランドの処分量のなんと2倍近くに達しているのである。 廃棄 物量の多さと廃棄処理の困難さを考えると、身の毛がよだつ思いである。  こうした現実を知らぬ存ぜぬと、原発開発会社東芝と手を組んで、世界に原発を売り込んでいる安倍にはもはや総理の資格はない。 会社解体に向かって動き出した現在の東芝の惨状を見れば、安倍の行く先がどれほどの世界か、お分かりになるだろう。

多くの読者は今回の記事を読まれて、廃棄物処理のまったく目処の立たない現状を知り、気分は暗くなられたことだろう 。 しかし、これが我々が直面している現実なのである。 知らなかったでは済まされない恐ろしい現実なのだ。 こうして見てみると、人類は再びアトランティスの悲劇を体験しようとしている ことがわかる。 愛する地球が二度と人の住めない星にならないこと願うのみだ。 

いま我々に出来ることは、原発の再開をストップすることだ。 これは人間が強い意思さえ持てば出来ることだ。 しかし、原発は今もなお次々と再稼働されようとしている 。 噴火が続く桜島からわずか52キロ、火山性微動が発生している霧島連山からもそう遠くない川内原発が 、これから先、安全であるなどと言う保証はない。 何も知らず、何も考えず、ただ町が活性化し、商売が繁盛することだけをよしとしている現地の人々が、臍(ほぞ)を噛むことにならないことをただ願うばかりだ。

 
 

 
 


口之永良部島が噴火し、わずか52キロしか離れていない桜島の巨大噴火の懸念が
高まって来ているというのに、川内原発近郊の住民は何も心配していないのだろうか。

 

 

 

 

追記 

  前回の記事で日銀総裁の黒田氏の名前を間違って記載してしまいました。 
  修正させて頂きましたのでご報告いたします。

    

 

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